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2011年03月07日

四国へんろ【195】 逆打ち、、なんだかどうだか、、、

切幡寺の参道の向かいにお店があった。よく覚えていないが、確かおへんろ用品だったような、、、。そのお店の軒先にベンチがあったので、ちょいと休憩させてもらおうと腰を下ろした。

参道前の懐かしい風景をボンヤリと眺める。ふと右手を見ると、ひとりの歩きへんろさんの姿が見えた。若い青年だった。見るからに初々しい。

若者は参道の入り口で少し立ち止まり、「ここだな。」という感じでまわりを確かめて参道の中へ進んでいった。

そうそう、若者よ。そのまま参道に沿って行けば切幡寺に着くんだよ。でもネ、知らないよぉ。大変だよぉ。これからオッソロシイ階段地獄が待ってるんだよぉ。頑張れよぉ。

そんなことを思いながら若者のうしろ姿を見送った。またしばらくして今度は女性の2人組へんろさんがやってきた。同様に彼女らのうしろ姿もニンマリしながら見送る。

ふと見ると、参道の入り口を入った少し奥に一軒のうどん屋の看板が目に入った。おっ、こんなところにうどん屋が。時刻はお昼前。11時30分頃だったろうか。

昼食にはちょいと早いが、大好きなうどん屋が目の前にあるのだ。ここは香川県じゃなく徳島県だけど、せっかくだから食っていこうか。

ということで、私は腰を上げ、うどん屋に入っていった。店内はこじんまりとしていて、お昼前ということもあったのだろうか、お客さんはチラホラとしかいなかった。

6人掛けのテーブル席がひとつ広く空いており、リュックを椅子に下ろし、注文を入れた。何うどんを頼んだかは覚えていない。そしてトイレを拝借。

男性用トイレの便器前に立つ。しかし目の前に演歌歌手・藤あやこの大きなポスターがデーンと貼られていた。

にこやかに微笑む藤あやこさんと対峙しながら小用を足す。しかしなんでまたこんな真正面にポスターが・・・。気恥ずかしいじゃないか。あやこさんよ、そんなにオイラを見つめないでおくれ。

テーブル席に戻ってくると、相席でひとりの女性へんろさんが座っていた。「こんにちは」と挨拶して自分の席に座る。そこへまたひとりの若者へんろさんが入ってきて私の隣の席に座った。

2人にちょっと話しかけてみた。若者はこれから自転車で四国をまわるという。そして女性は歩きで。そう、2人ともおへんろをスタートしたばかりの新人さんのようだった。

、、、しかし、そのあとなぜか思うように会話が弾まない。どうしてだろう。お2人さんよ、俺のことも聞いておくれよぉ。

・・・「あ、僕ですか、僕は実はちょうど四国を一周まわってきて結願して、これから一番さんまで戻るところなんですよ。」・・・

2人に聞かれたらそう答えようと思っていた。2人はどんなリアクションをとってくれるだろうか。

、、、と少し緊張しながら待っていたのだが、2人から何も訊ねられることはなかった。そして店内には互いにうどんをすする音だけが静かに流れて、、、。

女性へんろさんのほうは早々に席を立ち、店を出て行った。隣の若者は注文したのが最後だったのでまだ食べていたが、私も「じゃ、お先に」と声をかけて席を立った。

うどん屋の軒先にサイクリング車が置いてあった。あの若者のやつだろう。いかにも頑強なツーリング用のものだ。まぁこれから1200kmも走るんだし、これぐらいじゃないと持たないだろうな。

9番法輪寺方面に向けててくてく歩き出す。そして先ほどの2人のことを思い返す。おへんろさんと同席してあんなに会話が弾まないのはまれなことだ。
う〜ん、どうしてかな。まぁ2人ともスタートしたばかりだし、まだそういうことに慣れてないのかもしれないなぁ。勝手にそう思った。

しばらくして法輪寺に到着。中には入らず、山門前で一礼をして、8番熊谷寺方面へ向かう。

逆打ちで歩きながら自分の歩き始め当時のことを思い出す。あぁ、このへんは真夏の暑さにやられてフラフラしながら歩いてたっけなぁ。目に見えるすべてものがとにかく懐かしい。そんな思い出に浸りながら気分よく歩く。

やがて徳島自動車道の高架近くまできた。そうそう、熊谷寺はこの高架下をくぐって、ああ行って左に曲がって、しばらくしたら山門が見えてきて、でも山門から本堂へはやたら遠くて、、、。当時の風景がパッと頭の中に広がった。

せめて山門まで行けばよかったのだが、私は取り合えずここで熊谷寺方面に向かって軽く一礼し、そのまま7番十楽寺方面に歩き出した。

のどかなへんろ道をひとりてくてく歩いていると、前方からひとりの年配女性へんろさんがこちらへ向かってくるのが見えた。

そして会釈しながらすれ違う際、女性から声をかけられた。

「逆打ちですか?」

とっさのことで慌てた私はつい

「え?あ、違います。」と答えてしまった。

女性は「え?違うの?」みたいな怪訝な表情を見せている。私はまた焦りながら答えた。

「いやあのう、ちょうど結願して、これから一番さんのほうへ戻るところなんです。」
「あぁ、そうなんですか〜!」
「ですから、今は逆打ちっちゃぁ逆打ちしてることになりますかねぇ。」
「まぁまぁ、結願した人と出会えるなんて光栄だわぁ〜。」

そう言って満面の笑顔を見せてくれる女性へんろさん。なんだか私も嬉しくなった。

そしてしばらくその女性と立ち話。
このあと8番熊谷寺の山門から本堂までがやたら遠いことや10番切幡寺の長〜〜い階段のこと、そして12番焼山寺のへんろころがしなど、ポツポツ語る私の話を女性は興味津々に聞いてくれた。

最後に女性から丁重なお礼の言葉をいただき、手を振って別れた。

私も少しはあの女性の道しるべにでもなれたかな。喜んでくれたし、あぁホントに気持ちいい。ルンルン気分の私であった。
posted by こうへい at 00:02| Comment(6) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>にこやかに微笑む藤あやこさんと対峙しながら小用を足す。
こんなふうにポスターを貼るのは女性だな。あまり慣れてしまうと、危険極まりない露出症に発展する恐れがあります。

愛想の悪い2人: 初めてのへんろ歩きでは、人の少ないことを期待している場合もあるでしょうし、また人気(ひとけ)のない長距離をまだ歩いていないと、人が懐かしくなるとかで軽く挨拶することもやらないのでしょうね。たぶん都会での習慣のままでいるのでしょう。しかし歩きを続けるうちに態度が変ることでしょう。

結願後の1番札所戻りは、なんと言えばいいのでしょう? 一巡の輪を完成させるので結び打ちとか環結打ちとか、どうでしょう。ダメ?
Posted by よし男 at 2011年03月07日 21:40
◆よし男様
>こんなふうにポスターを貼るのは女性だな。

女性ですかねぇ、、、。どうなんだろう。真意はそのうどん屋さんに聞いてみないとネ。

>一巡の輪を完成させるので結び打ちとか環結打ちとか、どうでしょう。ダメ?

おぉーー、結び打ち!! いいですネ、それ!
一巡の輪にする、すなわち、輪を結ぶために歩くんですから、ピッタリの言葉じゃないですか。

さすがはよし男さんだなぁ。恐れ入りました。
それ、私も使わせていただきます。おおきに。ありがとうございました。m(__)m
Posted by こうへい at 2011年03月07日 23:08
切畑寺の参道入口の店、それは私が急用で戻ることになり
タクシーを呼んでもらった、土産物とへんろ用品の店やないかなぁ?

結願した人は表情が違うと言われます。
その時のこうへいさんの表情が、二人には眩しかったんやないですか?
Posted by まねき猫 at 2011年03月10日 11:42
◆まねき猫様
>土産物とへんろ用品の店やないかなぁ?

ガラス窓越しに覗いた店内がなんかへんろ用品店っぽいなぁと思った記憶がありましてね。
そうですか、土産物もありましたか。でもへんろ用品のお店であることも確かなようですね。
ヨカッタ、間違えてなくて。(^o^)

>結願した人は表情が違うと言われます。

う〜ん、そうなんですかねぇ。
確かに私はその2人に何とも言えない初々しさを感じていたので、逆に2人からは「何か、この人、違うな。」みたいに思われたかもしれません。

歩き始めた頃の自分と結願したあとの自分の姿を見比べてみたいものです。
Posted by こうへい at 2011年03月10日 21:32
私も遍路1日目は不慣れで、まるで1年生がランドセルを背負って初登校するみたいな感じでした。

遍路姿がしっくりこなくて、心配で地図ばかり見ていて、人と話す余裕も術もなかったことを思い出します(^^)

確かに1番から10番の道をさっそうと清々しい顔つきで逆向きで歩いてくる遍路さん達がいました、居ました。
少しして結願された人達とわかりました。

私はあと何年かかることかー。

満たされた気持ちで歩く自分を想像してしまいます。
(足を引きずりヨレヨレ〜だったりして)


地震、スサマジイですね…。無、無常、無情。自分の無力を感じます。


Posted by 桃ぶどう at 2011年03月12日 17:34
◆桃ぶどう様
ピッカピッカの〜 一年生ぇ〜♪ ですよね。そう、私もそうでした。
実はこのあとまたそんなピッカピカな方との交流場面がありまして、それものちの本文記事に書こうかなと思っています。

でも桃ぶどうさんは、もうすでに真念庵まで歩かれてるんですよね。
今じゃきっとじゅうぶんにイイお顔をされてるんじゃないでしょうか、ウンウン。(^-^)

今回の地震の被災地のひとつ、宮城県石巻市なんですけどね、私、一昨年末に約一ヶ月の長期出張に出てまして、女川町とか石巻市役所周辺とか見覚えのあるところが大変な津波被害を被っているのを見て、本当に心痛めております。

一日も早い復興を祈っています。 南無大師遍照金剛
Posted by こうへい at 2011年03月12日 23:36
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