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2009年03月23日

四国へんろ【97】 足摺岬への道 その4

四万十川を離れ、国道321号線を右にカーブしていく。そのときだった。対向して走ってくる一台の車がスピードをゆるめ、私の歩く横に停車した。
助手席の窓がゆっくり開く。そして運転席の女性が左腕をいっぱいに伸ばして、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出してくれた。お接待である。

突然のことでやや戸惑いながらもお礼をいって受け取った。しかし先ほど熱いお茶のお接待を受けたばっかりなのに、またこうして・・・。ホントにありがたいことである。

少しして、右手に広がる風景に思わず目を見張った。小高い山の中腹に「大」の文字が見える。ナント大文字山がそこにあったのである。

大文字と言えば、京都の「大文字の送り火」が有名でる。大阪に住む私は、それを何度か見に行った覚えがあるが、この四国にもそんな慣習があったとは知らなかった。
(調べてみると、それは今から約530年前、応仁の乱を逃れてこの地にやってきた前関白・一条教房の息子(房家)が、京都を懐かしみ、父と祖父(兼良)の霊を慰める意味で始めたことらしい。)

この四国で見る大文字の送り火は、どんな感じだろう。京都のそれと比べて、かなりミニチュアではあろうが、それが行なわれる時節に合わせて、またこの地へ来て見てみたいものである。

やがて前方に大きなトンネルが見えてきた。「新伊豆田トンネル」とある。その距離ナント1620m。ひぇ〜、長い。通り抜けるのに20分はかかるだろう。しかし行くしかない。私はタオルを口に当て、トンネルの中に入っていった。

歩けども歩けども、出口が見えてこない。さすがに長い。が、このトンネルは歩道が広く、横を通り過ぎる車との間隔もけっこうあって、思った以上に安全に歩けた。しかし息苦しいことには違いない。早く通り抜けようと、やや早足で歩を進めていく。そして約18分で外に出た。はぁ〜ふぅ〜っと大きく深呼吸。

トンネルを出て少し行くと、右手に大きなドライブインがあり、その脇のベンチで小休止。そこからさらに国道321号線をてくてく歩き、下之加江(しものかえ)地区のY字路を左に進んでいく。

やがて「民宿 安宿」の看板が見えてきた。この「安宿」であるが、「あんじゅく」と読む。最初、私はこれを「やすやど」と読んでいて、名前の通りどんな安っぽい宿なんだろうとイメージしていた。誠にお恥ずかしい、失礼な話である。

この安宿を私は、足摺岬から折り返してきた際の宿として考えていた。しかし泊まるとしたら、1月1日になる。元旦に営業していてくれるだろうか。というより、今日の大晦日も営業しているんだろうか。半ば不安な気持ちで玄関の扉に手をかけた。

ガラガラ〜っと扉を開けると、数人のお客さんが食事をしていた。どうやら営業してくれているような感じである。そして奥からご主人らしき男性の声が聞こえた。

「はい、いらっしゃ〜い。」
「あ、あのぅ、今日って、、、、やってるんですか?」
「えぇ、やってますよ。」
「ほな、明日は、、、やってはりますか?」
「明日? あぁ明日もやってますよ。」
「よかったぁ。じゃぁ明日なんですけど、ひと部屋空いてますか?」
「空いてますよ。」
「あぁ、よかったぁ。じゃぁお願いします。必ず来ますから。」

元旦の宿を取り合えず確保できて、まずはひと安心。・・・と思ったのも束の間、ふとあることに気づいた。そうだ。昨夜は疲れてあっという間に眠ってしまったため、今日大晦日の宿をまだ予約していなかったのだ。歩く道すがらで、あわてて地図を開く。

今日の予定は、足摺岬まで。ここからあと22〜23qというところである。そして現在時刻は10時過ぎだったろうか。取り合えずここまで順調なペースで歩けているようだ。

幸い、足摺岬周辺に宿は多い。大晦日と言えど、どこか泊まれるところがあるだろうと、のん気にとある民宿にTELを入れてみた。

すると、満室。次も、また次も、・・・。ゲゲェッ、ヤバイぞ。

少々焦りが募りかけたが、その次の「あしずり旅館双葉」で無事予約が取れた。ヨシッ、これで大晦日と元旦の夜は、安寧に過ごせそうである。

あとは無事足摺岬に着けることを祈りつつ・・・。



posted by こうへい at 02:08| Comment(6) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
民宿 安宿。うまいなぁ。うますぎる。
屋号が名前でないならば、オーナーの心意気が感じられますな。

それにしても何度地図を見ても、足摺岬って遠いなぁ〜って思う今日この頃です。
Posted by はりQ at 2009年03月23日 10:15
◆はりQ様
屋号が名前かどうか、定かではありゃしません。
しかしそのセンスは、あんさんのほうがゼッタイ上やとわては思てます。(キッパリ)
Posted by こうへい at 2009年03月23日 22:49
私も全く知りませんでしたよ。 ここの大文字はミニもミニ、周辺に人家も少ないので山焼きのとき特別に見に行くことになるミニ大文字でしょう。  京都の大文字は街中にいて見えますね。    「安宿」は地図で発見しただけでも忘れられない宿になりますね。宿泊施設が多いということは客も多いこと。空いているという保証はありません。  ほんと、やどが決まらないと、今夜は野宿か?と不安になります。野宿覚悟でも汗臭くなり、体がかゆくなるのは耐え難いです。背中を棒で掻くと体が、”あ、こっちも! こっちも掻いて!”とばかり、掻けば掻くほど、あちこちが痒くなってしまいます。多分吹き出した塩分のせい。 この長いトンネルを通過するときは、トンネルの中央地点に気を付け、もしもトンネル内火災事故に遭遇した場合、近いほうの入口に向けて逃げるように考えていました。 無事トンネルの出口の明りが見えるとホッとしました!
Posted by よし男 at 2009年03月23日 23:20
◆よし男様
>宿泊施設が多いということは客も多いこと。空いているという保証はありません。

おっしゃるとおりでございます、ハイ。とにかく空いててヨカッタですよ。
でも私は宿泊施設が少ないところのほうが焦りますねぇ。
例えば、66番雲辺寺手前の「民宿岡田」とか、あと室戸の「民宿徳増」、「ロッジ尾崎」とかも・・・。
私はだいたい現地で前日夜か当日の昼までに予約を入れるのですが、特に「民宿岡田」だけはおへんろに出る数週間前に予約を入れましたよ。
何しろそこに泊まれなかったら、近辺に宿がないので、行程が大幅に狂ってしまいますからね。
(今は他にあるかどうか知りませんけど・・・)
Posted by こうへい at 2009年03月24日 01:14
安宿には合計三泊したことがあります。先代がアン心して泊まれるシュクということで名付けたとか。
Posted by ネコ at 2009年07月01日 09:10
◆ネコ様
安心して泊まれる宿・・・名づけて「安宿」。、、、なるほどねぇ。
すんげぇ納得してしまいました。ありがとうございました。

Posted by こうへい at 2009年07月01日 21:33
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