外は相変わらずの小雨が降り続いていた。でも菅笠をかぶっていれば十分。ポンチョを着るほどのことでもなさそうだ。そしてさて行くかと、小雨降る中、ポンチョを着ずに私は歩き出した。
しかし歩き出してすぐに、やや雨足が強くなってきた。オイオイと思いつつ、急ぎ足で歩いて昨夜夕食の弁当などを買い込んだローソンの軒下に身を寄せた。
あ〜あ、やっぱりポンチョを着なきゃならんのか。どうするかなぁ・・・。このすぐ近くにJR伊予大洲駅もあるし、あそこから電車に乗ってスンナリ松山へ出てしまおうか。
しばらく考えて、私は雨の中を走り出した。すぐ近くのJR伊予大洲駅へ向かって・・・。そう、結局このまま松山へ出ることにしたのである。
それは・・・・
ポンチョもじゅうぶん乾き、きれいに折りたたんでリュックの底に入れてある。それを出すのも面倒だ。また濡らしたくないし。
それに、思えば昨年末に37番岩本寺近くのJR窪川駅から歩き出して、この伊予大洲までの一週間。約240kmもの行程を歩いてきたのだ。私には区切り打ちとしてこの年越しへんろ行をじゅうぶんに堪能した感があった。
そして初めての愛媛県。初めての松山。初めての道後温泉。次また区切り打ちで来るとき以外、この地を訪れることはそうそうないだろう。ここはゆっくり時間をとって、松山観光としゃれ込もうか。
・・・・ということであった。
まだ8時過ぎ。14時30分JR松山駅発のバス便まで時間はじゅうぶんにある。ということで、特急には乗らず、一本遅らせて次の普通電車に乗り、松山に向かった。
窓の外は相変わらずの雨が降り続いていた。「まぁヨカッタかな、これで、、、。」と思いつつ、ボンヤリと車窓に流れる景色を眺めた。
約1時間で松山駅に到着。雨がやんでいたらこのまま道後温泉まで歩くつもりだったが、小雨ながらも降り続いていたので、取り敢えず道後温泉行きのバスに乗る。そして道後温泉前で下車。
バスを降り、道後温泉街の風景をのんびり楽しみながら歩く。すぐ近くに「ぼっちゃん列車」が止まっていた。その光景がなんとものどかで心地良い。またすぐ近くで、小説『坊ちゃん』の雰囲気そのままの格好をした男女が観光PRなどをしていた。
それを眺めていると、地元の観光イベントのスタッフらしきおじさんから「おへんろさんですか?」と話しかけられ、しばしの談笑タイムとなった。
そしていよいよやって来た道後温泉本館。さすがに歴史ある温泉だけに、その建物の荘厳さ重厚さにう〜んと唸った。しかしそれより何よりこの人の多さ。本館前は人ゴミをかき分けかき分け歩かないと前に進めないほどのすごい人だかりだった。
2階座敷でのお茶菓子&休憩付きのチケットを買って、本館の中へ入る。チケットはただ入泉するだけの安いものもあったが、先ほどのスタッフおじさんに「お茶菓子&休憩付きのやつがオススメですよ」と言われてそれにしたのだった。
とにかく時間はじゅうぶんにあったので、2ヵ所あった浴槽に交互に何度も入り、これでもかというぐらいに浸かってこの一週間の疲れを癒した。(おかげでけっこうノボセてしまった)
本館の浴衣に着替え、2階の座敷でお茶菓子をいただきながらゆっくりのんびりくつろぐ。何ともいえないこの至福感。ホントに気持ちよい時間だった。
その後、本館内の展示物などを見学して外に出た。
そして本館前の商店街をウロウロ見てまわり、家へのおみやげに「ぼっちゃん団子」もしっかり購入。商店街を抜け、空を見上げるとうまい具合に雨もやんでくれていた。
ヨシ、このまま松山駅まで歩いていこうか。歩きへんろから完璧に観光客と化していた私であったが、とにかくあっちに寄り道こっちに寄り道しながらブラブラ歩いた。
やがて時が過ぎ、定刻通りのバスに乗る。帰りのバスの座席は、ゆったりした一列3人がけの真ん中。しかも一番前。眼前の景色もよく見える。来るときに乗ったバスとはエライ違いだった。
そしてゆっくりと今回の年越しへんろ行を振り返る。
今回は第7回目の区切り打ち。特に私にとって一週間という最長期間となった。雨風に悩まされたり、山道で迷ったり、一番楽しみにしていた初日の出が見れなかったり、、、いろいろあったが、ホントに楽しい一週間だった。
道後温泉もヨカッタし、また次も楽しく歩けたらいいなぁ。そうこうしているうちに瞼が重くなり、静かに目を閉じる。温泉に浸かりすぎたのか何だか気だるい。しかしこの気だるさとバスの揺れとがうまくマッチして最高に気持ちよい。
こうしてまさに極楽極楽という感じで、私の第7回区切り打ち・年越しへんろ行は幕を閉じたのであった。
2009年07月01日
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読むほうも、ほっと一息付きました!
道後温泉本館にはすぐ入れましたか? 私は2回ほど行ったのですが本館前に
長い待ち行列ができていて諦めました。近くに椿ノ湯という外湯がありましたの
で、そこで済ませました。
ぼっちゃん列車は思いのほか小さくてカタブツ顔の私はなんか恥ずかしくて、
よう乗れませんでした。おもちゃのような列車にはこの石部金吉の顔は不釣合
いで・・・。 それにしても昔からの温泉館は道後温泉本館だけなようで残念です。
聖徳太子も来たところで、特別によい温泉であり続けたのでしょうね。
文面は知られている記念の碑文石がいつか発見されると、ロマンを持っております。
>読むほうも、ほっと一息付きました!
いつもしっかり読んでくださってるようで、ありがとうございます。話が長いんでお疲れになったでしょう。でもまた次の区切り打ちの話が始まりますの、またヨロシクお付き合いくださいませ。
道後温泉ですが、本館前の人だかりはすごかったんですけど、チケット売り場には誰も並んでなくて、スンナリ入れました。
中に入ってた人も、少なくはなかったですけど、それほど多くもなかったですね。
ぼっちゃん列車ですが、ホントにおもちゃみたいな列車でしたね。私もなんだか恥ずかしくて乗れませんでした。
しかし、石部金吉、、って、、?? どんな顔した何者ですか?
すなおにお答えしますと、
石部金吉(字が間違ってるかも知れません)はウルトラカタブツで、
愛想笑いも不得意で女性にも心を動かされず演歌にも涙せずという
生活態度の架空の男で、叩くと石や金属の音がするとか聞きました。
と言ってもゴルゴサーティーンのような自己管理が完璧な人間とも異なります。
どうやら石部金吉(いしべきんきち)とは、そういう名前の実在の人物ということではなくて、石や金属のようにお硬いチョーカタブツな人物を揶揄していう言葉みたいですナ。
これまた私に新しい知識をインプットさせていただきました。ありがとうございます。
しかしYamamotoさん、お顔は石部金吉でも、根は違うでしょ? 根は、、。
、、、、ネ。(^_-)☆
でなきゃ、座布団3枚も、、、取れませんよ〜。(笑) うんうん。