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<title>きがくぶろぐ</title>
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<description>氣学風水術を通じて日々思うこと、旅行記など</description>
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<title>四国へんろ【126】 第８回区切り打ちスタート</title>
<description>さて前回の第７回区切り打ちで、愛媛県・伊予大洲まで歩くことができた。行程としては全体の約半分を過ぎたところである。そして年も改まり、2006年から2007年へ。九氣で言えば、丙戌三碧木氣中宮年から丁亥二黒土氣中宮年へと改まった。この2007年・丁亥二黒土氣中宮年であるが、氣学的に南西方位には暗剣殺氣が在泊し、万人にとって大凶方位となる。当然、私の自宅から見て南西方位に当たるお四国へは行くべき方位ではないが、さらに翌2008年は戊子一白水氣中宮年となり、二黒土性の私にとって再び...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-07-05T05:41:47+09:00</dc:date>
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さて前回の第７回区切り打ちで、愛媛県・伊予大洲まで歩くことができた。行程としては全体の約半分を過ぎたところである。<br /><br />そして年も改まり、2006年から2007年へ。九氣で言えば、丙戌三碧木氣中宮年から丁亥二黒土氣中宮年へと改まった。<br /><br />この2007年・丁亥二黒土氣中宮年であるが、氣学的に南西方位には暗剣殺氣が在泊し、万人にとって大凶方位となる。当然、私の自宅から見て南西方位に当たるお四国へは行くべき方位ではないが、さらに翌2008年は戊子一白水氣中宮年となり、二黒土性の私にとって再び南西方位が吉方位となる年が巡ってくる。<br />その2008年に年・月ともに吉方位で結願を迎えたい。予定としては、2008年の７月節、９月節、10月節での結願である。<br /><br /><a name="more"></a>よってこの2007年は、あまりお四国を歩きたくはなかったが、翌2008年の年・月ともに吉方位で結願を迎えるためには、やはり少しでも歩いておかないと行程的に厳しくなる。<br /><br />その妥協案としてこの2007年は、月の吉方位となる時期を選んで歩くことに決めていた。その候補月として最適だったのが、４月節。24節気でいうところの立夏（2007年は５月６日）までが４月節に当たるので、ＧＷ休暇をほぼ活用できるのである。<br /><br />ということで、ＧＷの後半４日間の休みを利用して次の第８回区切り打ちを計画した。出発は2007年５月２日（水）の夜。<br /><br />幸いなことに、大阪からは前回打ち止めた伊予大洲までの直行バス便があった。阪神バスの宇和島・城辺行き「サラダ・エクスプレス」である。<br />しかし関西からは四国各地への直行バス便が豊富でホントに助かるなぁと思う。おかげで区切り打ちの予定も立てやすい。<br /><br />さて、そんなこんなでいよいよ第８回区切り打ちのスタートとなった。2007年５月２日（木）の夜、仕事を終えて帰宅し、その足で大阪市内へ向かう。阪神バスの乗り場は、大阪・西梅田にある「ハービスＯＳＡＫＡ」という大きな商業複合施設の前である。<br /><br />そこへ向かって大阪中央郵便局の前を歩いていると、横から声をかけられた。<br /><br />「これからおへんろに行くんですか？」<br />「えっ！」<br /><br />ちょっと驚いて横を向く。声をかけてきたのは、若い男性だった。私はそのときまだ白衣は着ていなかったが、リュックに菅笠をくくりつけ、手に金剛杖をもっていたので、おへんろさんであることは一目瞭然だったのだろう。<br /><br />そしてその若者は、最近おへんろに興味を持って、いつか行ってみたいなと思うようになっていたところだったらしく、そんなときに偶然自分の目の前におへんろさん（私）が現れて、ビックリして思わず声をかけたという。そして私が前年の夏から歩き始めて、前回伊予大洲まで歩いたことなど話し出すと、若者は目をキラキラさせながら聞き入ってきた。<br /><br />結局その若者はバス乗り場の前までついてきて、その間熱心に質問を投げかけてきた。私もその若者の参考になればということで、なんとか答えたつもりだったが、果たして参考になっただろうか。そして若者は最後に「ありがとうございました。僕もいつか行きたいと思います。じゃ、頑張ってください。」とさわやかな笑顔を残して去っていった。<br /><br />ＧＷ後半の４連休前日の夜ということで、バス乗り場前の待合客はさすがに多い。やがて宇和島・城辺行きのバスがやってきた。それに乗り込み、一路伊予大洲へと向かう。<br /><br />翌５月３日（金）の早朝５時過ぎ、無事伊予大洲に着いた。まだ外は暗かったが、空を見上げるとやや青みがかっているのが見てとれた。まもなく夜も明けるだろう。<br /><br />伊予大洲では私のほかにけっこうな客が降り、そこに出迎えにきている人なども加わって、バス停前は早朝にかかわらず賑やかだった。思えば前回の年越しへんろに来たとき、ＪＲ窪川駅前で真っ暗ななか降りたのは私ひとり。そのときはすごく寂しかったので、この賑やかさはなんとなく嬉しかった。<br /><br />すぐ近くにＪＲ伊予大洲駅が見える。そして反対側にはローソンも。私は取り敢えずローソンに向かい、その駐車場の片すみで白衣に着替えた。そして頭にハチマキをキリリと締め、リュックを背負って菅笠をかぶる。<br /><br />時刻は５時30分。さて、行くか！。私は意気揚々と歩き出した。<br /><br />

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<title>四国へんろ【125】 極楽極楽ぅ～♪</title>
<description>外は相変わらずの小雨が降り続いていた。でも菅笠をかぶっていれば十分。ポンチョを着るほどのことでもなさそうだ。そしてさて行くかと、小雨降る中、ポンチョを着ずに私は歩き出した。しかし歩き出してすぐに、やや雨足が強くなってきた。オイオイと思いつつ、急ぎ足で歩いて昨夜夕食の弁当などを買い込んだローソンの軒下に身を寄せた。あ～あ、やっぱりポンチョを着なきゃならんのか。どうするかなぁ・・・。このすぐ近くにＪＲ伊予大洲駅もあるし、あそこから電車に乗ってスンナリ松山へ出てしまおうか。しばらく...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-07-01T00:30:31+09:00</dc:date>
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外は相変わらずの小雨が降り続いていた。でも菅笠をかぶっていれば十分。ポンチョを着るほどのことでもなさそうだ。そしてさて行くかと、小雨降る中、ポンチョを着ずに私は歩き出した。<br /><br />しかし歩き出してすぐに、やや雨足が強くなってきた。オイオイと思いつつ、急ぎ足で歩いて昨夜夕食の弁当などを買い込んだローソンの軒下に身を寄せた。<br /><br />あ～あ、やっぱりポンチョを着なきゃならんのか。どうするかなぁ・・・。このすぐ近くにＪＲ伊予大洲駅もあるし、あそこから電車に乗ってスンナリ松山へ出てしまおうか。<br /><br />しばらく考えて、私は雨の中を走り出した。すぐ近くのＪＲ伊予大洲駅へ向かって・・・。そう、結局このまま松山へ出ることにしたのである。<br /><br /><a name="more"></a>それは・・・・<br /><br />ポンチョもじゅうぶん乾き、きれいに折りたたんでリュックの底に入れてある。それを出すのも面倒だ。また濡らしたくないし。<br />それに、思えば昨年末に37番岩本寺近くのＪＲ窪川駅から歩き出して、この伊予大洲までの一週間。約240ｋｍもの行程を歩いてきたのだ。私には区切り打ちとしてこの年越しへんろ行をじゅうぶんに堪能した感があった。<br /><br />そして初めての愛媛県。初めての松山。初めての道後温泉。次また区切り打ちで来るとき以外、この地を訪れることはそうそうないだろう。ここはゆっくり時間をとって、松山観光としゃれ込もうか。<br /><br />・・・・ということであった。<br /><br />まだ８時過ぎ。14時30分ＪＲ松山駅発のバス便まで時間はじゅうぶんにある。ということで、特急には乗らず、一本遅らせて次の普通電車に乗り、松山に向かった。<br />窓の外は相変わらずの雨が降り続いていた。「まぁヨカッタかな、これで、、、。」と思いつつ、ボンヤリと車窓に流れる景色を眺めた。<br /><br />約１時間で松山駅に到着。雨がやんでいたらこのまま道後温泉まで歩くつもりだったが、小雨ながらも降り続いていたので、取り敢えず道後温泉行きのバスに乗る。そして道後温泉前で下車。<br /><br />バスを降り、道後温泉街の風景をのんびり楽しみながら歩く。すぐ近くに「ぼっちゃん列車」が止まっていた。その光景がなんとものどかで心地良い。またすぐ近くで、小説『坊ちゃん』の雰囲気そのままの格好をした男女が観光ＰＲなどをしていた。<br /><br />それを眺めていると、地元の観光イベントのスタッフらしきおじさんから「おへんろさんですか？」と話しかけられ、しばしの談笑タイムとなった。<br /><br />そしていよいよやって来た道後温泉本館。さすがに歴史ある温泉だけに、その建物の荘厳さ重厚さにう～んと唸った。しかしそれより何よりこの人の多さ。本館前は人ゴミをかき分けかき分け歩かないと前に進めないほどのすごい人だかりだった。<br /><br />２階座敷でのお茶菓子＆休憩付きのチケットを買って、本館の中へ入る。チケットはただ入泉するだけの安いものもあったが、先ほどのスタッフおじさんに「お茶菓子＆休憩付きのやつがオススメですよ」と言われてそれにしたのだった。<br /><br />とにかく時間はじゅうぶんにあったので、２ヵ所あった浴槽に交互に何度も入り、これでもかというぐらいに浸かってこの一週間の疲れを癒した。（おかげでけっこうノボセてしまった）<br /><br />本館の浴衣に着替え、２階の座敷でお茶菓子をいただきながらゆっくりのんびりくつろぐ。何ともいえないこの至福感。ホントに気持ちよい時間だった。<br /><br />その後、本館内の展示物などを見学して外に出た。<br /><br />そして本館前の商店街をウロウロ見てまわり、家へのおみやげに「ぼっちゃん団子」もしっかり購入。商店街を抜け、空を見上げるとうまい具合に雨もやんでくれていた。<br /><br />ヨシ、このまま松山駅まで歩いていこうか。歩きへんろから完璧に観光客と化していた私であったが、とにかくあっちに寄り道こっちに寄り道しながらブラブラ歩いた。<br /><br />やがて時が過ぎ、定刻通りのバスに乗る。帰りのバスの座席は、ゆったりした一列３人がけの真ん中。しかも一番前。眼前の景色もよく見える。来るときに乗ったバスとはエライ違いだった。<br /><br />そしてゆっくりと今回の年越しへんろ行を振り返る。<br /><br />今回は第７回目の区切り打ち。特に私にとって一週間という最長期間となった。雨風に悩まされたり、山道で迷ったり、一番楽しみにしていた初日の出が見れなかったり、、、いろいろあったが、ホントに楽しい一週間だった。<br /><br />道後温泉もヨカッタし、また次も楽しく歩けたらいいなぁ。そうこうしているうちに瞼が重くなり、静かに目を閉じる。温泉に浸かりすぎたのか何だか気だるい。しかしこの気だるさとバスの揺れとがうまくマッチして最高に気持ちよい。<br /><br />こうしてまさに極楽極楽という感じで、私の第７回区切り打ち・年越しへんろ行は幕を閉じたのであった。<br /><br />

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<title>四国へんろ【124】 ときわ旅館にて</title>
<description>部屋に入るなり、石油ストーブのスイッチをＯＮ。そしてまずは缶ビールをプシュッと開けてグイッとひと口。プハァ～、ウマイ！ 続けて弁当を開けてパクパク食い始める。テーブルの上に何やら一冊のノートが、、、。よく見ると、おへんろ宿などによくある旅のノートみたいなものが置かれていた。何気にそのノートを手に取り、ビールを飲みつつ、弁当を食いつつ、読み始める。全国各地からこの宿に来たおへんろさんが、それぞれの思い出を自由に書き綴っていた。それを読みながら私は思った。そう言えば、私がこの宿の...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-28T00:48:57+09:00</dc:date>
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部屋に入るなり、石油ストーブのスイッチをＯＮ。そしてまずは缶ビールをプシュッと開けてグイッとひと口。プハァ～、ウマイ！　続けて弁当を開けてパクパク食い始める。<br /><br />テーブルの上に何やら一冊のノートが、、、。よく見ると、おへんろ宿などによくある旅のノートみたいなものが置かれていた。何気にそのノートを手に取り、ビールを飲みつつ、弁当を食いつつ、読み始める。<br /><br />全国各地からこの宿に来たおへんろさんが、それぞれの思い出を自由に書き綴っていた。それを読みながら私は思った。そう言えば、私がこの宿の今年初めてのお客さんとのことである。その記念に是非一筆書いておこうかと。<br /><br /><a name="more"></a>弁当を食べ終え、ビールとつまみを片手にペンを持った。こういった旅のノートは、これまでも、そしてこのあともいくつかの宿に置いてあった記憶はあるのだが、自分で書き込んだという記憶は、このときわ旅館でしかない。<br />「今年初めてのお客さん」というのが、よほど嬉しかったのか、、、。単純な男である。しかし何を書いたのかはほとんど覚えていない。ただ嬉しくて何かを書いたことだけは覚えている。<br /><br />ノートに一筆書き終え、明日の行程を考える。といっても、明日はこの年越しへんろ行の最終日。内子までの残り約10ｋｍを歩くだけである。その後はＪＲで松山に出て、道後温泉でゆっくりと疲れを癒す。道後温泉、、、、う～ん、、楽しみだなぁ・・・。<br /><br />２本目のビールを飲み終え、少しして頭もボヤ～ッとしてきた。そして何とも心地の良い酔いがまわってきた私は、やがてふとんにもぐり込むや、あっという間に眠りに落ちていった。<br /><br /><br />2007年１月６日（土）　７時起床。<br /><br /><br />モソモソと起き出して部屋の灯りをつける。そしてテレビもつけてボンヤリ画面をながめていると、しばらくして今日の伊予地方の天気予報が流れてきた。<br /><br />見ると、その予報は、雨。（、、、ゲゲッ、、、あ、雨、、かぁ、、、。）<br /><br />思わず立ち上がり、窓を開けて外を見る。すると、既にポツリポツリと小雨が降っているのが見えた。（アチャー、なんでまた最終日に雨なんだ、、、。）<br /><br />このままの小雨程度が続くならまだしも、またドシャ降りに降られたら嫌だなぁ、、、と思っているうちになんだか行く気がどんどん萎えてきた。<br /><br />そこへコンコンとドアをノックする音が聞こえた。「ハイ、どうぞ。」と声をかける。部屋へ入ってきたのは、昨日私を出迎えてくれた若い男性だった。<br /><br />そしてその男性と朝の挨拶を交わし、他に他愛ない会話をしたあと、男性が「これをどうぞ」といってあるものを差し出してくれた。それはこれから先、44番大宝寺へ向かう手製のルート地図と、ビニールの小袋にバンドエイドのほか、確か綿棒や湿布薬などその他もろもろ入ったケガ予防品一式だった。<br /><br />その心遣いに感動しつつ、私は男性に何気に問いかけた。<br /><br />「あのぅ、もしかして、あなたがこの宿のご主人さんですか？」<br />「ハイ、そうです。」とニッコリ微笑むご主人。<br /><br />いやしかし驚いた。こんな若い人がおへんろ宿を経営しているなんて。しかもこの温かい心遣い。すべてのおへんろさんにこんな心遣いをしてくれているのだろうか。なんだがジーーンとして、胸が熱くなったものだった。<br /><br />ただこのときその若いご主人と他にいろいろ話したはずなのだが、その内容がどうも思い出せない。残念である。しかしとにかくまた再び伊予大洲に来ることがあったら、ゼッタイここへ泊まりに来よう。若いご主人と話しながらそう思ったのは確かだった。<br /><br />そしてこのあとちょっぴり長居させてもらい、私がときわ旅館をあとにしたのは、ちょうど８時前のことだった。<br /><br />

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<dc:date>2009-06-28T00:48:57+09:00</dc:date>
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<title>四国へんろ【123】 ときわ旅館 到着！</title>
<description>今日はすでにここまで約30ｋｍほど歩いてきている。足腰の疲れも相当に感じていた。さらにボケボケ状態で道にも迷いやすく、そんな状態でまもなく日暮れを迎える山中に分け入るのは危険、、、、、というのが私の最終判断だった。山越えルートで行きたいのはヤマヤマだったが、ここは仕方がない。仕方がないけど、さぁ行くか！、、と私は地図を閉じ、鳥坂（とさか）隧道へ向けて歩き出した。少しして鳥坂隧道が見えてきた。その長さは1,117ｍ。うわぁ、１ｋｍ以上もあるのか、、、。けっこう息苦しいだろうなぁ...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-24T01:41:58+09:00</dc:date>
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今日はすでにここまで約30ｋｍほど歩いてきている。足腰の疲れも相当に感じていた。さらにボケボケ状態で道にも迷いやすく、そんな状態でまもなく日暮れを迎える山中に分け入るのは危険、、、、、というのが私の最終判断だった。<br /><br />山越えルートで行きたいのはヤマヤマだったが、ここは仕方がない。仕方がないけど、さぁ行くか！、、と私は地図を閉じ、鳥坂（とさか）隧道へ向けて歩き出した。<br /><br />少しして鳥坂隧道が見えてきた。その長さは1,117ｍ。うわぁ、１ｋｍ以上もあるのか、、、。<br /><br />けっこう息苦しいだろうなぁ・・・。が、行くしかない。さぁ行こう。私はタオルを口にあて、鳥坂隧道に入っていった。<br /><br /><a name="more"></a>しかしこのトンネルであるが、歩道がなかった。路肩幅があるにはあったのだが、人ひとりがやっと通れるぐらいしかない。そのすぐ側を車がン十ｋｍのスピードで通り過ぎてゆくのだ。ダンプや大型バスなどが通れば、それこそギリギリだろう。<br /><br />こりゃどう考えても歩行者が通るところじゃないなと思いつつ、右手に懐中電灯を持ってうしろにまわし、チラチラ振りながら、後続車に合図を送る。「ドライバーさんよ、はねんといてや、、」と願いながら・・・。<br /><br />Ｔ君のように走り抜けられたらよかったが、そのときの私にそんな脚力は残っていなかった。とにかく早く出口に着きたい一心で黙々と歩き続ける。しかしやはり１ｋｍのトンネルは長い。このときは疲れていたのかもしれないが、妙に長く感じたものだった。<br /><br />そしてなんとか出口に到達。外に出て、思い切り深呼吸。スーー、ハーー、スーー、ハーー。この間、私を追い抜いていった車は２～３台ほど。数も少なく、すべて乗用車だったので助かった。<br /><br />そして外に出て空を見上げ、驚いたのは、トンネルに入る前より確実に空が暗くなっていたことだった。<br /><br />やはり暮れ出すと早い。「あぁ、こりゃトンネルを選んで正解だったかもな。」　しみじみそう思った。<br /><br />その後も黙々と国道56号線を歩き続けた。辺りはどんどん暗くなってくる。やがて松山自動車道の高架下を抜け、レストランやラーメン店が並ぶ一角にやってきた。辺りは一帯暗かったが、大きな看板や照明などでその一角だけがやけに明るい。取り敢えずここで小休止を入れようということで、私は明るい照明の下にへたり込んだ。時刻は17時過ぎ。<br /><br />遠くにチラチラと街の灯りが見えた。あれが伊予大洲の街だろうか。そして地図を取り出し、現在地を確認。伊予大洲まで約５ｋｍ。宿に着くまで18時は確実に過ぎるだろう。だが、もうあと少しだ。このまま宿まで一気に行こう。<br /><br />ヨッシャーと気合を入れて立ち上がり、私は再び歩き出した。<br /><br />伊予大洲の街に入る頃には、完全に夜のとばりが下りていた。やがて国道441号線を右折し、肱川にかかる橋を渡る。ときわ旅館はもうすぐそこだ。<br /><br />そして18時30分を少し過ぎ、ようやくときわ旅館に到着。ふぅ～、着いたぁ～。<br /><br />宿に入って声をかけると、若い男性が出迎えてくれた。そのさわやかな笑顔にホッと心が和む。そして男性に風呂場の位置などの説明を聞きながら、奥の部屋へ案内された。<br /><br />リュックを下ろし、白衣も脱いで、畳の上で大の字になって寝転んだ。ハァ～、疲れた。このまま眠ってしまいそうだったが、寒さを感じてガバッと起き上がる。いかんいかん、このまま眠っては、、、。風邪を引いたら元も子もない。取り敢えず風呂だということで、浴室に向かい、きれいさっぱりと汗を流した。<br /><br />そして夕食の買い出しに外へ出る。宿から数百メートル先にあるローソンで、弁当と缶ビール２本につまみを少々買い込んで宿に戻った。<br /><br />そして部屋に入ろうとした際、通路の奥に赤ちゃんを抱いているらしい若い女性のうしろ姿が見えた。おへんろ宿ではあまり見かけない光景である。あの人は、、、誰、、？<br /><br />もしかして電話に出た女性だろうか。そう言えば、この宿のご主人（おじいちゃん）と女将さん（おばあちゃん）は、、、？？<br /><br />このとき私は、ときわ旅館のご主人と女将さんが若いご夫婦だったことをまったく知らずにいたのだった。<br /><br />

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<title>四国へんろ【122】 さて、どうする？</title>
<description>ときわ旅館に電話を入れる。電話に出たのは、若い女性の声だった。「あ、すいません、歩きへんろをしてる者ですが、今日は泊まれますでしょうか？」私がそう言うと、一瞬間を置いてから、意外な答えが返ってきた。「・・・ありがとうございますっ！」（えっ？、、ありがとうございますっ、、？？、、）</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-21T22:34:13+09:00</dc:date>
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ときわ旅館に電話を入れる。電話に出たのは、若い女性の声だった。<br /><br />「あ、すいません、歩きへんろをしてる者ですが、今日は泊まれますでしょうか？」<br /><br />私がそう言うと、一瞬間を置いてから、意外な答えが返ってきた。<br /><br />「・・・ありがとうございますっ！」（えっ？、、ありがとうございますっ、、？？、、）<br /><br /><a name="more"></a>いきなりお礼を言われて少々戸惑いながら、<br /><br />「あ、いや、あのぅ、、ということは、泊まれるんですか？」<br />「ハイッ！ありがとうございます。今年初めてのお客さんです。」<br />「そうなんですか。そりゃ光栄ですねぇ。じゃひと部屋お願いします。」<br />「わかりました。、、、あ、でもちょっと申し訳ないんですけど、、、」<br />「何でしょうか？」<br />「ちょっと今日はお食事の用意ができないんですけど、いいでしょうか。」<br />「あぁ全然構わんですよ。僕も今日そちらに着くのがちょっと遅くなりそうなんで・・・」<br />「いまどこにいらっしゃるんですか？」<br />「明石寺（めいせきじ）を出てちょっと来たところです。」<br />「じゃぁ何時頃こちらに着きそうなんですかねぇ。」<br />「そうですねぇ。ヘタしたら、、、19時、、、ぐらいになるかもです。なんで、夕食があんまり遅くなるのもなぁって思ってましたから。」<br />「あぁそうですか。うちの近くには食事できるお店もありますし、少し行ったらローソンとかもありますから。」<br />「そうですか。じゃぁ食事の心配はないですね。頑張って行きますんで、よろしくお願いします。」<br />「わかりました。気をつけてお越しください。」<br /><br />一般的におへんろ宿は、老夫婦で経営していたりする場合がほとんどである。故に、電話に出る声も大体がおばあちゃんの声、あるいはおじいちゃんの声である。<br /><br />なので、若い女性の声が聞こえたのもそうだが、いきなりお礼を言われたのも初めてでちょっと驚いた。食事が用意できないというのも納得で、何しろ当日の昼過ぎにいきなり泊めてくれと言われても、事前に食材を用意してなければ無理なことだろう。<br /><br />だいたい新年が明けてまだ５日である。しかも私が今年初めてのお客さん。電話に出た若い女性が一瞬間を置いたのは、昼過ぎて突然の当日予約だったのでビックリしたのかもしれなかった。<br /><br />それにしても、私が今年初めてのお客さんなのか。、、う～ん、そうかぁ、、、。だからどうだというわけでもないのだが、妙に嬉しい気分になって、自然と口元がほころんだ。<br /><br />ヨシッ、宿も決まった。さぁ行くか！　ということで、私は意気揚々と歩き出した。<br /><br />それから国道56号線に並行するへんろ道を進み、やがて56号線に合流、そしてまたへんろ道に入っては56号線に合流するといったことを数回繰り返し、やがて56号線沿いにある鳥坂（とさか）峠越えのへんろ道への登り口までやってきた。時刻は15時30分過ぎ。まだ日は高かったが、な～んとなく薄暗さも感じられるようなそんな感じもしていた。<br /><br />さて、ここからどうしよう。私はちょっと迷った。このまま56号線を行って鳥坂隧道を通るか、鳥坂峠越えのへんろ道で山を越えていくか。<br /><br />もっと時間が早ければ、迷わず山越えルートで行くのだが、しかしもうあと２時間もすればドップリと日は暮れるだろう。このまま山越えルートで行って、山の中でどんどん薄暗くなっていくのも嫌だしなぁ～。かといって、距離の長そうな鳥坂隧道を通るのもなぁ～・・・う～ん、どうしよう・・・。<br /><br />休憩がてら、地図を取り出し、その後の時間経過を考えながら、どちらで行くかじっくり考える。<br /><br />そしてふと空の色が気になった。見上げると、まだじゅうぶんに明るかったが、ここへ着いたときより若干薄暗くなっているように感じられた。<br /><br />ヤバイぞ、こりゃ暮れ出したら一気かもしれんなぁ・・・。伊予大洲まであと約10ｋｍか。時間にして約２時間半。いや休憩を入れたらもうちょっとかかるか。さらに山越えで行くと確実にそれ以上の時間はかかる。宿にはできるだけ早く着きたいしなぁ・・・。<br /><br />そうやって私が悩みに悩んだ挙句に決めたルートは、鳥坂隧道突破ルートだったのである。<br /><br />

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<title>[PR]注目のキーワード「皆既日食」</title>
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<dc:date>2009-06-21T22:34:13+09:00</dc:date>
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<title>四国へんろ【121】 ボケボケのイライラ</title>
<description>道引大師をあとにして、県道29号線をてくてく歩く。すぐにＹ字路を右手のへんろ道に入って、再び29号線に合流し、また次のＹ字路を右手に入る。前方に大きな高架道路が見えてきた。松山自動車道のようである。43番明石寺（めいせきじ）まであと１ｋｍぐらいの地点。ここから明石寺までのルートはいろいろあるようだ。取り敢えず一番右手のルートを取り、高架道路に沿って歩いていく。川を挟んで向こう側には、けっこうな車の往来が見えた。それを横目にてくてく歩く。さてこのへんからだが、ちょっと道に迷って...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-20T17:30:59+09:00</dc:date>
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道引大師をあとにして、県道29号線をてくてく歩く。すぐにＹ字路を右手のへんろ道に入って、再び29号線に合流し、また次のＹ字路を右手に入る。前方に大きな高架道路が見えてきた。松山自動車道のようである。<br /><br />43番明石寺（めいせきじ）まであと１ｋｍぐらいの地点。ここから明石寺までのルートはいろいろあるようだ。取り敢えず一番右手のルートを取り、高架道路に沿って歩いていく。<br /><br />川を挟んで向こう側には、けっこうな車の往来が見えた。それを横目にてくてく歩く。<br />さてこのへんからだが、ちょっと道に迷ってしまった。そろそろ左手に曲がるよう示す赤いおへんろ札があるはず、、、と注意しながら歩いていたつもりだったのだが、どうもおへんろ札が見当たらない。おかしいなぁと思いつつ、そのまま先へ歩いていく。<br /><br /><a name="more"></a>やがて前方にＹ字路らしき大きな交差点が見えてきた。やっぱりおかしい、、、ということで、また地図を取り出した。よく見ると、、、、シマッタ、どうやら行き過ぎている。チクショーめ！。<br />そこから引き返して、すぐのＴ字路を右折する。そのＴ字路におへんろ札はなかったが、この地図通りに行けば大丈夫なはず。明石寺はすぐそこなのだ。<br /><br />しかしこの日の私はなんだかおかしかった。県道237号線まで出て左折したところまではいいとして、そこから明石寺への道を右折せず、そのまま県道に沿って歩いていってしまったのだ。<br /><br />もう何回このへんの高架道路下をくぐったことだろう。ボケボケもいいところである。その後どこをどう曲がって進んでいったかよく覚えていないが、取り敢えずはなんとか43番明石寺に到着できた。時刻は11時30分を過ぎたところ。<br /><br />参拝・納経を終えて地図を開く。このあと伊予大洲までは札所もない。ただひたすら歩くだけだ。しかしここから伊予大洲までは約20ｋｍ。<br /><br />だいたい私はいつもお昼の時点で、今日の残りの歩行距離が約15ｋｍというのを目安にしていた。それを考えると、予定より１時間以上の遅れである。まぁ今日の午前中は、長命水で長～い話のうどんを食べ、ゆっくりな２人のおへんろさんにも付き合い、そして先ほどは道にも迷った。遅れるのも当然のことである。<br /><br />私のペースでこのあと伊予大洲までとなると、おそらくドップリ日も暮れて、余裕で18時を過ぎるだろう。昼食の時間も考えれば、ヘタすりゃ19時になるかもしれない。<br />そう言えば、まだ今日の宿を予約していなかった。遅くなるのも何なので、取り敢えず伊予大洲より手前にある宿に予約を入れようか。さてさてそこはどこだろう。<br /><br />、、、と、伊予大洲付近のページをめくった。が、よく見ると、その手前に宿がない。ゲッ、ヤバイぞ、どうしよう。伊予大洲駅近辺に宿はけっこうあるのだが、、、、、となると、やはり今日はなんとしても伊予大洲まで行かなければ・・・。<br /><br />しかしこの付近の地図は昨日から何度も見ていたはずだったのに、それに気づいていなかったとは、、、。まぁ仕方がない。とにかく行こう。急がねば。私は少々焦りつつ、明石寺からの山道を下っていった。<br /><br />この下りの山道も途中から二手に分かれ、少し手前に戻って下りるルートと１ｋｍほど先へ下りるルートの２つがあることは地図で確認していた。当然、先を急ぐ私は１ｋｍほど先へ下りるルートへ向かっているつもりだった、、、、、のだが、ここでもその分岐点を見逃したのか、結局少し手前に戻って下りるルートを行って、ＪＲ卯之町駅より手前の地点に下りてきてしまった。<br /><br />何をしてるんだ、今日の俺は・・・。度重なるボケボケに自分で自分が腹立たしくなってきた。そしてイライラしながら卯之町の街並みを通り過ぎてゆく。<br /><br />とうに昼は過ぎ、腹も減ってきている。その空腹感がイライラを助長させてもいるのだろう。歩きへんろはただでさえシンドイのに、こんな状態で歩いていては、ただシンドイだけだ。楽しくも何もない。とにかく腹を満たそう。どこかに適当な食堂はないか、コンビニはないだろうか。<br /><br />左手に大きな車道が走っている。国道56号線である。そしてへんろ道はやがて56号線に合流することになる。その合流地点から少し手前の56号線沿いに一軒のラーメン店が見えた。やったぁ、ヨカッタ！。ヨシッ、あそこで飯を食おう。<br /><br />やがて56号線に合流し、少し戻ってラーメン店に入った。時刻は13時前。しょうゆラーメンの大盛りとライスを注文し、一気に食べた。ふぅ～、何とか落ちついたぞ。<br /><br />自分のガソリンを満タンにできたところで、いよいよアクセル全開である。、、、、っとと、その前に宿の予約をしておかなければ、、、ということで、再び地図を開く。<br /><br />さて、取り敢えずどこにしようか、、、。しかしあまり考えずに、私は「ときわ旅館」に決めた。ただ漠然と、何気なく・・・。<br />地図のど真ん中に位置していたからかもしれないが、とにかく私の目に一番最初に飛び込んできたのが「ときわ旅館」の文字だったのである。<br /><br /><br />

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<title>四国へんろ【120】 道引大師に祈る</title>
<description>Ｔ君を見送ったあと、私は42番仏木寺の仁王門をくぐった。時刻は８時30分頃。参拝・納経を終え、再び仁王門をくぐって県道に出てきた。すぐ右手に休憩所があったので、取り敢えず一服しようかとしたところへ、「おへんろさ～ん、どうぞ～っ！」という元気な明るい声が耳に入った。声がするほうを見ると、門前にある商店の女性が、みかんを持って私に手を振っていた。先ほどＴ君にみかんを手渡していた女性である。この女性は、こうやっていつもおへんろさん一人一人にみかんをお接待しているのだろうか。ホントに...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-17T01:09:11+09:00</dc:date>
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Ｔ君を見送ったあと、私は42番仏木寺の仁王門をくぐった。時刻は８時30分頃。<br /><br />参拝・納経を終え、再び仁王門をくぐって県道に出てきた。すぐ右手に休憩所があったので、取り敢えず一服しようかとしたところへ、「おへんろさ～ん、どうぞ～っ！」という元気な明るい声が耳に入った。<br /><br />声がするほうを見ると、門前にある商店の女性が、みかんを持って私に手を振っていた。先ほどＴ君にみかんを手渡していた女性である。<br /><br />この女性は、こうやっていつもおへんろさん一人一人にみかんをお接待しているのだろうか。ホントにありがたい限りである。そして私もその女性に近づき、Ｔ君と同様に深く頭を下げて、ありがたくみかんをいただいた。<br /><br /><a name="more"></a>再び休憩所に戻って、そのまま小休止。しばらくして、さて行くかと立ち上がろうとしたところへ、先ほど長命水のうどんをいっしょに食べた２人組の男性へんろさんが、仏木寺の参拝を終えて出てきた。そして２人も同様に、商店の女性からみかんのお接待を受けていた。<br /><br />私も再度その女性にお礼を言って通り過ぎ、前を行く２人の背中を見ながら歩き出した。が、その２人の足取りはけっこう遅い。そう言えば、先ほどからずっと何やらしゃべっている。きっと仲の良い２人なのだろう。<br /><br />少しして２人に追いつき、横に並んで声をかけた。<br /><br />「どうも、お疲れさんです。」<br />「あぁ、どうも。さっきはマイッタねぇ。」<br />「え？、、、あぁ、うどん屋さんのことですか？、、アハハハ。」<br /><br />同じ釜のメシならぬ、同じ釜のうどんを食ったということだろうか。先ほどのうどん屋のことなど話している間に意気投合してしまった感じで、しばらくその２人と談笑しながらかけ連れすることになった。<br /><br />やがて左手に赤いへんろ標識が見えてきた。へんろ道は、ここから県道を離れて山道を上っていくようである。お２人から「私らは遅いから先に行ってくれ。」という言葉に促されて、私は先に山道に入っていった。<br /><br />さてこの山道のことなのであるが、どんなだったろうか。実はほとんど覚えていない。一時の情景さえも思い出せないのだ。地図を見ると、けっこう山道を上ってから再び県道31号線に合流し、また再び山道に入っていったはずではあるのだが、、、、う～ん。山道がキツかったかどうか、あの２人とどのへんで別れることになったか、、、。<br /><br />ただ歯長峠に着いて、小休止しながら２人を待ったことは覚えている。しかししばらく待ったのだが、２人は来なかった。<br /><br />まぁあの２人のことである。<br /><br />「ヒェ～、こりゃしんどいぜ。お～い、ちょっと待ってくれよ～。」<br />「何してんだよ。早く来いよ～。」<br /><br />、、、、みたいな感じで、エッチラオッチラ上ってきているのだろう。<br /><br />しかし当日の私の予定は、伊予大洲までの40ｋｍ強行軍。それを思い出して、、、、こりゃあのゆっくりな２人に付き合ってる場合じゃないな、、、、、ということで、私は結局ひとり山道を下り始めた。<br /><br />一気に下って、やがてふもとの車道まで下りてきた。その後、肱川（ひじかわ）にかかる橋を渡って突き当たりを左に折れ、肱川沿いの県道29号線をてくてく歩く。<br /><br />少しして、県道沿いの右手にこじんまりとしたお堂があった。道引大師とある。道引大師かぁ、、、。ここは道中の安全をお願いして、お参りしていこうか。<br /><br />そしてお堂の前で静かに手を合わせる。本日の強行軍が無事でありますように。無事、伊予大洲までたどり着けますように。よろしくお導きくださいませ、道引大師様、、、。南無大師遍照金剛、、、南無大師遍照金剛、、、。<br /><br />お参りしたついでにお堂の脇で小休止。そしてなぜかまたあの２人が気になって、いま来た道を振り返る。しかしそこにはそれらしい影も形も感じられなかった。<br /><br />（お２人さんよ、どんだけゆっくりしてまんねん、、、、、）と思いつつ、さてさて先を急がねばと、私はリュックを背負って立ち上がり、道引大師をあとにしたのだった。<br /><br /><br />

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<title>四国へんろ【119】 もう嫌ぁ～っ！！</title>
<description>42番仏木寺へ向け、県道31号線に出た。そのときである。斜めうしろから「おはようございます。」と元気な声をかけられた。私は少し振り返り、歩きへんろさんが見えたので、「あぁ、おはようございます。」と言って前を向こうとして、「、、えっ！、、？？、、」と慌ててまたそのおへんろさんを見た。私の隣には、ほぼ完璧な白装束のおへんろさんが歩いていた。そして思わず立ち止まり、「ちょ、、、ちょっと、、、」「ハイ？」「き、、君、、？、、Ｔ君、、？？」「そうですよ。」私が大きく目を見開いたその真ん...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-14T00:04:06+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
42番仏木寺へ向け、県道31号線に出た。そのときである。斜めうしろから「おはようございます。」と元気な声をかけられた。<br /><br />私は少し振り返り、歩きへんろさんが見えたので、「あぁ、おはようございます。」と言って前を向こうとして、「、、えっ！、、？？、、」と慌ててまたそのおへんろさんを見た。<br /><br />私の隣には、ほぼ完璧な白装束のおへんろさんが歩いていた。そして思わず立ち止まり、<br /><br />「ちょ、、、ちょっと、、、」<br />「ハイ？」<br />「き、、君、、？、、Ｔ君、、？？」<br />「そうですよ。」<br /><br />私が大きく目を見開いたその真ん前に、穏やかに微笑むＴ君が立っていた。<br /><br /><a name="more"></a>驚いた。開いた口がふさがらなかった。というのも、Ｔ君の格好があまりに完璧なおへんろさんスタイルだったからである。<br /><br />特に手首には手甲、足首には脚絆、そして足元はナント地下足袋。それらがすべて白。もちろんズボンもへんろ用のものだろうか。とにかく上から下まで真っ白けだった。<br /><br />確かにおへんろ本などには、巡礼用具としてそれらはよく紹介されている。しかしおへんろ本のイラストや写真などにあるような本格的スタイルで歩いているおへんろさんは、今まで見たことがなかった。<br />だいたいほとんどのおへんろさんが揃えるのは、金剛杖に菅笠、白衣、輪袈裟、頭陀袋までだろう。ズボンや靴は人それぞれに思い思いのものを履いていたりするものである。<br /><br />Ｔ君の格好で、それが先達さんやけっこう年配なベテラン風の人なら、別に驚くようなことでもなかっただろう。だが、Ｔ君は至ってフツーの若者なのである。まぁ若者といっても20代後半ぐらい。30過ぎてるようには見えなかった。それでもじゅうぶん若い。とにかく年配のベテランさんでも、なかなかそこまではせぇへんやろみたいな格好を若者のＴ君がしていたのである。<br /><br />手甲や脚絆も珍しかったが、なかでも私の目を一番引いたのは、地下足袋だった。これがＴ君のあのスーパー健脚を支えているのかと思うと興味津々である。<br />そして私が足元をマジマジと見て、<br /><br />「しかしＴ君、地下足袋で歩いてんの？」<br />「あぁこれですか。これなんですけど、そういう靴なんです。」<br /><br />そう言ってＴ君は右足を軽く上げ、裏側を見せてくれた。そこにはゴムソールが貼られていて、Ｔ君が履いているのは、いわゆる『地下足袋スニーカー』と言われるものらしかった。<br /><br />「へぇ～、こんな靴があるんかぁ、、、で、どうなん？履き心地は？」<br />「もちろんイイですよ。歩きやすいし、ホントに軽いんですよ。」<br />「ふ～ん、それでバリバリ歩けるんかぁ。けど、あんまり汚れてないな。」<br />「これ、２足目なんですよ。」<br />「は？、、２足目、、？」<br /><br />途中で買ったのか、事前にもう一足用意していたのか、そのへんはよく覚えていないのだが、とにかくＴ君はここまでに地下足袋スニーカーを一足履きつぶし、つい最近履き替えたとのことだった。<br /><br />しかし履きつぶすほどとは・・・。もうヤレヤレと思いながら、改めてＴ君の姿を頭から足先までマジマジと見た。そして、<br /><br />「しかしビックリしたなぁ、その格好は、、、。けど、背ぇは高いし、足長いし、おへんろさんのモデルになれるんちゃう？」<br />「そんなぁ、、、」といって照れ笑いするＴ君。<br /><br />これは決してお世辞で言ったのではなかった。Ｔ君の顔は少々馬ヅラではあったのだが（Ｔ君、ごめん）、ホントにスタイルが良くて、よく見るとなかなかいい男だったのである（必死のフォロー）。<br />顔立ちは強いて言えば、麒麟という漫才師の、マイクに口を近づけて「麒麟です！」と魅惑のバリトンボイスを放つ彼のタイプだったろうか（かなりのフォロー）。<br /><br />「でＴ君、今日はどこまで行くん？」<br />「内子に宿を取りました。」<br />「内子っ！、、」<br /><br />昨日の宿から内子までとなると、その距離、実に50ｋｍ以上。ヒェ～！、、、。<br />あぁ、もう嫌だ。もう驚くのは嫌である。もう何回あきれて首をユラユラ横に振ったやら・・・。<br /><br />「じゃ、仏木寺で・・・。」<br /><br />そう言ってＴ君は先へ歩いていった。そのうしろ姿を追いながら私も歩き出す。<br />Ｔ君とはしばらくかけ連れもしてみたかったが、そんなことができる相手じゃないことはうしろから見ていてすぐにわかった。<br /><br />とにかく歩くのが速いのだ。しかし足の回転がそれほど速いわけじゃない。なぜに速いのか。彼は背も高く、そして足も長い。そう、歩幅が広いのである。ほんの少し左足が内股気味で、そこが可愛いらしく見えたのだが、、、それにしても速い。Ｔ君の１歩が私の1.5歩ぐらいだろうか。<br /><br />私がタラタラ歩いている間に、Ｔ君の姿は見えなくなった。そして約30分が過ぎた頃、前方に何人かのおへんろさんがウロウロしているのが見えた。どうやらあそこが仏木寺の門前のようである。<br /><br />ヨシッ、そろそろ到着だなと思ったところへ、仏木寺の参拝を終えたであろうＴ君がさっそうと現れたのが見えた。<br /><br />あ、Ｔ君～！、、、と私が声をかけようとするが先に、門前にあった商店の女性がＴ君に声をかけ、お接待のみかんを手渡していた。頭を下げ、ありがたそうに受け取るＴ君。そしてそのままＴ君は、こちらを振り返ることなく、次の札所へ向けてまたさっそうと歩き出した。<br /><br />（オイオイＴ君、「じゃ、仏木寺で」ってゆうたんちゃうんかい・・・）<br /><br />門前まで来て立ち止まり、しばらくＴ君のうしろ姿を見送る。<br /><br />（何をそんなに急いで行くのやら、、、。まぁでも君に会うことはもうないだろう。しかし君にはホント驚かされてばっかりだった。けど、イイ思い出ができたよ。ありがとう。気をつけて行きなよ、Ｔ君、、達者でナ、、。）<br /><br />私のそんな思いが届いただろうか。しかしＴ君はその後一度も振り返ることなく、やがて私の視界から消えていったのだった。<br /><br /><br /><br />

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<title>四国へんろ【118】 ウマイこと言うなぁ・・・</title>
<description>2007年１月５日（金） ４時30分起床いそいそと身支度を整え、予定通りの朝５時に宿を出た。そしてすぐ近くのコンビニで朝食分を購入。懐中電灯を片手に、薄暗い県道をてくてく歩いていく。41番龍光寺までは約７ｋｍ。特にこの間はこれといった見所も出来事もなく、ただひとり坦々としたペースで歩を進めていった。そして途中で朝食休憩を１回はさみ、やがて県道を左に折れて、龍光寺へ続くのどかなへんろ道に入った。そして７時前、龍光寺の門前にある食堂の前にやって来た。食堂の名は「長命水」。しかし長...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-12T00:16:09+09:00</dc:date>
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2007年１月５日（金）　４時30分起床<br /><br />いそいそと身支度を整え、予定通りの朝５時に宿を出た。そしてすぐ近くのコンビニで朝食分を購入。懐中電灯を片手に、薄暗い県道をてくてく歩いていく。41番龍光寺までは約７ｋｍ。<br /><br />特にこの間はこれといった見所も出来事もなく、ただひとり坦々としたペースで歩を進めていった。そして途中で朝食休憩を１回はさみ、やがて県道を左に折れて、龍光寺へ続くのどかなへんろ道に入った。そして７時前、龍光寺の門前にある食堂の前にやって来た。<br /><br />食堂の名は「長命水」。しかし長命水かぁ、、、。そんな名がつくぐらいだから、この辺に湧く名水として名高いんだろうか。氣学を実践している身として、やはり名水らしき名前には敏感に反応してしまう。<br /><br />そこはどうやらうどん屋さんのようでもあったので、うどん好きな私はついその店に引き寄せられていった。店の周りはガラス張りで、店内の様子もうかがえたが、照明はついておらず、誰ひとり見当たらない。まぁ何といってもまだ朝の７時前である。開いているわけがなかった。<br /><br /><a name="more"></a>食堂前を離れ、やがて41番龍光寺に到着。本堂・大師堂をゆっくり参拝して、この日朝一番の納経を受けた。<br /><br />そして再び食堂「長命水」のところまで戻り、そのまま前を通り過ぎようとして、何気に店のほうへ目をやると、店内の照明がついていて、店のご主人らしき男性の姿も見えた。<br /><br />まさかまだ開いてないよなぁと思いつつも店に近づき、引き戸に手をかけると、ス～ッと扉が開いた。<br /><br />「いらっしゃ～い。」<br />「え！、、あ、あのぅ、、、、開いてるんですか？」<br />「開いてますよ、どうぞ。」<br /><br />コンビニで買った朝食は、ココへ来るまでの途中ですでに食べた。特に腹が減ってるわけでもない。しかしここで「あ、スンマセン、結構です」とは言えず、私はそのまま店内に入ってしまった。<br /><br />取り敢えずテーブル席に座ってきつねうどんを注文。、、、、が、そのうどんがなかなか出てこない。本来、うどんなどはものの数分で「ハイ、お待ちぃ～」みたいな感じで出てくるものだが、まぁまだ準備がちゃんと整っていなかったのだろう。<br /><br />その間、店内をキョロキョロ見渡す。長命水と書かれたボトル容器がズラ～っといっぱい並んでいたり、壁にはおへんろさんの写真や錦札などおへんろ関連のものがいっぱい飾られていた。それをいろいろ眺めているのがけっこう楽しくて、待たされている間のイライラみたいなものは感じなかった。<br /><br />しばらくして50代ぐらいの２人の男性へんろさんが入ってきて、私のところから２つ離れたテーブル席に腰を下ろした。そしてその２人もそれぞれに注文を入れ、しばらくしてその２人の分といっしょに私のうどんも運ばれてきた。<br /><br />それからである。お店のご主人による長い長～い語り部が始まった。<br /><br />その内容は、この長命水の謂れやそれにまつわる話などで、なんでもこの水は宇和島城近くの裏山に忽然と湧き出したお大師様ゆかりのなんともありがたいお水だそうである。またご主人は今日このあと、和歌山県・高野山のほうへもこの水を納めにいくようなことを言っていた。そんな話にうどんをすすりながら耳を傾けるおへんろさん３名。<br /><br />ただこのうどんは、美味しいことは美味しかったのだが、長命水という名にかなり期待して食べたにしては、ちょっと私的に物足りなかった。まぁいわゆる「可もなく不可もなく」、、といったところだろうか。<br /><br />しかし食べ終わってもご主人の話はまだまだ続く。最初は興味深く聞いていたのだが、だんだん飽きがきていた。しかしいったいいつまで続くんだろう・・・。<br /><br />しばらくしてようやく話が終わり、お代を支払う段になった。その値段は、、、700円、、、。うどん一杯が700円。うどんにしてはけっこうなお値段である。そしてそれぞれにお代を払い、ご主人がお釣りを取りに店の奥へ下がったとき、２人の男性のうちのひとりが小声でポツリとつぶやいた。<br /><br /><br />「・・・・まぁ値段の半分は、話代だな。・・・・」<br /><br /><br />う～ん、ウマイこと言うなぁ・・・。私は思わずクスッと笑ってしまった。<br /><br />そしてふとそのつぶやいた男性のほうに目をやった。と同時にその男性もこちらを向き、私が目を合わせて「その通り！」といった風にウンウンとうなずく仕草をすると、男性もニヤッと笑みを浮かべた。<br /><br />お釣りを受け取り、３人いっしょに外へ出た。それから特にその２人とはかけ連れすることもなく、私は「ではお先に」と言って、先に歩いていった。<br /><br />次に目指すは42番仏木寺。ここから2.5ｋｍ先にある。へんろ道も平坦なアスファルト道が続いているようで、おそらく30分ちょっとで着くだろう。<br /><br />さて、この短い道中においてだが、この間にあの男が、、、そう、あのスーパー健脚野郎が私に追いついてくることになるのである。<br /><br />

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<title>四国へんろ【117】 泣かないで</title>
<description>Ｔ君との和やかな夕餉のときが静かに過ぎてゆく。そして私はビールを２本（生中２杯だったか、、？）も飲んで、フワフワと気分よく酔っていた。そのときうしろからふと声をかけられた。「おへんろさんですか？」えっ！と思い、振り返るとそこには60代ぐらいの男性が立っていた。その男性は、私がテーブルの上に置いていた同行二人の地図を見て、私とＴ君がおへんろさんだと気づいたようだった。「いや、私も今、車でまわってるところでしてね、お二人は歩きさんですか？」「えぇ、そうです。」「やっぱりそうですか...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-08T03:18:24+09:00</dc:date>
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Ｔ君との和やかな夕餉のときが静かに過ぎてゆく。そして私はビールを２本（生中２杯だったか、、？）も飲んで、フワフワと気分よく酔っていた。<br /><br />そのときうしろからふと声をかけられた。<br /><br />「おへんろさんですか？」<br /><br />えっ！と思い、振り返るとそこには60代ぐらいの男性が立っていた。その男性は、私がテーブルの上に置いていた同行二人の地図を見て、私とＴ君がおへんろさんだと気づいたようだった。<br /><br />「いや、私も今、車でまわってるところでしてね、お二人は歩きさんですか？」<br />「えぇ、そうです。」<br />「やっぱりそうですか。すごいなぁ。、、、、ちょっとココいいですか？」<br /><br />そういって男性は私の隣（Ｔ君からは対面）にさっさと腰掛けた。<br /><br /><a name="more"></a>この男性であるが、<a href="http://kigakublog.seesaa.net/article/111622124.html" target="_blank">あのおしゃべりオバハン</a>ほどではないにしろ、とてもよくしゃべる人で、久しぶりにおへんろさんと同宿になったことがよほど嬉しくかったらしく、私がフンフンと聞いていると、どんどん口調も滑らかになってきて、あとからあとから話題が出てきた。<br /><br />特にその男性がおへんろに出るキッカケになった話で、自分が公私ともに辛かった時期に身内の不幸が重なったとかで、<br /><br />「そうですか。私もお世話になった人を事故で亡くしましてね。それがキッカケと言えばキッカケなんですけど・・・。そりゃご主人も大変な時期に、辛かったでしょうねぇ。」<br /><br />私がそう言うと、男性は耐え切れなくなったのか言葉に詰まり、嗚咽し始めた。そして涙ながらにその苦しく辛かった頃のことを延々と話し出す。<br /><br />そしてしばらくして、食事を終えていたＴ君が、「あ、そうだ、ちょっと失礼します。」といって席を立っていった。<br /><br />（お～い、Ｔ君、置いてかないでくれよ～。）<br /><br />チクショー、Ｔ君の野郎め、うまいこと逃げていきやがって・・・と思いつつ、私は酔っ払った頭でその男性の話をボンヤリと聞き続けた。<br /><br />う～眠い。瞼が重い。どこかで切らないと男性の話は終わりそうもなかった。そして私は夕食の最後の一口を食べ終え、コップの水を飲み干してコンとテーブルの上に置き、<br /><br />「あ、すみません、明日早くに出ますので、ちょっとこのへんで・・・。」<br />「あぁそうですか。すみません、すみません。私もちょっと、つい、その調子に乗ってしまって、、、すみません。、、、あ、そうだ、コレ、受け取ってください。」<br /><br />そういって、男性は納め札を私に差し出した。それは銀色の納め札だった。<br /><br />そして２人して席を立ち、男性が頭を下げて、<br /><br />「ありがとうございました。何だか胸のつかえが下りました。ホントにありがとう。」<br />「いえ、そんな、恐縮です。」<br /><br />と私も頭を下げる。<br /><br />ホントに恐縮も恐縮で、けっこう酔っていた私は、男性の話をほとんどうわの空で聞いていた感じだったのだ。でも男性は喜んでくれている。ま、それでいいことにしようか。喜んでくれてるんだし・・・。うん、そうしよう。<br /><br />そして私は男性から求められるままに握手に応じ、自分の部屋に戻っていった。<br />そう言えば、そのとき部屋のドアはスンナリ開いてくれたのだろうか。まったく覚えていない。<br /><br />まぁまた開けるのに苦労したような記憶もないので、ココは取り敢えずスンナリと、ということにしておこう。うん、そうしよう。<br /><br />

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<title>四国へんろ【116】 Ｔ君とのひととき</title>
<description>部屋に入る際、Ｔ君に話しかけた。「Ｔ君、晩メシは？」「これからですよ。」「ほな、あとでいっしょに食べようや。」「そうですね。」「ほな、、（と、時計を見て）、、１時間後ぐらいに、下のレストランで。」「わかりました。」私は取り合えずリュックを降ろしてホッと一息を入れ、入浴後、レストランに行こうと部屋を出た。そしてふと通路の奥に目をやると、年配のご夫婦が自分たちの部屋の前で何やらガチャガチャやっているのが見えた。どうやらこの開きにくいドアに悪戦苦闘しているようだった。これは教えてあ...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-06T12:34:58+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
部屋に入る際、Ｔ君に話しかけた。<br /><br />「Ｔ君、晩メシは？」<br />「これからですよ。」<br />「ほな、あとでいっしょに食べようや。」<br />「そうですね。」<br />「ほな、、（と、時計を見て）、、１時間後ぐらいに、下のレストランで。」<br />「わかりました。」<br /><br />私は取り合えずリュックを降ろしてホッと一息を入れ、入浴後、レストランに行こうと部屋を出た。<br /><br />そしてふと通路の奥に目をやると、年配のご夫婦が自分たちの部屋の前で何やらガチャガチャやっているのが見えた。どうやらこの開きにくいドアに悪戦苦闘しているようだった。<br /><br />これは教えてあげなければ、、、、と、私はそのご夫婦に近づいていった。<br /><br /><a name="more"></a>「あ、もしかして、ドア、開きませんか？」<br />「あぁ、そうなのよ。どうしたらいいの？ホントにもう・・・。」<br />「ここのドア、開きにくいんですよ。ちょっと貸してください。」<br /><br />と鍵を受け取り、<br /><br />「これね、ちょっとコツがありましてね、、、」<br /><br />Ｔ君が私に実演してくれたように、私もそのご夫婦の前で鮮やかにドアを開けようとしてみせた。<br /><br />「これを、、、こう、して、、、こうやって、こう押すとですね、、、う、うん？、、あれ？、、」　（な、なんじゃこりゃ、開かへんやないか）<br /><br />すんなり開くはずが２、３回トライしても開かない。ドアをガタガタやりつつ、ご夫婦からのこの人大丈夫かといった視線も感じて、少々焦る。<br /><br />「あれ？、、お、おかしいなぁ、、これで開くはずやのに、、、う～ん、、、こうして、、、こないして、、、、お～、お～っとっ、、、」<br /><br />いきなりドアが開いた。そのとき体重をかなりかけてドアを押したため、スンナリ押し開いたドアに倒れこみ、危うくひっくり返るところだった。<br /><br />体勢を立て直し、「いや、まぁ、こうやって開けるんですよ。」、、、と照れ笑い。そしてご夫婦から取り敢えずのお礼の言葉をいただき、その場をあとにした。<br />（チクショー、Ｔ君のように一発で開けられるつもりだったのに・・・。）<br /><br />レストランにはまだＴ君は来ていなかった。そして空いているテーブルの一角に座って、持ってきた同行二人の地図を開く。<br /><br />今回の年越しへんろ行も、明日あさっての２日間で終わりである。帰りのバスチケットは、あさっての14時30分松山駅発。それまでどうやって歩くか考える。またこの考える時間がけっこう楽しいものである。<br /><br />ここは宇和島かぁ。なんとか明日は伊予大洲まで歩いて、あさって内子までの約10ｋｍを歩く、そこからＪＲで松山に出ることにするか。そうすれば、道後温泉にゆっくり浸かれる時間も取れるかな。<br /><br />しかし明日、伊予大洲までとなるとココから約40ｋｍ。けっこうな距離だ。その間、札所も３ヵ寺ある。こりゃ朝早く出ないとまた夜が遅くなりそうだ。<br />最初の札所、41番龍光寺までは約７ｋｍ。納経が始まる朝７時頃に着けるようにココを出るとするか。ヨシ、明日は５時出発だな。<br /><br />そんなことをアレコレ思案しているところへＴ君がやってきた。<br /><br />「すみません。遅れまして。」<br />「あぁ、お疲れさん。なぁＴ君、明日やねんけどな、俺、また明日早うにココ出ようと思うねん。」<br />「何時に出るんですか？」<br />「まぁ５時やな。」<br />「じゃぁ朝食は？」<br />「この近くのコンビニで買うていくよ。Ｔ君はどうすんの？」<br />「僕はココで食べていくつもりです。」<br />「そうか。けど早よ出ても、君にはいずれ追いつかれるんやろな。ホンマにビックリしたデ、今日は。」<br />「ノンストップで行きましたからねぇ。」<br />「やっぱりそうかぁ。俺は山ン中で３回ぐらい休憩したからなぁ。」<br />「松尾トンネルは通りました？」<br />「あぁ、あの長いとこ。ううん、山越えのコースで行ったよ。」<br />「そうですか。手前のパン屋ってありましたっけ？」<br />「手前のパン屋？」<br /><br />地図をみると、曽我屋ベーカリーと書いてある。<br /><br />「あぁ、これなぁ。どうやったやろ、、？、俺はへんろ札に従って行っただけやねんけど。」<br />「そうですかぁ。僕も山越えで行くつもりだったんですけどね。で、ずっとパン屋を目印に歩いてたんですけど、なかったんですよ。そのうち、トンネルの前まで来ちゃって・・・。」<br />「で、どうしたの？」<br />「もう戻るのも何なんで、そのまんまトンネルを通り抜けました。」<br />「あの長いとこを・・・ようやるね。」<br />「息苦しいだろうと思って、一気に走り抜けましたよ。」<br />「走り抜けたぁ～！、、走ったの？　何分で？」<br />「そうですねぇ、確か10分ぐらいだったと思いますけど。」<br />「ハァ～、、、スゲェ～、、、」<br /><br />通し打ちするだけのリュックを背負って、あの長いトンネルを10分で・・・。また私はユラユラと首を横に振った。<br /><br />「なぁＴ君、、、Ｔ君って、かけ連れってしたことないやろ？」<br />「かけ連れって何ですか？」<br />「途中でいっしょになった歩きへんろさんといっしょに歩くことやねん。」<br />「あぁ、それはないですねぇ。」<br />「そら、そうやわなぁ・・・。」<br /><br />互いに苦笑いをする私とＴ君。もう私は驚いてばっかりである。しかしホントに驚かされたのは、翌日、当然のように私に追いついてきたＴ君の、そのときの姿だったのである。<br /><br /><br />

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<title>四国へんろ【115】 You are マジシャン！</title>
<description>「えーーっ！ Ｔ君！ ウッソーー！」ドアの陰からひょっこり顔を出したＴ君を見て驚愕！。逆にＴ君はニッコリ微笑んで一言、、、「あぁ、やっぱり、、、。」「やっぱり？、、、やっぱりって、、、何？」「いやそうじゃないかなぁと思って、、、。」どうやらＴ君は隣の部屋でドアをガチャガチャやってる音が聞こえて、それを直感的に私が来たと思ったらしいのだ。（そう言えば、昨夜、旭屋でＴ君とおへんろ談義しているときに、翌日はクアライフ宇和島あたりに泊まるような話をしていた記憶はかすかにある。しかしい...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-06-03T00:27:33+09:00</dc:date>
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「えーーっ！　Ｔ君！ ウッソーー！」<br /><br />ドアの陰からひょっこり顔を出したＴ君を見て驚愕！。<br />逆にＴ君はニッコリ微笑んで一言、、、「あぁ、やっぱり、、、。」<br /><br />「やっぱり？、、、やっぱりって、、、何？」<br />「いやそうじゃないかなぁと思って、、、。」<br /><br />どうやらＴ君は隣の部屋でドアをガチャガチャやってる音が聞こえて、それを直感的に私が来たと思ったらしいのだ。<br /><br />（そう言えば、昨夜、旭屋でＴ君とおへんろ談義しているときに、翌日はクアライフ宇和島あたりに泊まるような話をしていた記憶はかすかにある。しかしいつ予約を入れたかは覚えていない。）<br /><br /><a name="more"></a>「けどＴ君、いつ来たん？」<br />「16時前ですかね。」<br />「へ！、、速～っ！　けど俺は君に追い抜かれた覚えはないねんけどなぁ。」<br />「もしかしてへんろ小屋で休憩してませんでした？」<br />「どこの？」<br />「ほら、あのぅ、橋を渡った向うの、、、。」<br />「橋を渡った、、？？、、、あぁ、ハイハイ、あの新しいキレイなとこ、、、。」<br />「あぁやっぱり、、、。その頭のハチマキが見えたんで、そうじゃないかなぁと思ったんですよ。」<br /><br />Ｔ君が私の頭をチラッと指差して言うように、私は普段、汗止めを兼ねて額にハチマキをして歩いているのだ。そしてＴ君が私を見かけたへんろ小屋というのは、旭屋を出て山を越え、川沿いに歩いて橋を渡った、あの真新しいキレイな、私がお接待用のみかんを３つも食してしまった、あのへんろ小屋のことだった。<br /><br />「ほな、もうあんなとこで追いつかれとったわけかぁ・・・。」<br />「声かけに行こうかなぁとは思ったんですけどね、でもちょっと離れてましたし、、。」<br />「宿の朝メシは？」<br />「食ってきましたよ。」<br /><br />それが本当ならＴ君は、少なくとも私が峠付近の清水大師を過ぎて山道を下り始めた頃には、まだ旭屋にいたはずなのである。まぁあのへんろ小屋でちょっと長居したとはいっても、、、いやしかしそんなアホな、、、という感じで、私は首をフラフラと横に振っていた。<br /><br />「あ、そのドア、開けにくいでしょぅ？　ちょっとコツがいるみたいなんですよ。」<br /><br />そういってＴ君は私の部屋の鍵を取って、<br /><br />「これね、、、こう、して、、、、こうやって、、、このまま押すと、、、。」<br /><br />すると、あれだけ言うことを聞いてくれなかった私の部屋のドアが、まったく音もなく静かに静か～に押し開いてくれた。<br /><br />そしてボー然とした私の口から、思わず出た言葉は、、、<br /><br />「、、スゲェ、、Ｔ君、、、マジシャンみたいやな、、、。」<br /><br />うまく表現できないのだが、あの開かなかったドアがあまりに難なく、それも鮮やかに開いてくれたので、そのとき私はＴ君が一流のマジシャンのように見えたのだった。そんなたいそうなと思うかもしれないが、そう見えたんだから仕方がない。仕方がないのである。<br /><br />ただこの部屋のドアであるが、開けるのに確かにコツがいって、、、というか、ちょっと鍵の構造が変わっているようだった。<br /><br />普通、ホテルの部屋のドアを開けるには、鍵を差し込んでガチャリとひねって鍵を抜き、ドアハンドルをひねる。あるいは、鍵を差し込んでガチャリとひねった状態で鍵を抜かずにそのまま押し開く。<br />ほかにもカードキー式のものとかいろいろあるが、たいがいはその２通りのどちらかで、そして片手だけで開くはずである。<br /><br />しかしこのホテルの場合は、こうなのである。<br /><br />まず右手で鍵を差し込んだらとにかくガチャリとひねる。そのひねった状態のまま、左手でドアハンドルもひねる。そしてどちらもひねった状態のまま、前に押す。、、、と、開くのだ。お解りいただけるだろうか。<br /><br />つまりこのホテルのドアは、両手を使わなければ開かないという、なんとも摩訶不思議なドアなのであった。<br /><br />

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<item rdf:about="http://kigakublog.seesaa.net/article/120582193.html">
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<title>四国へんろ【114】 ビックリしたぜヨ</title>
<description>2007年１月４日（木） ５時30分起床。そそくさと身支度を整え、旭屋を出たのは６時前。56号線を少し戻って、川沿いのへんろ道に入った。外はまだ薄暗い。懐中電灯を片手に川沿いをてくてく歩く。少しして、左へ上る山道に入っていった。ヒーフー言いつつ坂道を上り、なんとか柳水大師に到着。ここで小休止。そして次の清水大師でも小休止。時刻は７時30分。この頃にはすっかり夜も明けていた。ここからは下り坂で、ピッチも早まる。しかしまた道を間違えないようにとしっかり顔を上げ、慎重に下っていく。...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-05-31T23:47:09+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
2007年１月４日（木）　５時30分起床。<br /><br />そそくさと身支度を整え、旭屋を出たのは６時前。56号線を少し戻って、川沿いのへんろ道に入った。外はまだ薄暗い。懐中電灯を片手に川沿いをてくてく歩く。少しして、左へ上る山道に入っていった。<br /><br />ヒーフー言いつつ坂道を上り、なんとか柳水大師に到着。ここで小休止。そして次の清水大師でも小休止。時刻は７時30分。この頃にはすっかり夜も明けていた。<br /><br />ここからは下り坂で、ピッチも早まる。しかしまた道を間違えないようにとしっかり顔を上げ、慎重に下っていく。しかしけっこうバテバテ状態で、山の中腹のへんろ小屋でまた小休止。<br /><br />あ～、腹が減った。ベッタリと椅子に座り込む。というのも、この日は朝食をキャンセルしていたのだ。ホントは食べていきたかったのだが、旭屋の朝食時間がちょっと遅め（確か８時頃だったような・・・）だったので、出発が遅れるのが嫌だったのである。<br /><br /><a name="more"></a>しかしこれまで朝食をキャンセルして朝早く宿を出たことは何度もあったのに、この日だけはやたらに空腹を感じる。なぜだろう。わからない。宿を出てからすぐの自販機で買ったペットボトルのお茶も、ちょうどなくなってしまった。<br /><br />そう言えば、Ｔ君は朝食を食べてから出発するようなことを言っていた。ちょうど今ぐらいの時間に宿を出ただろう。しかし今からではさすがにスーパー健脚なＴ君とは言え、途中で追いついてくることもないだろう。<br /><br />なんとか気合を入れて、再び山道を下り始める。そして無事ふもとの国道56号線まで下りてきた。時刻は９時過ぎ。その56号線を横切り、川沿いのへんろ道に入っていく。<br /><br />しばらく行くと、川を渡る橋があった。その脇に、橋を渡った向うにへんろ小屋があるといった看板がかけられていた。橋の向うには国道56号線が見える。そして確かにへんろ小屋らしき建物も見えた。<br /><br />取り合えず寄って行こうかと、私はへんろ道をはずれ、橋を渡って、56号線に出た。そこにあったへんろ小屋であるが、真新しくてとてもキレイなへんろ小屋だった。地図を見ると、その地点にへんろ小屋のマークはない。まだ完成して間もないのだろう。<br /><br />そしてありがたいことに、そこにはお接待用のみかんやお菓子・飴玉などが置かれていた。腹が減っていた私は、他人の迷惑を顧みず、そのみかんを３つも一気に食べてしまった。（皆さん、ごめんなさい）<br /><br />そのへんろ小屋でちょっと長めの休憩を取り、再び橋を渡って、へんろ道に戻った。やがてへんろ道は国道56号線に合流。そしてふと前方にサンクスの看板が見えた。<br /><br />やったー！　コンビニだー！　やっとメシにありつけるぞー！<br /><br />そしてサンクスでおにぎりやらソーセージなどを多めに買う。そこから少し行ったところにちょっと大き目のバス停（宇和島バス岩松駅）があったので、ここで食おうと待合室の中に入った。<br />が、中は乗客待ちの人でいっぱい。そそくさと外に出る。すると、バス停の建物の脇に空いたベンチを発見。そこにどっかと腰を下ろし、ちょっと遅めの朝食兼昼食タイムとなった。ふぅ～、おかげでなんとか生き返った感じがした。<br /><br />地図を開いて現在地を確認する。この先少し行くと、長ーーいトンネルがあるようだ。松尾トンネルである。地図の説明書きを見ると、その長さは1,710ｍ、通過所要時間は約27分とある。ヒェ～、長い。<br /><br />しかしパン屋の手前を左に入り、旧国道を通って山を越えていくルートもある。私は迷わず山越えのルートを選んだ。グニャグニャと蛇行する旧国道をエッチラオッチラと上っていく。そして無事山を越え、再び56号線に合流したのが14時過ぎ。<br /><br />空腹を満たせたおかげか、元気も出てきてその後の足の運びも快調になってきた。やはり腹が減ってはナントヤラである。<br />やがて街並みは賑やかになり、宇和島市の中心街に入った。そして宇和島城近くの宇和島バスセンターで小休止。時刻は16時30分頃だったろうか。<br /><br />その後、網の目状に区画された市街地中心部をウネウネと過ぎていく。この辺りは、へんろ道を示す赤い矢印のシールが電柱のあちこちに貼られていてとても歩きやすかった。おかげでまったく迷うことなく中心街をすり抜けることが出来た。<br /><br />そして日も暮れた17時30分頃、今日の宿であるクアライフ宇和島に無事到着。着いてからビックリしたのだが、この宿はプールやボーリング場なども併設されている大きなホテルで、一般的なへんろ宿の印象とはほど遠く、着いた当初はホントにここでいいんだろうかと入るのにちょっと躊躇してしまったほどだった。<br /><br />チェックインして鍵を受け取り、部屋に向かう。そして鍵を差し込み、ドアを開けようとするのだが、なかなか開かない。押しても引いてもダメだ。なんだ、このドアは・・・。建てつけが悪いのか。早く開きやがれ、このヤロー！<br /><br />イライラしながらガチャガチャとドアと格闘していると、隣の部屋のドアがガチャリと開いて人が出てきた。その人を見てまたビックリ、、、。<br /><br /><br />、、、、えっ！、、、、ま、まさか、、、、。<br /><br /><br />隣の部屋から出てきたのは、ナントＴ君だったのである。<br /><br />

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<item rdf:about="http://kigakublog.seesaa.net/article/120403779.html">
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<title>四国へんろ【113】 頑張れ、智子～！！</title>
<description>Ｔ君は、しばらく私に付き合ってくれたあと、部屋のほうへ上がっていった。店内では、私ひとりが食事をしている。正月３日ということで、一般客も少ないようだ。私も到着が遅れて、宿に迷惑をかけている。早めに食べ切って部屋に上がろう。、、、と思いつつ、なんとなく道路に面した窓際に大きなポスターが貼られているのが妙に気になった。それはひとりの女性演歌歌手のポスターだった。名前は「山本智子」。私はけっこう演歌も好きで、ＮＨＫの『歌謡オンステージ』とかいった番組をよく見たりもする。しかし山本智...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-05-29T01:10:31+09:00</dc:date>
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Ｔ君は、しばらく私に付き合ってくれたあと、部屋のほうへ上がっていった。<br /><br />店内では、私ひとりが食事をしている。正月３日ということで、一般客も少ないようだ。私も到着が遅れて、宿に迷惑をかけている。早めに食べ切って部屋に上がろう。<br /><br />、、、と思いつつ、なんとなく道路に面した窓際に大きなポスターが貼られているのが妙に気になった。それはひとりの女性演歌歌手のポスターだった。<br /><br />名前は「山本智子」。私はけっこう演歌も好きで、ＮＨＫの『歌謡オンステージ』とかいった番組をよく見たりもする。しかし山本智子という名前は聞いたことがなかった。<br /><br /><a name="more"></a>ちょうど宿のご主人がテーブルの側を通りかかったので、何気にポスターのことを尋ねてみたら、「あぁ、その子はねぇ・・・」とご主人がいろいろと話してくれた。<br /><br />山本智子さん。「ともこ」さんかと思っていたら、「さとこ」さんだった。彼女は、この旭屋がある愛南町の出身で、実家もここからそう遠くないとのこと。幼い頃の彼女をご主人も知っているらしく、東京に出て、プロ歌手としてデビューするぐらいだから、小さい頃からそうとう歌が上手だったらしい。<br /><br />「山本智子さんですか。ＮＨＫの歌番組とかよく見るんですけど、う～ん、見たことないですねぇ。」<br />「ＢＳのネ、『日本の歌』っていう番組があるでしょ。あれにはけっこう出てるんですよ。」<br /><br />ご主人は話にだんだん熱が入ってきて、いつの間にか私の対面にすっかり座り込んでいた。そこへ奥さん（女将さん）もやって来て、二人して一生懸命話し出す。お二人とも小さい頃の智子さんをよく知っていらっしゃるからか、我が娘のように可愛くて仕方がないのだろう。<br /><br />ただ演歌は最近、というかココ何年もヒット曲らしいヒットがない。藤あや子や香西かおりといった有名どころでもそうである。演歌にとってまさに氷河期の時代。智子さんもきっと苦労しているに違いない。良き歌に恵まれたらいいのだが・・・。<br /><br />そして私は、ご主人と女将さんの熱っぽい口調にほだされて、<br /><br />「そうですかぁ。これも何かのご縁ですから、僕はこのあと智子さんのヒット祈願も兼ねて四国をまわらせてもらいますよ。」<br /><br />ついそんなことを口走ってしまった。ニッコリ微笑むご主人と女将さん。その嬉しそうな笑顔が忘れられない。<br /><br />ということで、ささやかながら山本智子さんの応援を兼ねてご紹介を・・・。<br /><br />　　　<a href="http://arder-jiro.co.jp/satoko/" target="_blank">山本智子オフィシャルサイト</a><br /><br /><br />彼女は昭和53年8月10日生まれ。年本命は四緑木性。早年運の木性系である。そして<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E6%99%BA%E5%AD%90" target="_blank">Wikipedia</a>によると、1999年のデビュー曲「海峡花火」で第41回レコード大賞新人賞を受賞したとある。さすがは早年運。まずは順調な歌手人生のスタートが切れたのだろう。<br /><br />だが演歌の氷河期の波は、そのうねりが激しいようである。また今年（2009年）の彼女は運気的には『衰旺（すいおう）』といって、衰運旺盛なときに当たる。そして来年（2010年）は、女の厄年。う～ん、厳しいかなぁ・・・。<br /><br />勝負は、女の厄が明けた2011年以降だろうか。頑張ってほしいなぁ。いつか年末の紅白に出られることを祈りつつ・・・。　　南無大師遍照金剛<br /><br />

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<title>四国へんろ【112】 愛媛県 突入！</title>
<description>松尾峠でしばらくの昼食休憩後、ヨッシャ行くかと立ち上がり、気合いもろとも歩き出す。さて、ここから私のおへんろの舞台は、愛媛県・菩提の道場へと移っていく。愛媛県かぁ、、、。山道を下りながら、私にはなんとなく湧き上がってくる胸の高鳴りが感じられた。というのも、私にとって愛媛県は、四国４県の中で唯一訪れたことのなかった、いわゆる未踏の地であったのだ。今回の年越しへんろ行では、最後は取り敢えず伊予大洲か内子あたりまで歩き、そこからＪＲで松山市内に出て、松山から高速バスで帰阪という予定...</description>
<dc:subject>歩きへんろ</dc:subject>
<dc:creator>こうへい</dc:creator>
<dc:date>2009-05-25T23:39:39+09:00</dc:date>
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松尾峠でしばらくの昼食休憩後、ヨッシャ行くかと立ち上がり、気合いもろとも歩き出す。<br /><br />さて、ここから私のおへんろの舞台は、愛媛県・菩提の道場へと移っていく。<br />愛媛県かぁ、、、。山道を下りながら、私にはなんとなく湧き上がってくる胸の高鳴りが感じられた。というのも、私にとって愛媛県は、四国４県の中で唯一訪れたことのなかった、いわゆる未踏の地であったのだ。<br /><br />今回の年越しへんろ行では、最後は取り敢えず伊予大洲か内子あたりまで歩き、そこからＪＲで松山市内に出て、松山から高速バスで帰阪という予定を立てていた。そしてなかでもひとつ楽しみにしていたことがあって、それは是が非でも道後温泉に寄っていこうということだった。<br /><br /><a name="more"></a>私は特に温泉好きというわけでもないのだが、やはり松山に行くからには、道後温泉に入らずして何としよう。とにかくおへんろで疲れた身体を歴史ある道後の湯でゆっくりと癒したい。想像しただけでも気持ち良さそうである。きっと帰りのバスでもぐっすり眠れることだろう。そうそう、坊ちゃん団子も食ってかないと・・・。そう思うと自然と頬の辺りもゆるんでくる。<br /><br />、、、っとと、そんなことを思いつつ、ふと我に返った。まだココは山の中。アブナイアブナイ、また先ほどみたいにドえらく道を間違えたら大変である。気を引き締めて行かなければ・・・。<br /><br />そうやってへんろ札を見逃さないように慎重に山道を下りていく。やがて車道に出て、道はなだらかになった。なんとか無事に下りてこられたようである。<br /><br />しばらくして一本松の町並みに入り、とある商店の軒先で小休止。その後、国道56号線に出て左に折れ、国道沿いにてくてく歩く。またしばらくして町並みがやや賑やかになってきた。40番観自在寺までもうすぐである。<br /><br />そして間もなくして観自在寺に到着。時刻は15時30分頃。松尾峠でドえらく迷った分、かなり遅れての到着ではあったが、なんとか無事に来られたことを感謝しつつ、本堂と大師堂で神妙に手を合わせる。<br /><br />納経後、一息入れてから観自在寺を出た。さてこのあと今日は宿に向かうだけである。予約してある宿は「旭屋」という旅館で、この観自在寺から10ｋｍほど行ったところにある。しかしこのとき時刻は16時前。間の休憩も入れて宿に到着するのは18時過ぎになりそうか。その旨、ちょっと伝えておいたほうがいいかなということで、宿に電話を入れた。<br /><br />国道56号線をひとり黙々と歩く。この時節、日が暮れるのも早い。17時を過ぎると、辺りは一気に暗くなってきた。懐中電灯を手に持ち、ときおり近づいてくる車に自分の存在を知らしめるべく、チラチラと懐中電灯を振る。その後、宿に至る道中でもこれといった出来事はなく、だいたいの予測通り、18時頃に「旭屋」へ無事到着した。<br /><br />この旭屋は、外からのパッと見ではとても旅館には見えず、料亭かお食事処というか、いわゆる飲食店のたたずまいで、店内もとてもキレイだった。もともとが飲食店みたいなので、食事も美味しそうである。<br /><br />そして２階の部屋へ上がる際、ひとりの若者とすれ違った。その若者は階段をトットットと駆け下りてきて、すれ違いざまに「お疲れ様～」と元気な声をかけてくれた。ホッと心が和む。<br /><br />入浴後、１階の店内に下りていくと、そのときすれ違った若者が座っているテーブル席に案内された。その若者（以下、Ｔ君）は一般の食事客ではなく、歩きへんろさんらしかった。今日一日、誰ひとり歩きへんろさんとは遭遇しておらず、何だか嬉しくなって思わずＴ君に話しかける。Ｔ君は食事を終えて部屋に戻ろうとするところだったが、私の声かけに応じてくれて、久しぶりのおへんろ談義を楽しめた。<br /><br />聞いてみるとこのＴ君、歩くペースがとてつもなく速い。何しろ通し打ちで歩いているにもかかわらず、連日40～50ｋｍも歩くというのだ。１番霊山寺から歩き出してここまでほぼ２週間。たったの２週間である。スッゲェ～。おそらくＴ君のペースなら、間違いなく１ヵ月を切って結願できるだろうなと思った。<br /><br />さらに驚いたのは、あの12番焼山寺へのへんろころがしであるが、あの山道をＴ君は３時間半で登り切ったとのこと。健脚でも５時間と言われる険しい道のりをたったの３時間半で・・・。ちなみにその間一度も休憩を取らなかったらしい。<br /><br />Ｔ君のそのずば抜けた体力と脚力に、私はただただ「あり得ない！」とあきれて首を振るばかりだった。<br /><br />

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