山門をくぐり、横峰寺の境内に入った。元旦とは言え、参拝客(初詣客)の姿はチラホラとしか見えない。ましておへんろさんらしきは自分ひとりのようだった。
周りを見渡せば、あたりは一面雪景色。美しい。ホントに美しい。まるで水墨画の中を歩いているようなそんな気分だった。
そして本堂と大師堂でいつもより多めに手を合わせた。どうかI君が無事アンデスの山を越えられますように・・・と。
このI君という人物。私の勤める会社の親会社の人間なのだが、実は彼もおへんろさんをしているのである。
I君と初めて出会ったのは、2007年10月の末。ちょうど親会社の創立記念パーティでのことだった。私の会社のM社長がたまたま徳島県の、あの12番焼山寺の近くで生まれ育ったとのことで、M社長から「このIもおへんろをしててナ、、、」と紹介されて、「えーーーっ!そーーなん!」みたいな感じで話が盛り上がり、それからI君とは互いにおへんろへ行くたびに、その報告会という名目でちょくちょく一緒に飲むようになったのである。
「俺、今度の正月休みにお四国行くねんけど、I君はどないするん?」
「いや、僕はちょっと、、、。」
「ちょっとて、何なん?」
「いや、そのまぁ、今度の正月は自転車でアンデスを越えようと思ってて、、、。」
「アンデス?アンデスって、、、アンデス山脈のこと?」
「そうです。」
「え?アンデス山脈て、あの南アメリカのほうの?」
「南アメリカのほうも何も、あそこにしかないでしょ。」
「はぁーーー!マジーーーッ!」
聞いてみると、チリ側から登ってアルゼンチン側へ下りていくという。言葉もほとんど通じないだろうに、そこはボディランゲージで何とかするみたいな、、、。いやはや無鉄砲なというか度胸があるというか、、、。I君はそんなとてつもないアウトドア野郎で、四国も野宿しながらまわっているらしかった。さすがに冬場の野宿はキツイとのこと。道理でI君は年末年始におへんろなどしないわけであった。
そんなこんなでI君から「横峰に行ったら、僕が無事にアンデスを越えられるようにお願いしといてください。」と言われていて、それでいつもより多めの参拝となったわけである。
参拝を終え、納経所へ。が、このとき横峰寺の納経所は立て替えの真っ最中で本堂の中が仮の納経所となっていた。本堂の扉を開け、中に入る。本堂の中はストーブが焚かれていて、とても暖かい。外の寒さとはまるで別世界のようだった。
そして納経を終え、本堂の外に出ようと扉を開けた。うわぁ〜、寒ぅぅーー!あわててまた扉を閉めた。
時刻は13時前。予定ではこの横峰寺の境内のベンチで昼食にするつもりだった。が、降りしきる雪にどのベンチも真っ白。とてもそんな寒空の下で、ガタガタ震えながらメシなど食えなかった。
ふと本堂の中を見渡すと、待ち合いのような据え付け椅子が置かれてあった。そして納経所の人(お坊さん)にあの椅子で食事させてもらっていいか尋ねたところ、「いいですよ」とのこころよいお返事。ありがたや。ありがたや。
ぬくぬくとした本堂の中。ご本尊様(大日如来)の前でおにぎりをムシャムシャほうばる。が、その間にも数名が納経のために扉を開け、本堂に入ってくる。そして私と目が合う。それがなんとも気まずくて、ホントはこの暖かい空間の中でゆっくり食事したかったのが、早々に食べ終えるや、本堂の外に出た。
うぅ、寒いっ、、。ここまでの山道を登ってくる間はそんなに寒さを感じなかったが、そのときは肩をすぼめずには立っていられないほど寒かった。
ヨッシャ、ガシガシ歩いてとにかく身体を暖めよう。そして降り積もる雪の中、私は61番香園寺(こうおんじ)目指して、横峰の山道を足早に下り始めたのだった。
2009年11月10日
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不意打ちを食らいました。
そうですか。規模も違うけれど、また東洋人に近い容貌の
人が多いから親切にされるとも聞いているけど、異国では
大変ですね。しかし四国はかなりアン全デス。
>・・・本堂に入ってくる。そして私と目が合う。それがなんとも気まずくて、
分かります、分かります! 他の参拝者は、こうへいさんが許可を得て
いるとは知りませんからね。白い眼でギロっと蔑視するかも知れません!
平地でも、歩きを止めると急に寒さを感じます。ましてや冬の山の道!
いや、一番高いところ! 特に標高が少し変わると気温は大きく変化
すると言われますからね! な、長居は無用!
>しかし四国はかなりアン全デス。
いやいやナントそうきましたか。思わずクスッと笑ってしまいました。(笑)
ここは座布団差し上げねばなりませんナ。おーい、山田く〜ん!
さて明日からまた西へ東へと出張してきます。
きっと更新やコメントへのお返事も遅れると思いますので、どうかご容赦くださいませ。