☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2009年06月21日

四国へんろ【122】 さて、どうする?

ときわ旅館に電話を入れる。電話に出たのは、若い女性の声だった。

「あ、すいません、歩きへんろをしてる者ですが、今日は泊まれますでしょうか?」

私がそう言うと、一瞬間を置いてから、意外な答えが返ってきた。

「・・・ありがとうございますっ!」(えっ?、、ありがとうございますっ、、??、、)

いきなりお礼だけを言われて少々戸惑いながら、

「あ、いや、あのぅ、、ということは、泊まれるんですか?」
「ハイッ!ありがとうございます。今年初めてのお客さんです。」
「そうなんですか。そりゃ光栄ですねぇ。じゃひと部屋お願いします。」
「わかりました。、、、あ、でもちょっと申し訳ないんですけど、、、」
「何でしょうか?」
「ちょっと今日はお食事の用意ができないんですけど、いいでしょうか。」
「あぁ全然構わんですよ。僕も今日そちらに着くのがちょっと遅くなりそうなんで・・・」
「いまどこにいらっしゃるんですか?」
「明石寺(めいせきじ)を出てちょっと来たところです。」
「じゃぁこちらへは何時頃に、、、」
「そうですねぇ。ヘタしたら、、、19時、、、ぐらいになるかもです。なんで、夕食があんまり遅くなるのもなぁって思ってましたから。」
「あぁそうですか。うちの近くには食事できるお店もありますし、少し行ったらローソンとかもありますから。」
「そうですか。じゃぁ食事の心配はないですね。頑張って行きますんで、よろしくお願いします。」
「わかりました。気をつけてお越しください。」

一般的におへんろ宿は、老夫婦で経営していたりする場合がほとんどである。故に、電話に出る声も大体がおばあちゃんの声、あるいはおじいちゃんの声である。

なので、若い女性の声が聞こえたのもそうだが、いきなりお礼だけを言われたのも初めてでちょっと驚いた。食事が用意できないというのも納得で、何しろ当日の昼過ぎにいきなり泊めてくれと言われても、事前に食材を用意してなければ無理なことだろう。

だいたい新年が明けてまだ5日である。しかも私が今年初めてのお客さん。電話に出た若い女性が一瞬間を置いたのは、昼過ぎて突然の当日予約だったのでビックリしたのかもしれなかった。

それにしても、私が今年初めてのお客さんなのか。、、う〜ん、そうかぁ、、、。だからどうだというわけでもないのだが、妙に嬉しい気分になって、自然と口元がほころんだ。

ヨシッ、宿も決まった。さぁ行くか! ということで、私は意気揚々と歩き出した。

それから国道56号線に並行するへんろ道を進み、やがて56号線に合流、そしてまたへんろ道に入っては56号線に合流するといったことを数回繰り返し、やがて56号線沿いにある鳥坂(とさか)峠越えのへんろ道への登り口までやってきた。時刻は15時30分過ぎ。まだ日は高かったが、な〜んとなく薄暗さも感じられるようなそんな感じもしていた。

さて、ここからどうしよう。私はちょっと迷った。このまま56号線を行って鳥坂隧道を通るか、鳥坂峠越えのへんろ道で山を越えていくか。

もっと時間が早ければ、迷わず山越えルートで行くのだが、しかしもうあと2時間もすればドップリと日は暮れるだろう。このまま山越えルートで行って、山の中でどんどん薄暗くなっていくのも嫌だしなぁ〜。かといって、距離の長そうな鳥坂隧道を通るのもなぁ〜・・・う〜ん、どうしよう・・・。

休憩がてら、地図を取り出し、その後の時間経過を考えながら、どちらで行くかじっくり考える。

そしてふと空の色が気になった。見上げると、まだじゅうぶんに明るかったが、ここへ着いたときより若干薄暗くなっているように感じられた。

ヤバイぞ、こりゃ暮れ出したら一気かもしれんなぁ・・・。伊予大洲まであと約10kmか。時間にして約2時間半。いや休憩を入れたらもうちょっとかかるか。さらに山越えで行くと確実にそれ以上の時間はかかる。宿にはできるだけ早く着きたいしなぁ・・・。

そうやって私が悩みに悩んだ挙句に決めたルートは、鳥坂隧道突破ルートだったのである。



posted by こうへい at 22:34| Comment(6) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大晦日、正月三が日には宿泊客を期待しませんからね。どこかの軒下とかバス停で一夜を過ごすことを考えれば、宿泊しても、手間隙かかることは依頼しないのがいいですね。わたくし、ジツは遍路の帰り一泊しようとした12月31日、ビジネスホテルまで休業中ということで部屋が取れませんでした。諦めず、旅館にも片っ端から電話で問い合わせ、1軒OKと反応がありホッとしたことがあります。翌日は元旦。“こんな時期にお年寄りが一人で泊まるなんて、よほどの事情があるのでしょう。お気の毒に”と思われたのかどうか、おぞうに付きのおせちが出ました! (感謝感謝!)

秋冬は3時半といえば暗くなりかけます。そうでなくても太陽も早く行かなくては、と大急ぎで地平線に向かうのでしょう。雲がなければ一気に暗くなります。
なるほど、鳥坂隧道は1.1Kmとかなり長いですね。(四国TNLプロジェクトより http://cdcdcd.sansu.org/tnl/all/all_ehime.htmありがたい情報です! 感謝)
しかし悩んで決定した決定は正解でしょう!決して鳥越し苦労ではありませんでした。山越えでは、より長い距離に加えて、迷いながら歩くことを考えれば、照明付のトンネルはこの際絶対優れていますね。あ、ガードレールが付いていましたか?
Posted by よし男 at 2009年06月24日 00:29
◆よし男様
おへんろ帰りということですから、おへんろさんの格好はされてたんですよね?
だったらおぞうに付きのおせち料理は、お接待以外の何ものでもなかったんじゃないっすかねぇ。ウンウン。

>あ、ガードレールが付いていましたか?

ガードレールがあった記憶は・・・ないですねぇ。まぁちょうど次の記事をUPしたところでしたので、取り敢えずそれを読んでみてください。
ただトンネルの状況とかも、途切れ途切れな頼りない記憶なので、合ってるかどうか自信はありませんです。(汗)


Posted by こうへい at 2009年06月24日 02:15
>おへんろ帰りということですから、おへんろさんの格好はされてたんですよね?
あ、いや、いや、遍路装束は外していたはずです。
Posted by よし男 at 2009年06月24日 07:28
◆よし男様
そうでしたか。でもさすがに菅笠やお杖は隠せませんでしょ?
まぁどちらにしても良かったじゃないですか。もてなしてくださったんですから。
ホントに、感謝感謝ですね。

Posted by こうへい at 2009年06月24日 21:02
私は迷うも何も、鳥坂峠への入口に気づかずトンネルに入りました。トンネルに来るまでペット犬の大規模犬舎(?)があり、大小多くの犬が、オイラを連れっててよう!、いや、オイラのほうを連れってってぇ〜!と猛烈に吼えまくっていました!
トンネルを出ると折衷策としてトンネル出口右上に上るへんろ道が確認できたので、そこから56号線と平行して走る旧へんろ道を進みました。ここはいいですよ! 下り坂の林道になっていて途中からは延々と道左がシイタケ栽培の原木の列でして、ハンパではないですね。当然日陰の道です!
Posted by よし男 at 2010年06月02日 15:16
◆よし男様
そうですか。いい道だったんですね。
私も時間が早ければ、迷わず峠越えのルートを選んでたと思います。う〜ん、残念だぁ、、、。
Posted by こうへい at 2010年06月03日 19:42
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