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2010年03月25日

四国へんろ【167】 うどん三昧 その3

73番出釈迦寺(しゅっしゃかじ)への坂道をてくてくと歩き始める。歩き始めてすぐのところに茶店があった。店先にテーブルがしつらえてあり、ひとりの男性がそこでソーメンのようなものを食べていた。白衣を着ていたので、その男性もおへんろさんなのだろう。

ふと男性と目が合い、何気に話しかけた。

「美味しそうですねぇ。」
「いやぁ、アハハハ、美味いですよ〜。」
「下のうどん屋さんは、歩きへんろさんにお接待で食べさせてくれるみたいですよ。」
「えぇ!、そうなんですかぁ!、ガハハハ。」

何がそんなにおかしいんだろうか。よく笑う男性だった。

ほどなくして出釈迦寺に到着。しかしこのお寺の風景や雰囲気については、ほとんど記憶にない。きっとこれからお接待でいただくうどんのことで頭がいっぱいだったのかもしれない。

参拝・納経を終えて、再び来た道を戻り始める。先ほどの店先まで戻ってくると、男性はまだそこにいて、お店の人と何やら大きな声で話をしていた。そして何がおもしろいのか、またガハハハハと豪快な笑い声をあげていた。

根っから陽気な人なんだろう。私は思わず口元をゆるめながら、その男性のそばを通り過ぎた。

そして先ほどのうどん屋さんまで戻ってきた。時刻は15時頃。いい時間だ。このあとは74番甲山寺(こうやまじ)、75番善通寺を打って参拝予定は終了である。そして甲山寺を経て善通寺までは4km弱。うどんをいただいてからもじゅうぶん17時の納経締め切りには間に合いそうだ。

さてさて、どんな美味しいうどんを食べさせてくれるんだろう。ニコニコしながら、お店の中を覗いて「すみませ〜ん。」と声をかけてみた。

するとお店のご主人は、

「あぁすみませんね、ちょっとすみません。」

そういって気忙しそうに外に出て行き、また戻ってきて、また出て行く。広くもない事務所の入り口でどうしていいかわからず立ち尽くす私。

ご主人がまた戻ってきて中へ入ろうとする際、ご主人が

「すみません。そこに立ってられるとアレなんで、外のテーブルで待っててください。」
「あ、す、す、すみません。」

見ると外に小さなテーブルと椅子が置いてあり、私はそそくさとそのテーブル席に腰をおろした。そしてうどん屋のご主人は、どうやら業者さんとの対応に追われて大わらわのようだった。

しばし待つこと15分。うどんはどうなっているんだろう。どうも「ハイ、どうぞ。」と出てきそうな雰囲気が感じられない。ちょっと心配になって、おそるおそるお店の中に入って訊ねてみた。

「あのぅ、すみません、おうどんのほうは、、、。」
「あぁ、すみません。ちょっと業者さんが来ててね、まだ湯がいてないんですよ。」
「へ?、、、」
「すみませんね。今から湯がきますから。」
「ハ、ハァ、、、、。」

(、、、、い、、、今から、、、湯がく、、、って、、、、、)

外のテーブル席に戻り、時計を見た。時刻は15時20分頃。本当ならそろそろ食べ終わって出発しようとしているところだろう。なのに、今から湯がくって、、いったいここを何時に出れるんだろう。

ソワソワしながらテーブル席で待つ。何か落ち着かない。手持ち無沙汰なので、地図を開いてルートを確かめる。ここから甲山寺を経て善通寺までは4km弱か。参拝の時間も考えれば、今から1時間半は欲しいところだ。

そして再度時計を見た。15時30分。げっ、そろそろココを出発しないと、、、。

ヤバイ。ヤバイぞ。どうしよう。お接待を断ろうか。いやでもそんなことはできない。でも、、、。いっそ黙ってこのまま立ち去ろうか。いやいやそんなことはできない。できないよぉ。

肩や首をカクカクしたり、腕を組んだりはずしたり、、、。あぁとにかく落ち着かない。うどんよ、早く出てきてくれぇ〜。

涙までは出ないが、完全に泣きっ面の私であった。


posted by こうへい at 23:40| Comment(14) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は大笑いはしないことにしているんです。ハエやセミがくちに飛び込むことがあるし、お葬式のときに適正に対応できなくなると大変ですから。

>出釈迦寺に到着。しかしこのお寺の風景や雰囲気については、ほとんど記憶にない。
こうへいさんの記憶として遍路の初期のほうがよく覚えておられるのが不思議です。印象がつよかったのでしょうか? ここは私は2度行くことになったので、よく覚えています。出釈迦寺そのものは小規模な札所で仁王門はなかったが山門は新しい状態でした。本堂も大師堂も右に寄せて建っていました。舞央ちゃん、でなかった真魚(まお)さま(お大師さまの幼名)が身投げしたところと伝えられる奥の院を含めると小規模とはいえませんが、見上げる山の上にあるので、ただでさえ腰が引けます。七曲の急な坂道を上がり、さらに「滑り台」のような白い通路を登るのです。

うどんを待つときが3時半か。善通寺の街中には行けるので宿泊には困らないにしても、納経に間に合わないかも知れませんね。それに五重の塔のあたりが・・・・
Posted by よし男 at 2010年03月26日 20:30
◆よし男様
>私は大笑いはしないことにしているんです。
なるほど。そのぶん、人を大笑いさせようとしてはるんですな。(笑)

>こうへいさんの記憶として遍路の初期のほうがよく覚えておられるのが不思議です。印象がつよかったのでしょうか?
そうですねぇ。たぶんそうなんじゃないかと思います。
やっぱり最初のほうは、見るもの聞くものすべてが珍しかったですからね。
でもまぁ全体的にけっこう覚えてるほうだと思いません?(そう言ってください!)

さてさて泣きっ面の私は、このあとどうなるんでしょうか。
よし男さんの予想通りか否か、、、。
Posted by こうへい at 2010年03月26日 22:25
>なるほど。そのぶん、人を大笑いさせようとしてはるんですな。(笑)
いやいや。武道で声を出さない『含み気合』という方法があるのです。
丹田に力を入れることはおなじです。同じ表現で言えば『含み笑い』?
う〜〜ん、これはいやらしい響きになっちゃった!違うことなんだけど。

>でもまぁ全体的にけっこう覚えてるほうだと思いません?
最初から思っておりました。2年前のこととのことで、驚いていました。
Posted by よし男 at 2010年03月26日 23:54
なるほど、そういうことですか、で、食べることができたかどうか?
急いで食べると何を食べてるのか、味も満足に分かりませんねぇ。
私は26番:金剛頂寺の景色がまったく思い出せないんです。
年末〜年始の歩きで24番:最御崎寺で除夜の鐘をすぐ傍で聞き、
そこで野宿して早朝に室戸岬まで下って初日の出を拝み、25番を打ち終えて、
室戸の海岸沿いをしばらく歩いた辺りから、ふもとの行当岬までの記憶が途切れてます。
若年性ナントカ症でしょうか?
Posted by まねき猫 at 2010年03月28日 13:16
◆よし男様
>いやいや。武道で声を出さない『含み気合』という方法があるのです。
へぇ、そうなんですか。普通はヨッシャーとかオリャーとかいって気合を入れたりするものですが、静かに気合を入れる方法なんですね。
でも私的には、大声で気合を入れたり笑ったりするほうが実は好きだったりして、、、。
>最初から思っておりました。2年前のこととのことで、驚いていました。
ありがとうございます。私のへんろ記もいよいよ華僑に入ってきておりますが、記憶のまだ新しいうちになんとか早く書き終えたいと思っております。

、、、、が、なにぶん仕事も忙しく、ほかにいろいろやることも多くてですね、ハイ、、(汗)。
まぁ頑張ります。
Posted by こうへい at 2010年03月28日 23:05
◆まねき猫様
>そこで野宿して
えっ!まねき猫さんも野宿へんろさんだったんですか。いやこのときがたまたまやったかもですね。
けど年末年始やったんでしょ。野宿はけっこうキツかったんとちゃいますか。

>若年性ナントカ症でしょうか?
若年性、、、。おっ!若さをアピールしてはりまんな。(笑)

けど、覚えてないのは26番だけでっか。それやったらメチャ優秀でっせ。
私ゃ札所での風景は、たぶん半分以上は覚えてないと思います。札所が固まってぎょうさんあるところは特にね、、、(汗)。
Posted by こうへい at 2010年03月28日 23:22
まねき猫さま
>そこで野宿して早朝に室戸岬まで下って
エッ!? あそこで野宿? あのあたりには
ヘビがニョウロニョロしていましたよ? 夜、テント内に挨拶に
来ませんでしたか?

>こうへいさま
私のコメントは長くなってしまいました。
出釈迦寺のことを思い出してもらえるようにとの意図からでした。
別件ですが、私は火曜日に中華街に入ります。
Posted by よし男 at 2010年03月29日 05:40
年末に仕事を終えてから阿波福井に最終で着き、そのまま駅のベンチで泊まりました。
鯖大師泊、まるたや泊、24番で大晦日、奈半利と安芸のビジホ2連泊でした。
唐浜の駅で寝ようかと思ったら「野宿禁止」の貼り紙があったので、
土佐くろしお鉄道で安芸まで行って(アキはないか?と}宿を探し、翌朝に戻ってきました。
24番では納経所の横のベンチで寝袋にくるまって寝ました。
除夜の鐘の参拝客のための焚き火があって寒くはなかったです。
夜中に最御崎寺のおかみさんに見つかって(というか見つけてくださって)
もう一人の野宿へんろと私をお遍路センターのロビーに入って寝ることを承諾してくださいました。
スタッフの方に泊り客以外は除夜の鐘が終わったら出て行ってください、
と注意されていたので、私が持っていたワンカップと
その人が持っていた焼き鮎味噌を分け合って新年を祝い、
参拝客が除夜の鐘を撞くのを見ていたんです。
ヘビも正月休みに入っていたのか、この回の行程では一度もお目にかかりませんでした。
これを関西の一部ではヘビー休と言います。
Posted by まねき猫 at 2010年03月29日 11:20
◆よし男様

>別件ですが、私は火曜日に中華街に入ります。
え?、、、中華街?、、、。
よし男さんは横浜の方ですから、たぶんその中華街のことをおっしゃてるとは思うんですけど、中華街に入るとは、どういう意味なんでしょうか?
おへんろと何か関係のあることなんでしょうか? まさか周富徳に弟子入り!?、、なんてね。
Posted by こうへい at 2010年03月29日 21:09
◆まねき猫様
>安芸まで行って(アキはないか?と}宿を探し、
ハハハハ、いいです、いいです、さすがは関西人! 座布団1枚!

そうですか。常に寝袋は持って歩いてはるんですね。しかし「私が持っていたワンカップと、、」っちゅうところがまたいいですね。
けっこう飲み助さんでいらっしゃるのかな?お酒は身体が温まりますからね。

>これを関西の一部ではヘビー休と言います。
ホンマでっかいな、ワハハハ。その関西の一部ってどこでんねん!
少なくとも私の住んでる近辺では、聞いたことおまへんで。
取り敢えず差し上げますワ、座布団10枚!持ってけ、ドロボー!
Posted by こうへい at 2010年03月29日 21:21
こうへいさま
>私のへんろ記もいよいよ華僑に入ってきておりますが
とのことだったので。
間接的に誤字を示したつもりです。いまさら修正すると
ちんぷんかんぷんになるので、そのまま、そのまま!
今夜も寒いが4月に入れば暖かくなるんだろうな?
Posted by よし男 at 2010年03月29日 22:34
◆よし男様
あいや、シマッタ!そうでしたか。そうですよねぇ。
華僑じゃなく、佳境に入るんですよね。やってもーたー、、、。

あぁ、お恥ずかしい。
実は私、半世紀近くも生きてきて、これまでずっと「華僑に入る」と認識してたんですよ。恥ずかしいぃ〜!

よし男さん、ありがとうございます。今後は恥をかかなくて済みそうです。
いやぁマイッタマイッタ、、、。
Posted by こうへい at 2010年03月30日 19:05
いえいえ、ワンカップ持参はこの時だけです。
JR舞子から高速舞子へ行く途中にリカーショップがあったので、
ちょうどええわ、と仕込んでおりました。
おへんろ中は酒を絶っておりますが、暑い時期のビールだけは辛抱できんときがあります。
Posted by まねき猫  at 2010年03月31日 14:40
◆まねき猫様
そうでしたか。
しかし私の場合ですが、暑い時期のビールだけは辛抱できんときがあるのじゃなくて、それを楽しみに歩いているのが本当であります。

ゆえに私はそんな辛抱はいたしません。(キッパリ)
ゴクゴクゴク、、カァ〜、美味い!!。もうたまりまへん!。
Posted by こうへい at 2010年03月31日 23:11
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