しかし何だかお腹が物足りなくて、思わずもうひと玉おかわりの注文を入れた。厨房の中のオヤジさんが「えっ!(まだ食うのか!)」みたいな表情をしながらもうひと玉湯がいてくれた。そしてそれもペロッとたいらげる。いやぁ美味い。ホントに美味い。
これでお値段はいくらだったろうか。確か300円だか400円だったか。とにかく500円玉でお釣りがきたのは覚えている。格段の安さである。いやぁもう満足満足。
先に言っておこう。このあともあちこちで讃岐うどんを食することになるのだが、今回のおへんろ行において、この「かつや」の醤油ぶっかけうどんは、私にとって”King of 讃岐うどん”であった。
店を出て、再びへんろ道に戻る。さすがに食い過ぎたのだろうか、少々腹がもたれているようだ。しばらくお腹に手を当てながら、71番弥谷寺(いやだにじ)への道をてくてく歩く。
ここから弥谷寺はすぐそこのはずである。と思っていた。が、それはちょいと甘い考えだった。距離はそれほどでなくても、これがけっこうな坂道だったのである。
少々もたれたお腹を時折手で押さえながら黙々と坂道を登っていく。途中、弥谷寺と次の72番曼荼羅寺・73番出釈迦寺(しゅっしゃかじ)への分岐点を過ぎ、さらに山道を登ったところに茶店があった。その先にはまた長そうな石段が続いているのが見え、この茶店でたまらず小休止。店先のテーブル椅子にどっかと腰を下ろさせてもらう。ふぅマイッタなぁ。疲れた。
その後なんとか弥谷寺の山門前に辿り着くも、そこからまた本堂・大師堂までがやたらに遠い。しかも階段階段また階段の連続。もう汗だくである。ハァしんどいよ〜。
ヘーコラしながらなんとか参拝・納経を終える。そして次の72番曼荼羅寺へ向けて石段と坂道をグングン下っていく。
山道を完全に下り平坦なへんろ道を歩いている途中に自販機があった。汗だくで喉もカラカラだった私は、吸い寄せられるように自販機に近づき、スポーツドリンク系の飲料を一気に2本も飲んでしまった。
やがて72番曼荼羅寺へ到着。時刻は14時30分頃。そして山門を見ておっと思った。黒白の垂れ幕がかけられている。何だろうと思っていたら、どうもこの曼荼羅寺の住職が亡くなられたとのことらしく、私は参拝がてらにご住職の冥福も祈りつつ手を合わせた。
そして曼荼羅寺から次の73番出釈迦寺へ向かうT字路で私は思わず足を止めた。そこには一軒のうどん店があり、「製造・直売 純正さぬきうどん」と書かれた看板が掲げられていた。
ただそれだけなら特に珍しくもない看板なのだろうが、私の目を奪ったのは、その店先に何気に書かれていた素敵な言葉で、そこには確かこう書かれてあった。
「歩きへんろさんにはお接待します」
お接待しますってことは、もしかしてタダで食べさせてくれるんだろうか。といっても、このうどん店は飲食店といった風ではなく、ここで製造したうどんを全国に発送している販売店のようだった。でもお昼に胃がもたれるほど食べたさぬきうどんであるが、さてここのうどんはどんなだろう。
そう思っていると、店の中からご主人らしき男性が出てきて目が合った。そしてご主人が、
「お参りご苦労様。もう出釈迦寺も参ってきました?」
「あ、いえ、出釈迦寺はこれからです。」
「どこから来たんですか?」
「大阪です。」
「そうですか。さぬきうどんはもう食べました?」
「ハイ、今日の朝も昼も食べました。」
「朝も昼も。アハハハ、そうですか。おいしかったでしょう。」
「ハイ、そりゃもう。こちらでもうどん食べれるんですか?」
「あぁ歩きさんにはお接待しますよ。一杯どうですか。」
お昼に胃がもたれるほどうどんを食べてそれほど腹が減っていたわけではないが、うどん好きな私がこんなありがたいお接待の申し出を断るわけがなかった。ぜひいただこう。
「え?ホントにいいんですか?じゃぁお願いします。」
「わかりました。ちょっとうどんを湯がくのに時間がかかりますから、先に出釈迦寺へ参ってきてください。ここへ戻ってきたときにすぐに食べられるように用意しておきますから。」
73番出釈迦寺はここからほど近く、その距離約600m。確かに行って帰ってきてちょうどいい時間になりそうだ。
「あ、そうですね。わかりました。そうします。」
ヨシヨシ、またさぬきうどんが食べられるぞ。それもお接待で。ありがたや。ありがたや。
ニコニコ顔で出釈迦寺へ足を向ける。しかし私はこのあと思わぬアタフタ劇が待ち受けていることを知らずにいたのだった。
もう一度行くかと問われれば、いやだに!
登り終わって笑い声が聞こえるので下を見たら自分のヒザが
笑っていました!
荷物は置き去りにしない主義なので背負って登るのですが、
階段に体を平行にする気持ちでいないと後ろにひっくり返りそうでした。
>お接待しますってことは、もしかしてタダで食べさせてくれるんだろうか
まぁ!タダなんてお下品な! ってゆーか、うれしいことでもあります。
あらかじめ分かっていたら私は胃にスペースを空けて行ったでしょうね!てか、
こちらのほうが、お下品かな?
私は区切り打ちの関係上、曼荼羅寺と出釈迦寺を2度打つことになりました。
まさに出釈迦寺へは小腹をすかせることのできる距離ですね。
>もう一度行くかと問われれば、いやだに!
もちろん私も”いやだに!”でございます。ガハハハ。
いやぁ思わず笑っちまいましたよ。座布団1枚!
>登り終わって笑い声が聞こえるので下を見たら自分のヒザが
>笑っていました!
そりゃもう大爆笑だったんでしょうねぇ。ガハハハハハ。
また笑っちまいましたよ。もう座布団10枚!持ってけ、ドロボー!
しかしよし男さん、絶好調ですナ。いったい何を目指してはるのやら・・・(笑)
そうなんですよ。涅槃の道場へ入られるときは、心してお腹すかしてお入りくださいね。
高知の鰹も絶品でしたけど、香川のうどんも絶品でした。ホンマに四国はエエとこですなぁ。
さてはりQさんの次のお四国行きは、いつなんでしょうか。行くまでも遠いですし、やっぱ今度のGWですかねぇ。
有給一日はさんだら、一週間休み取れるんちゃいますか。ムフフフ。(^/^)
高知は、ほんまえぇとこやわぁ…高知サイコー♪
と高知を歩いておるときは、一人高知ファンクラブだったワタシ。
しかし、愛媛に入ると途端に愛媛贔屓になるのが目に見えております。
浮気者。えぇえぇなんとでもおっしゃいな。
おっ!4-3で勝ってるやん高知。
この浮気者めが〜っ!、、、、って、すみません。
でも愛媛なんですけどね、愛媛だからメチャ感動したとかメチャヨカッタって思ったことは、私には特にないんですよ、実は。
贔屓にするほどのこともなかったかも、、、。強いてゆうたら道後温泉ぐらいかなぁ。
愛媛の方には失礼&申し訳ないんですけどね。
高知はまっことエエとこやったきね。修業の道場やったけんど、何か一番楽しかったちや。オイラもまた行きたいがよ。
茶店は帰りに通ったときに開ける準備をされてました。
俳句をひとひねり、と思っていたんですがだめでした。
その代わりというか出釈迦寺は奥ノ院(捨身ケ獄禅定)へ参拝しました。
滑り台を逆に登るような急斜面をまっすぐに登る道で、頂上は風が強くて寒いぐらいでした。
ここを知っていればきっと熱いうどんを食べたやろなぁ。
>俳句をひとひねり、と思っていたんですがだめでした。
それでは、私がひとつ・・・。
弥谷寺 もう登るのは いやだにじ
季語がないやん!みたいなツッコミはご遠慮くださいませ。(汗)
あのうどん屋さんはけっこうわかりやすいところにあったと思うんですけどねぇ。
もしかしたら、時間が早くて開いてなかったのかもしれませんね。
ただですね、、、、
まぁそのあとのことはまた本文で書きます、ハイ。
昨年の4月23日に訪れた際の写真入り紀行文へのリンクが下記です。
http://kanekoxj.fc2web.com/travel/88templ09/index3.htm#11.道中交歓
お久しぶりです。
ハァ、あの階段はそんなにあったんですか。そりゃ、シンドイわけだ。
本堂前からの景観、、、う〜ん、こんなに素晴らしかったんですねぇ。なのに、スンマセン、全然覚えてないんですよ。(汗)
そう言えば10番切幡寺とかもドエライ階段があって、確かそこからの景観も素晴らしいんですよね。でも私、それも覚えてませんでね。(大汗)
私ゃよっぽど階段に弱いのかもしれません。疲れてまわりの景色を見る余裕を失くしてしまうようです。
ただ、ネコさん、お写真じょうずですよね。どのアングルもいいですし、かなりの腕前と見ましたよ、ウン。