☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2009年09月26日

四国へんろ【148】 おかしな挨拶

2008年1月1日(火) 6時30分起床

着替えていると、部屋のドアをノックする音とともに、女将さんの声が聞こえた。

「朝食の用意ができましたよ〜。」
「ハ〜イ、ありがとうございます。」

食後すぐに出られるように荷物をすべて持って食卓の間へ。そして朝食を食べ始めてすぐぐらいに、女将さんがお正月だからということでお餅の入ったお雑煮を持ってきてくれた。感謝、感謝、、、。

、、、のはずだったのだが、何の味だ、この味は、、?? その味付けが妙というか独特というか、、、私にはお世辞にも美味いとは言えないツライ味だった。(女将さん、ゴメンナサイ)

どんなダシ汁を使っているんだろう。かつて39番延光寺近くの民宿へんくつ屋では鯛の入ったみそ汁をいただいたが、私にとってはそれに匹敵する珍味ではあった。

そして精算をして、宿を出る。時刻は7時30分頃。元旦ののどかな街並みをてくてく歩く。このあと面白いことがあった。

挨拶である。昼間はそうでもないのだが、朝に歩いていて地元の人と目が合ったりすると、たいていは挨拶を交わす。「おはようございます。」、と。へんろ道沿いに住む人は、そんなおへんろさんとの触れ合いに慣れているのだろう。その誰もがにこやかに挨拶を返してくれる。60番横峰寺へ向かうこのへんろ道沿いでもそれは同じだった。

そしてどこでだったかよく覚えていないが、自販機を見つけてお茶のペットボトルを買い、それを自販機から取り出して腰を上げたときのことである。

私の側を犬を連れて散歩しているひとりの年配女性が通り過ぎようとしていた。その女性と目が合い、互いに微笑みあう。そして私がつい発した言葉は、、、

「あ、どうも、おめでとうございます。」

そして女性も「あぁ、、お、おめでとうございます。」となんともぎこちない挨拶をしてくれた。そして少し見つめ合ったあと、彼女はそれがおかしかったのか、口を手で押さえ、微笑みながら通り過ぎていった。

私は新年が明けたということで、ついそんな言葉が出てしまったようだったのだが、だからとは言え、いきなり「おめでとうございます。」の挨拶はないだろう。見知らぬ相手に「今年もよろしく。」みたいなわけはないのだから。
その女性と少し見つめ合った間(ま)は、そのあと私が反射的に「今年もよろしくお願いします。」と言いかけたのを必死に飲み込んで生まれた間(ま)であったのである。

そのとき私はどんな表情をしていたのだろう。きっとバカヅラだったに違いない。

それからもへんろ道を快調にてくてく歩く。前方には高くそびえる山脈が白い雪化粧をして連なっているのが見えた。あのお山の上に横峰寺があるのだろうか。標高745mか。今も寒いが、お山の上はもっと寒いだろうなぁ。

そんなことを考えながら、やがて県道147号線と国道11号線の交差点までやってきた。右手に目をやると、すぐ近くにファミリーマートが見えた。ヨシ、あそこで昼メシの調達をしよう。

ファミリーマートでコンビニ弁当とお茶を調達。そして横峰寺へ続く県道147号線のなだらかな上り坂を上っていく。

そのときである。前方から一台の乗用車が近づいてきて、私とすれ違うや急停止したようで、私は何気に振り返った。

乗用車からひとりのメガネをかけた男性が下りてきた。おそらく30代前後の男性だったろうか。そして私の側に駆け寄ってきて、

「今から横峰寺へ行くんですか?」
「えぇ、そうです。」
「台風で山道が途中でなくなってるかもしれませんから、気をつけていってください。」
「えっ!?」
「それじゃぁ・・・」
「あ、はぁ、、、??」

そういってその男性は去っていった。

山道がなくなっている! どういうことだ、それは!。それじゃぁ横峰寺へ行けないじゃないか。

そう言えば地図上にもそんな説明書きがあったことを思い出した。あわてて地図を取り出して確認する。確かにそんな説明書きはあるのだが、台風被害があったのは平成16年10月のこと。路面が崩壊・流失してしばらく通行禁止になっているようだ。だが、平成18年9月には復旧の見込みと書いてある。

今日は2008年1月1日。2008年は平成20年。昨年は平成19年。ということは、さらにその前年には復旧の見込みとあるのだから、一年以上も遅れることはないだろう。とうに復旧はされているはず。そう思って私はこのルートを選んだのだった。

しかし男性はわざわざ車を下りて駆け寄ってきて、そんな注意をしてくれた。ということは、復旧はまだなんだろうか。まして山頂付近は雪化粧をしているのだ。どんな危険が待ち構えているかもわからない。

う〜ん、どうしようか。取りあえずここは引き返して、先に61番香園寺(こうおんじ)、62番宝寿寺(ほうじゅじ)、63番吉祥寺(きっしょうじ)を打ってからにしようか。しかし今日の宿は62番宝寿寺近くの「ビジネス旅館小松」に予約を入れてある。ここから宿まではそう遠くないし、予定を変更すればお昼には宿に着いてしまう。その後の予定もめちゃくちゃになりそうだ。

う〜ん、、、。しかし、待てよ。あの男性は、行くなとは言ってなかった。気をつけて行け、、と。
行けないなら行けないというはず。きっとそうだ。そうでしょ!メガネのおにいちゃんよぉ〜!!

そしてしばらく考えたあと、私は意を決してそのまま県道147号線の坂道を上り始めた。どうか無事横峰寺に着けますようにと祈りながら・・・。 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛、、、


posted by こうへい at 21:03| Comment(16) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きぁぁ〜、ど、どうなるんだろう?

私もジツは保存協力会の地図に記載してある注意書:  

  降雨時は溢水・激流で通行不能。強行は死傷、行方不明の恐れ大。

などの内容にビビッて横峰寺を飛ばしたのです。ナイスショット、でなかった、
ゴルフじゃないですからね。区切り打ちの2日めになるので、体がまだ登山を
するまでには慣れていないし、雨も降っている、自分が遭難している姿を想像
して、止めとこ!と決心。近くにある温泉ホテル「しこくや」に投宿したのです。
これが「抜き打ち」と言うべき飛ばしです。なにせ全札所の中で最もキツいコ
ースとかのウワサもあり、若くもないのに冒険を求める心を、山伏でも苦行僧
でもないんだからと自分をコンコンと説得。
山頂には雪!!    次回の書き込みを読むのが怖いです。
Posted by よし男 at 2009年09月27日 00:16
こんにちは

丹生川駅前で泊まった翌日に横峰寺へ向かいました。
納経所の横の休憩所の温度計は0度でした。
汗で濡れていた下着が冷たくなり、すぐに脱いで着替えました。

朝倉に何かがある?!
答えは「タオル美術館」です。すいませんねぇ、色気がなくて。
でも、予想以上に良かったし、美味しい紅茶も飲めたし。
へんろ道とはまた違った楽しみがありました。

台風は私が参拝した2年後だったと思います。
日常の通行に使用されてないところはまだまだ復旧されてないようです。

Posted by まねき猫  at 2009年09月27日 12:55
◆よし男様
>きぁぁ〜、ど、どうなるんだろう?

そ、そんなに叫ばれては、、、落ち着いてください、落ち着いてください。

>降雨時は溢水・激流で通行不能。強行は死傷、行方不明の恐れ大。

この注意書きですが、ホントにビビりますよね。もうちょっとマシな言い回しがないものかと思うのですが、、、。
まぁでも、実際にそんな大変な事故が起きたりしたら、困るのは地元の自治体でしょうからね。ちょっと大げさな表現になるのは仕方ないかもしれませんなぁ。
よし男さんのときは実際に雨が降ってたみたいですから、余計にビビられたことでしょうねぇ。まぁやめて正解だったということにしておきましょうよ。おかげで今は無事にいられるわけですから、ハイ。
しかし「抜き打ち」とはそういう意味でしたか。よくわかりました。

>山頂には雪!!    次回の書き込みを読むのが怖いです。

マイリましたな、こりゃ。お身体に毒ですがナ。
もうちょっと気楽に、気楽〜ぅに、、、、(^o^:;)
Posted by こうへい at 2009年09月27日 14:37
◆まねき猫様
>朝倉に何かがある?!
>答えは「タオル美術館」です。すいませんねぇ、色気がなくて。

なーんだ、なんだ、なんだ、そうですか。
今度こそと思ちょりましたのに残念です。(何が?)

>台風は私が参拝した2年後だったと思います。

ナント、そうでしたか。それじゃぁ私よりはるかにずっと先輩な方だったんですね。
なぜかまねき猫さんは、まだ結願されていないものと思い込んでました。
これは失礼をばいたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by こうへい at 2009年09月27日 14:43
>この注意書きですが、ホントにビビりますよね。もうちょっとマシな言い回しがないものかと、、、。
マシな言い回しとしては、
  ・・・・なので、身体の損傷、生命の危険に関しては責任を負いかねます。
ってのはどうでしょう?
未知のへんろ路は、いつも怖いものです。これからはクマも現実の脅威になります。”四国で歩き遍路がクマに襲われ、熊乗りになられ顔面陥没の重傷”なんてことも・・・
タオルは今治産業の必死の橋頭堡です。価格では中国産に押されてデザインで勝負するかありません。それゆえカラーフルな製品が展示されていたはずです。
けっこう、色っぽいのです。
Posted by よし男 at 2009年09月27日 22:17
おはようございます。

私は現在2度目の歩きへんろを逆打ちで回っています。
クルマでも何度か行きましたが達成感が違いますね。
特に歩き遍路専用のような道を行くときは実感します。
クルマで走ると数分のトンネルでも、迂回して山越えの道を行くときの
頂上付近の切通しから見る空や、見下ろす景色がご褒美です。

今治の宿(正月に2連泊したホテル)から泰山寺へ向かっているとき
シャッターを開ける音に振り向いたら、おじいさんがこちらを見て手招きされ
ミカンとタオルをお接待していただきました。
おじいさんいわく「今治ではミカンとタオルは買うもんではない、
誰やかれやがくれるからな」

今まで名前しか知らなかった町で、自分で歩いて色々なことを学びました。



Posted by まねき猫 at 2009年09月28日 10:31
携帯からです。よし男様まねき猫様、そしてきがくぶろぐ読者の皆様すみません。実は私のパソコンがいかれてしまいまして、しばらくこうしんできないかもしれません。ホンマにすみません。
Posted by こうへい at 2009年09月28日 21:43
>パソコンがいかれてしまいまして
あれ!? それは残念です。
交信できるようになりブログが
更新される日をお待ちしております。
Posted by よし男 at 2009年09月29日 08:22
こんにちは
お休みの間に最初から読ませていただきました。
私の持っている地図はカラー版になる前のもので高低差が読み辛く
よし男さんも言われているように北が必ずしも上を向いておらず
また、同じページでも縮尺が違っていることがあるので慣れが必要です。

慣れと言えば、初めて歩く道は分岐点が分からず、
目印を見落とさないように地図と真正面を交互に見るので
周りの景色は見ていないか、記憶にないことが多いのですが
さすがに2度目は慣れたもので、そこへ着くまでは周りを見渡す
余裕があるというか、安心して歩けますね。
区切り打ちで前回の地点まで行くときにそれを感じます。

私も色々と失敗をしました。その中で最大級のものは
恩山寺を打ち終えて立江寺へ向かうときのこと
その日が打ち止めで立江寺を打ったあとJR立江から戻る予定でした。
恩山寺の納経を終えた時点で16時20分、麓まで下りてバスで行こうと
バス停まできて時刻表を見たら、ついさっき出たばかり。
歩くしかないと競歩のようなピッチで歩きました。
このときに履いていたのが軽登山靴で、靴紐の金具で擦れた痛みはあったのですが
戻って数日してから足が腫れてきて痛みが治まらず、
医者へ行くと疲労骨折と言われました。

それ以後、少々の山道でも登山靴は履かないようになりました。

長文の書き込み失礼しました。

Posted by まねき猫 at 2009年10月03日 11:06
まねき猫様
>それ以後、少々の山道でも登山靴は履かないようになりました。
この意味は、平地を登山靴で歩くのはよくないとのことでしょうか?
あるいは競歩のように速く歩くには適さないということでしょか?

過疎地のバス運行は、都会生活していると、想像を絶する少なさです。
本当に注意が必要ですね。

(不心得者による、ブログに汚物コメントが入っていますね。掃除して
 あげたいけれどできません。)
Posted by よし男 at 2009年10月04日 21:08
こうへいさん、
早くパソコン修理が終わりますように。

よし男さん
焼山寺を過ぎるまでは山道を重視して軽登山靴を履いていました。
それ以後は舗装路の割合が増えたのでどっちか思案しましたが
鶴林寺と太龍寺をスニーカーの底が固めのもので登って
特に不安はなく、かえって歩きやすかったのでそれに変えました。

登山靴で底が磨り減ったものはすべりやすく、苔の生えたところや
寒い時期の日影のところは何度かヒヤッとしました。

スニーカーでも底の磨り減るのは同じですが、値段が安いのと
磨り減っても日頃の使用には問題ないので、1巡のあいだに
夏用のメッシュのものも含めて3〜4足買い換えました。
Posted by まねき猫 at 2009年10月05日 16:27
理想的にはルートの状態に応じて靴を履き替えるのがよいですが、現実
そんなことはできません。特に靴を売っている店舗が皆無に近い状態の
遍路路です。私も一足2000円弱の中国製のスニーカーですがラッキ
ーにもぴったりで、甲の部分が擦り切れても実用上使えて来ました。
登山靴は知らないのですが、ごっつく重い分、重荷に見えます。

ブログの主のいない間に、どんどん先に行っちゃえ・・とも行きませんね。
Posted by よし男 at 2009年10月06日 00:13
パソコン復旧しませんか?えぇい新しいの買っちゃえ!
と、他人事なので無責任に言えます。ヘヘッ

>降雨時は溢水・激流で通行不能。強行は死傷、行方不明の恐れ大。
ワタシがまだ知らないページには、そんな恐いことが書いてあるのですか?ヒャーヽ(゚ロ゚;)
おっそろしー未知の道がまだまだあるんですねぇ…かなりビビってます。
Posted by はりQ at 2009年10月06日 12:45
ご主人さまぁ〜、早くお帰りになってくださ〜い。

勝手に入って住み着いてま〜す。

よし男さん
靴選びは大切です。区切り打ちなら上手く対応できますが
通し打ちをされる人は大変でしょう。

登山靴はやはり山道には適していると思います。
岩や石ころから足を保護するのと、くるぶしまであるタイプだと
捻挫の予防にもなります。
スニーカーでも底の薄いタイプで夏場の舗装路を長時間歩き続けると
靴の中が熱くなり、足裏がヤケドのようになったことがあります。

へんろ道は山あり川あり、暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も
雪の日もカンカン照りの日もあり、どんなときでも必要なものは?
お杖と笠と自分の脚力ですね。

お杖ももうだいぶ磨り減って短くなってしまいました。
上り下りのときは少々不安です。
笠も2つめは竹でできた網代笠にしました。
しっかり出来ているのと、雨でもカバーを着けなくていいので
重宝しています。

こうへいさんもポンチョ愛用のようですが
私は風の弱い日はオレンジ色のポンチョを使います。
自動車が多い道では雨と飛沫でドライバーから見えにくくなるのですが
オレンジ色は遠くからでも目立ちます。
夜間も山道でもよく見えます。
あるとき前を行くお遍路さんを見て、これはいい!と真似しました。
破れ笠に道中合羽ならさしずめ木枯らし紋次郎ですが。

Posted by まねき猫 at 2009年10月06日 13:02
>岩や石ころから足を保護するのと、くるぶしまであるタイプだと
そうですか、くるぶしまである・・・ナルホド。スキー靴に近いですね。
私はスニーカーではあっても、やや、ヘヴィタイプのものです。なんであれ、
捻挫は怖いです。足で踏むやや大きい石には充分注意します。グラッと動い
たら危ないですね。

>私は風の弱い日はオレンジ色のポンチョを使います。
私はリュックにオレンジの防水カバーをかぶせることにしました。
前側には反射タスキを着けます。
最近、散歩させる犬に付けているような発光ダイオードが夜間には有効ですが、
ちと恥ずかしい。
Posted by よし男 at 2009年10月07日 00:17
会社からです。(これはあまりやりたくないんですが、、、)
みなさん、ご無沙汰してスミマセン。パソコンですが、新しいのを買うことにしました。
連休明けには復活できるようにしたいと思っています。
Posted by こうへい at 2009年10月08日 18:44
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