☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2009年03月18日

四国へんろ【96】 足摺岬への道 その3

ヤバイ。睨まれた。どうしよう。逃げようか、、、、。そして思わず立ち上がる。

いやしかし、ここで逃げるように立ち去っては、逆に怪しまれることになりかねない。とにかく今の私は、人様の敷地に無断で立ち入ってる。いわゆる不法侵入罪に当たることとなんら変わりないことをしているのだ。

また家人の人が出てきたら、とにかく謝らなければ、、、、。そうだ、せめてテーブルとイスだけでも拭いてキレイにしておこう、、、、と、頭巾のようにかぶっていたタオルを脱いで、テーブルを拭き始めた。

少しして玄関の奥にガタガタと人の気配が感じられた。
キタッ! ヤベェ! テーブルを拭きながらまた思わず立ち上がる。

とにかく「すみません。ごめんなさい。」と謝ろう。そして玄関の扉がガラガラと開いた。

「すみ・・・・・・??、、、、、ん???     えっ???、、、」

頭を下げようとした私の眼前に思いがけない情景が、、、、。

そこには、急須と2つの湯飲み茶碗を丸いお盆に乗せて手に持つ男性が立っていた。先ほど私を睨んだ男性だった。

タオルを胸の前に持ち、完全に固まる私。男性は静かに私に近づき、テーブルの上にお盆を置いた。そして男性の一言。

「おはようございます。どこから来たの?」
「えっ!、、、あ、はぁ、、あ、あのぅ、、大阪からです。」
「そうですか。まぁゆっくりお座んなさいよ。」
「ハ、、、、ハイ、、、。」

男性に促され、男性が対面のイスに座ったのに続いて、私もイスに腰を下ろした。そして、

「あ、あのぅ、すみません。勝手に休憩させてもらいまして、、、、。」
「いいんですよ。そのために置いてるんだから。」
「えっ、そうなんですか。」

話を聞いてみると、テーブル横の壁には「おへんろさん休憩所」の紙を貼ってあったらしいのだが、数日前にボロボロになったので、はずしてそのままにしてあったらしい。

男性が急須から熱いお茶を湯飲みにそそぎ、私に差し出してくれた。そして自分の湯飲みにもお茶を注ぐ。

「久しぶりですよ。おへんろさんが休憩してくれたのは。」
「そうなんですか。僕はさっき、てっきり怒られるんやないかと思いまして。」
「え?、なんでそう思ったの?」
「いや、、、あのぅ、、、その、、なんか思いっきり睨まれた気がして、、、」
「アハハハ、そうですか。いや僕も久しぶりだったんでね、ちょっとビックリして、、、。」

その男性は、先ほどとは違って、柔和な笑顔で私に語りかけてくれた。年齢は50歳前後だろうか。その目はホントに穏やかな優しい目だった。

思えば、男性のほうが驚いたというのは、無理もないことだなと思った。何しろ、今日は2006年の大晦日なのだ。そのお晦日のしかもこんな寒い早朝に、このへんを歩くおへんろさんは珍しいに違いなかった。

お茶をいただきながら、男性といろいろ話す。この男性はもともと四国の人ではなく、かつて88ヵ所を巡ったこともあって、いつか四国に住みたくなり、数年前にこの地へ移り住んできたとのことだった。

残念ながら、話した内容で覚えているのはそれぐらいなのだが、お茶のおかわりをもう一杯いただいて、しばらくの時間を男性と過ごした。そしてお礼の納め札を渡し、その場をあとにする。

最初は肝を冷やしたが、熱いお茶のお接待に身も心も暖かくなった、とてもありがたいひと時だった。




posted by こうへい at 23:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前回の続きとして、このような展開は少し予想したとはいえ、「男性はじっと私を睨んだあと・・」とあったから、違うかな?とも自信はなかったです。わたしも予期しない人と不意に出くわすと、顔が引きつります。
小さい子供は別ですよ。ところで、四万十川を越えてからは山中〜川沿いの道なので海は見えないのではなかったかな? しかしさわやかな道だなあ、と歩きながら重い荷物に苦しみながらも歩きへんろをしている幸せを感じました。
Posted by よし男 at 2009年03月19日 23:37
◆よし男様
まぁアノ男性は、私がテーブルの上にリュックと菅笠を置いていたので、おへんろさんだとはわかってお茶の接待をしてくれたんでしょうけど、一瞬は「コイツ、怪しいやつ!」と思ったのかもしれません。
そう言えばアノとき、私は寒さよけにタオルを頭からかぶってましたからねぇ。
本文にも「タオルを脱いでテーブルを拭いた」と書いてますけど、人目から見たら、タオルをほおっかぶりしてた自分はじゅうぶんに怪しかったかもなぁって、今頃思い返している次第です。

四万十川を越えてからは、確かに海を見た印象はありません。
民宿久百々の辺りで見えてるはずなんですけど、そこでも・・・う〜ん、覚えてないなぁ。
はっきり印象にあるのは、大岐海岸を歩いているときですかね。
Posted by こうへい at 2009年03月21日 21:42
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