目の前で足を組んで座っているTさん。そのTさんの履いている靴にふと目が奪われた。どう見てもまだ真新しい。そして明らかにスニーカーではなかった。
「コレ、おへんろシューズなんですよ。」
Tさんの言葉にへぇ〜っと驚いた。どうやらおへんろ専用シューズなるものがあるようだ。Tさんは、最初は普通のスニーカーを履いていたらしいが、どうも足に合わなかったとかで、今回のおへんろ中にどこかのへんろ用品店で専用シューズを買ったとのこと。値段も確か聞いたのだが、忘れてしまった。ただけっこうなお値段だったことは確かだった。
そうこうしながら、ふと時計を見ると、まだ15時30分。ココから37番岩本寺まではあと2〜3qというところだ。納経時間にはじゅうぶん過ぎるほど間に合う。そして改めてTさんYさんの顔を見つめ、その元気あふれるパワーに感心しつつ、自分が年をとってもこのお2人のようにかくありたいなぁと思った。
しばらくの休憩後、さて行きましょうかということで道の駅をあとにする。やがて呼坂トンネルを抜け、JR土讃線に沿って歩いていると、変形の三叉路の交差点にたどり着いた。そこでYさんが三叉路のひとつを指差し、
「あ、ココだ、ココだ。あの道を行けば、もうすぐ岩本寺ですよ。ココ懐かしいなぁ。」
岩本寺へ続くのどかな町並みをてくてく歩く。少しして私が今日泊まる「美馬旅館」が見えてきた。
「僕、今日ココに泊まるんですよ。」というと、
「そうですか。私は○○っていうところです。」「私は△△です。」とTさんYさんがそれぞれの旅館名を言う。名前は忘れたが、3人とも違う宿だった。
「あ、見えてきましたよ、岩本寺。」
Yさんが真正面に指差す先に岩本寺の山門が目に入った。そして岩本寺に到着。時刻は16時を少しまわったところ。自分としては、思いのほか早い到着だった。
3人揃って山門をくぐる。境内の中は、けっこうな数のおへんろさんや参拝客で賑わっていた。そのすぐ左脇に手洗い場があり、そこに見覚えのあるおへんろさんがひとり・・・。よく見ると、Sさんだった。また互いに顔を合わせてニッコリ。
Sさんは、いっしょに大坂遍路道を歩いているときに、今日は佐賀温泉まで行きたいようなことを言っていたのだが、なんか面倒くさくなって、この周辺の宿を取ったとのこと。その宿は、私たち3人ともまた別の宿で、結局宿は全員バラバラということになった。
それぞれに参拝納経を終え、再び山門前に4人集合。そして互いに「ありがとう。お気をつけて。」の言葉を交わし、それぞれの今日の宿へと向かっていったのだった。
でも、「あぐり」は「アグリ」(醜い)と言う意味もあるので、日本語として
流用することには反対です。
たぶん「農業」の英語{agriculture]のつもりで使っているのでしょう
けれどね。こんな名づけをした人の心がアグリだ!
ここの駅「窪川」 が「久しぶりに」立派なたたずまいだったので驚きました。
かなりの観光地なのでしょうね。宿泊施設も多いです。
あぐり・・・そうですねぇ。なぜに「あぐり」なのか。
言われるまで気づいてませんでした。(汗)
まぁでも醜い(ugly)の発音は、「アグリィ」でしょうから
決してそういう意味じゃないだろうってことでヨシとしておきましょう。