☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2010年08月01日

四国へんろ【180】 高松市内へ

彼女も私の姿に気づいて、あっという表情をした。

しかし偶然と言えば偶然過ぎる。会うのはこれで5度目である。そして私は腰がくだけそうになりながら彼女に近づき、話しかけた。

「あぁ、こんにちは。でもよくお会いしますねぇ。」
「あ、ハイ、、えぇ、、。」とニッコリ会釈する彼女。
「一宮寺はもう参ったんですか?」
「ハイ、今さっき、、、。」
「そうですか。で、今日はこのあと高松市内まで?」
「いえ、今日はもう帰るんです。」
「え?帰るって、どこまで?」
「神奈川県の方です。」
「あ、神奈川県。じゃぁこのまま高松に出てそこから高速バスですか?」
「えぇ、そうです。」
「そうかぁ。じゃぁまた明日お会いするようなことはないんでしょうねぇ・・・。」
「え?、、」
「いやいや、今日でしょ、で昨日、おとつい、、、3日も続けて同じ人に会ったのは、あなたが初めてでしたから。」

彼女とのそのときの会話で覚えているのは、残念ながらこれぐらいである。納め札も交わさず、名前も聞いていない。結局彼女とはその場であっさり別れ、イッツフォーリンラブ的な展開までには至らなかった。

そこからすぐのところに83番一宮寺はあった。到着時刻は14時頃。ちゃっちゃと参拝納経を終える。

さて今日はこのあと高松市内まで歩いて宿泊予定である。地図を開き、ルートを確認。市内までほぼ一本道が続いている。迷うことはなさそうだ。

そのときふと手に冷たいものを感じた。雨である。うわぁ〜。

予約している宿は、高松市内の「ウェルシティ高松厚生年金会館」。ここから約8km先だ。時間にして約2時間か。

(おてんとさんよ、頼むからあと2時間だけおとなしくしておいてください。)

そう祈りながら県道172号線をやや急ぎ足で歩き出す。が、思うように足が進まない。重い。だるい。考えてみれば今日は早朝から2つの山登りをしてきたのだ。少々足にきているのは無理もない。

徐々に雨脚が強まってきた。取り敢えずとある建物の軒下に身を寄せる。朝方降っていた雨は早々にやんでくれ、ポンチョも乾いて折りたたみ、リュックに入れてある。また取り出したくない。濡らしたくない。おてんとさんよぉ〜、頼むよぉ〜、泣きやんでおくれよぉ〜。

再び地図を開く。へんろ道に平行して琴平電鉄琴平線が走っている。それに乗って高松市内まで出ようか。ちょっとそんなことも考えた。が、すぐに思い直す。いやいや自分は歩きへんろなのだ。歩き通すと決めたのだから、こんなことで挫けてどーする俺、、と。

地図を閉じて空を見上げる。ん?祈りが通じたのか、雨足が弱まってくれている。これならポンチョなしで歩けそうだ。ヨシッ、行こう。

軒下を出、再びてくてく歩き出す。しかし喉が渇いてきた。どこかに自販機がないだろうか。すると少しして一台の乗用車が私の横に停車し、助手席の窓が開いた。
助手席の男性が「おへんろさん!これどうぞ。」といってお菓子を差し出してくれた。いつもながらの突然のお接待に戸惑いながらありがたく受け取る。運転席にも男性がいて、2人とも20代くらいの青年だった。

2人ともにこやかな笑顔で私に「頑張ってください!」と声をかけてくれ、そのまま走り去っていった。

車を見送ったあと、いただいたお菓子に目を落とす。グリコのプリッツ。塩味のやつ。メジャーなスナック菓子である。見てるだけで喉がますます渇きそうだなと思わず苦笑い。
しかしあんな若い青年にお接待してもらえるとは、、。あんちゃんたち、ありがとう。これは宿に着いてからのビールのおつまみにさせてもらいます。そう思いながらリュックにしまう。

高松自動車道の高架下をくぐり、やがて賑やかな高松市街に入ってきた。さてここからであるが、JR高徳線を過ぎた辺りからどうも道がわからなくなってしまった。ん?どういうことだ?。地図通りに歩いているはずなのに。おへんろ札もシールもなく、地図を片手にウロウロウロウロ。

ん〜〜ん??わからんぞ。ここはいったいどこやねん、、??。ちょうど目の前にひとりの女性(30代くらい)が歩いてくる。あの人に道を訊ねてみよう。

「あのぅ、すみません。」
「あ、ちょっと、、、」

女性は私を手で制し、避けるかのように通り過ぎていった。シカトである。

おいおい、何だよ。道を訊こうとしただけなのに。冷てぇ野郎だな。しかし市街地となるとおへんろさんでも警戒されるんだろうかと思った。

また少し歩いて違う女性(今度はおばちゃん)に道を訊ね、なんとか自分が今地図のどの地点にいるのかわかった。

それから地図とにらめっこしながら慎重に宿までの道を歩く。そして再び雨が降ってきた。今度はどんどん雨足が強くなり、結局ポンチョを着ずにはいられなくなった。ハァ、マイッタなぁ。

冷たい雨に打たれつつ、なんとか今日の宿である「ウェルシティ高松厚生年金会館」に到着。時刻は17時前。あ〜あ、結局ずぶ濡れである。そしてホッと一息入れたあと、風呂を浴びて浴衣に着替え、一階のレストランへ。

適当に空いているテーブル席に座り、ビンビールを注文。そして椅子にもたれてグッタリしていると、マネージャーらしき男性が私に近づいてきて耳打ちで一言。

「あのぅ、お客様、ちょっと浴衣はまずいんですけど・・・。
「あ、そうなんですか。スンマセン。」

ここのレストランは浴衣入場が禁止だったのだ。そそくさと部屋に戻り、Tシャツとスウェットパンツに着替える。しかしこんなラフな格好でもいいんだろうか。

取り敢えずレストランに戻り、マネジャーにこれぐらいしか着替えがないんですけどと姿を見せると、構いませんよとニッコリ笑顔で言ってくれた。ヨカッタァ。

そして再びもといたテーブル席に着いて待っていると、ウエイターがどうぞといってビールを運んできてくれた。が、運ばれてきたのは生ビール。

「あれ、ビンビールを注文したんですけど、、、。」
「え?あ、そう、、、でしたか。」

ウエイターはそのまま厨房の奥へ下がっていった。が、しばらくしてビンビールといっしょにその生ビールも運んできて、

「よろしかったら、この生ビールもどうぞ、これはサービスさせていただきますから。」
「えぇ、そうなんですか。なんか悪いですねぇ。」

表面的には申し訳ない表情を作りながら、内心はニコニコニヤニヤ。渇いた喉を生ビールで一気に癒す。カァ〜、美味い!。そしてビンビールをグビグビしながら料理も美味しくいただく。ハァ幸せやなぁ・・・。

最後は雨にたたられてしまったが、生ビールのオマケ付きですっかりご機嫌を取り戻した単純な私であった。


posted by こうへい at 14:20| Comment(8) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この日、雨天を除いて、いいことが多かったですね。
私の場合は、一宮寺で区切り打ちが終わったので琴電で栗林公園に
行き、こころ行くまで散策しました。池のコイの頭もなでなでで
きました。泊まる宿は例により決めていなかったのですがステー
ションホテルのつもりでした。しかし高松駅の待合室は設計が悪く、
ドアが開け閉めされるたびに大音響が丸天井ホールに響き、とても
仮眠は取れませんでした。深夜2時半ごろ、駅は一旦閉めるので、
とオン出され、そばのバス停で夜を明かすことになりました。
しかし、そこから大阪行きのバスが早朝出発するので、ラッキー
でした。言いたいことは、仮眠するには、この駅は最悪の条件の駅
だということです!

歩きへんろと言え、通過場所を汚していく白装束のいやなやつら、と
思われてしまっている部分もあります。
私も車が音もなく近づいてきて、な?なんだ?と思ったらお接待の
品物をくれたことがあります。歩きへんろに好感を持っている人達
もいるんですね。
Posted by よし男 at 2010年08月01日 23:55
◆よし男様
高松駅は県庁所在地にある中心駅ですから、日常の乗降客も多いでしょうね。
そんな大きな駅となると、仮眠しにくいのもわかるような気がします。
やっぱり野宿や仮眠するには、地方のひと気の少ない小さな駅の待合室のほうがベターでしょうねぇ。

私も四国へ出張で行ったときにおへんろさんを見かけたら、お接待してあげようといつも缶コーヒーとか持ってるんですけどね、おへんろさんを見かけても、決まって車で走っている反対側を歩いているので、いつもあげられずにいるんですよ。
先月も日帰り出張で行ったんですけど、おへんろさんには出会わなかったしなァ、、。

Posted by こうへい at 2010年08月02日 23:28
>そんな大きな駅となると、仮眠しにくいのもわかるような気がします。
それが、前々日、宇多津駅で仮眠できたのです。要は深夜まで発着があると
列車待ち客が絶えないのでいけるかも、と思ったのです。しかし高松駅は
設計が悪いです。通常の待ち客でも不快に感じる大音響がします。
音響設計にミスがあると言わざるをえません! ま、掃除のため一旦は
利用を禁止するのは分かります。
幸いにも、大阪までの早朝一番高速バスの中で睡眠不足を取り戻せました!
切符もこのバス停で朝一に販売開始しましたから、ついていました。
あれは、寒くなり始めた11月初旬でした。寝袋を使えました。とはいえ、
決して長々と椅子を占領するような姿勢ではないです。
Posted by よし男 at 2010年08月04日 01:02
◆よし男様
>通常の待ち客でも不快に感じる大音響がします。
へぇ〜、高松駅ってそうなんですか。そう言えば四国をまわったとき、徳島駅、高知駅、松山駅は寄ったことあるんですけでど、唯一高松駅だけ知りません。
おへんろ以外でも行ったことないし、、、。

どんな音なんでしょうね。やっぱ電車が出入りするときの音なんでしょうか。それともアナウンス? すごく気になりますね。
Posted by こうへい at 2010年08月04日 23:48
>どんな音なんでしょうね。
出入口のドアが使われるたびに、その音が高い丸天井に響き渡るのです。
ドド〜〜〜ン!という感じです。
寝込んで乗りそびれるのを防いでいる、なんて考えられません!
建築家はえてして見かけに固執しますからね。自分の作品の記念碑、
ピラミッドをこの世に残せばいいと。
しかし売店とかロッカーの位置とか、駅舎外の水場とかは、よい設計
だと思いました。
Posted by よし男 at 2010年08月05日 20:38
◆よし男様
>出入口のドアが使われるたびに、その音が高い丸天井に響き渡るのです。
>ドド〜〜〜ン!という感じです。

なるほど、丸天井ですか。そりゃ響きがいいかもしれませんね。なんだかコンサートホールみたいな・・・。
しかしドド〜〜〜ン!とはねぇ、、、。
へぇ〜、、、、というか一度聞いてみたいです。ただしそこで仮眠しようとは思いませんけどね(笑)。
Posted by こうへい at 2010年08月05日 23:22
お久しぶりです、夏バテですか?
私も初めて夏バテを経験しました(夏の初体験です)。

一宮寺を終えて予定していた市内のホテルへ向かいましたが、
目印付近に来ても見当たらず、電話をかけても要領を得ず、
散々探し回ってたどり着いたホテルのフロントでスタッフが言うには
「この地図おかしいで」
素泊まりだったので食べに出かけましたが適当な店がなく、
結局、栗林公園の近くのファミレスに入りました。
Posted by まねき猫  at 2010年09月14日 11:35
まねき猫様

>お久しぶりです、夏バテですか?

ホンマにお久しゅうございます。コメントありがとうございます。
けど、夏バテっちゅうか、ホンマにこの夏は忙しかったんですワ。
連日の残業に加え、お盆休みも返上して働いとったんですから。夏バテっちゅうより、働きバテですワ。
・・・しかし、今年の夏は、ホンマに暑かったですなぁ、、、。


やっぱ高松市内の同行二人地図はちょっとおかしいんですかね。
まぁでもこの地図には散々お世話になりましたので、私としては文句のひとつも言えません。
ただただ感謝するのみでございます。

Posted by こうへい at 2010年09月14日 22:50
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