2009年06月28日

四国へんろ【124】 ときわ旅館にて

部屋に入るなり、石油ストーブのスイッチをON。そしてまずは缶ビールをプシュッと開けてグイッとひと口。プハァ〜、ウマイ! 続けて弁当を開けてパクパク食い始める。

テーブルの上に何やら一冊のノートが、、、。よく見ると、おへんろ宿などによくある旅のノートみたいなものが置かれていた。何気にそのノートを手に取り、ビールを飲みつつ、弁当を食いつつ、読み始める。

全国各地からこの宿に来たおへんろさんが、それぞれの思い出を自由に書き綴っていた。それを読みながら私は思った。そう言えば、私がこの宿の今年初めてのお客さんとのことである。その記念に是非一筆書いておこうかと。

弁当を食べ終え、ビールとつまみを片手にペンを持った。こういった旅のノートは、これまでも、そしてこのあともいくつかの宿に置いてあった記憶はあるのだが、自分で書き込んだという記憶は、このときわ旅館でしかない。
「今年初めてのお客さん」というのが、よほど嬉しかったのか、、、。単純な男である。しかし何を書いたのかはほとんど覚えていない。ただ嬉しくて何かを書いたことだけは覚えている。

ノートに一筆書き終え、明日の行程を考える。といっても、明日はこの年越しへんろ行の最終日。内子までの残り約10kmを歩くだけである。その後はJRで松山に出て、道後温泉でゆっくりと疲れを癒す。道後温泉、、、、う〜ん、、楽しみだなぁ・・・。

2本目のビールを飲み終え、少しして頭もボヤ〜ッとしてきた。そして何とも心地の良い酔いがまわってきた私は、やがてふとんにもぐり込むや、あっという間に眠りに落ちていった。


2007年1月6日(土) 7時起床。


モソモソと起き出して部屋の灯りをつける。そしてテレビもつけてボンヤリ画面をながめていると、しばらくして今日の伊予地方の天気予報が流れてきた。

見ると、その予報は、雨。(、、、ゲゲッ、、、あ、雨、、かぁ、、、。)

思わず立ち上がり、窓を開けて外を見る。すると、既にポツリポツリと小雨が降っているのが見えた。(アチャー、なんでまた最終日に雨なんだ、、、。)

このままの小雨程度が続くならまだしも、またドシャ降りに降られたら嫌だなぁ、、、と思っているうちになんだか行く気がどんどん萎えてきた。

そこへコンコンとドアをノックする音が聞こえた。「ハイ、どうぞ。」と声をかける。部屋へ入ってきたのは、昨日私を出迎えてくれた若い男性だった。

そしてその男性と朝の挨拶を交わし、他に他愛ない会話をしたあと、男性が「これをどうぞ」といってあるものを差し出してくれた。それはこれから先、44番大宝寺へ向かう手製のルート地図と、ビニールの小袋にバンドエイドのほか、確か綿棒や湿布薬などその他もろもろ入ったケガ予防品一式だった。

その心遣いに感動しつつ、私は男性に何気に問いかけた。

「あのぅ、もしかして、あなたがこの宿のご主人さんですか?」
「ハイ、そうです。」とニッコリ微笑むご主人。

いやしかし驚いた。こんな若い人がおへんろ宿を経営しているなんて。しかもこの温かい心遣い。すべてのおへんろさんにこんな心遣いをしてくれているのだろうか。なんだがジーーンとして、胸が熱くなったものだった。

ただこのときその若いご主人と他にいろいろ話したはずなのだが、その内容がどうも思い出せない。残念である。しかしとにかくまた再び伊予大洲に来ることがあったら、ゼッタイここへ泊まりに来よう。若いご主人と話しながらそう思ったのは確かだった。

そしてこのあとちょっぴり長居させてもらい、私がときわ旅館をあとにしたのは、ちょうど8時前のことだった。

posted by こうへい at 00:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにいなかで季節性の強い民宿をなりわいとしてするには、
よほど泊り客が多くなければやっていけないですから、若い
夫婦が都会に出ずに定着するにはリスクがありますね。
通常は自然と老夫婦の仕事になるようです。

雨天でも歩けますが目に雨水が絶えず入るとつらいです。
地図はポリエチレン袋に2重にして入れておかないと散々な
状態になります。 
あ、それよりも冬ですね。 こりゃあ気温によっては危険です。
Posted by よし男 at 2009年06月28日 21:36
◆よし男様
そうですねぇ。おへんろ宿の経営はほとんど慈善事業に近いものがあるようなことをお聞きしたことがあります。
でもあとで気づいたんですが、このときわ旅館さんはネット上でもかなり評判が良さそうです。若いご夫婦の頑張りに今後も期待したいですね。

よし男さんもぜひお泊りになられてはどうでしょうか。お勧めですよ。

この宿でいただいた地図は、次の区切り打ちの際にとても役に立ちました。またそのことはいずれ本文で書きますね。
Posted by こうへい at 2009年06月29日 01:03
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