☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2009年02月26日

四国へんろ【89】 岩本寺へ その3

身支度を整えて、へんろ小屋を出た。

100mぐらい先にTさんとYさん、少し遅れてSさんの姿が見える。その3人のあとを追うように歩いていく。
やがてSさんが、TさんYさんを追い抜いていった。やはり速い。私はと言えば、取りあえず自分のペースで歩いていた。

そして私はあるときふと、前を行くTさんYさんとの距離が、あまり縮まっていないことに気がついた。
うしろから見ていると、2人とも背筋がしっかり伸びて颯爽と歩いている。その足取りは、とても72歳とは思えないほど軽やかだった。大坂遍路道では、Sさんに引っ張られていっしょに前を歩いていたので、2人がこんなに元気だとは気づいていなかった。

取りあえずは、あの2人に追いつこうと、少しピッチを速める。それからしばらくして、なんとか2人には追いついた。しかしSさんの姿は、そのときはるか遠くに消えていた。そしてTさんYさんに話しかける。

「しかしお2人ともお元気ですねぇ。もう追いつくのに必死でしたよ。」
「いやいや、私らももうすぐバテますよ。」(Tさん)
「17時までに岩本寺に着きますかねぇ?」
「そりゃ着くでしょう。じゅうぶんですよ。」(Yさん)
「・・・・・(えっ?)・・・・・」

このときの時間はよく覚えていないが、当の私は、今日は別に17時の納経時間までに間に合わなくてもいいやみたいなノンビリ気分でいたために、Yさんの自信たっぷりな「余裕で17時までに着きますよ発言」には、ちょっと驚かされた。Tさんもその言葉が聞こえていたはずだが、何食わぬ涼しい顔で歩いている。

それならということで、私は取りあえずこの2人をペースメーカーにしていっしょに歩いてみようと考えた。
(しかし40代の私が、70代の2人について歩こうというのも、ちょっと情けない話ではあるのだが・・・。)

国道56号線を3人連れ立って、てくてくと歩いていく。しかし2人にはどこかで休憩しようとかいう雰囲気が感じられない。ホントに元気だ。スーパー72歳である。

しばらくして左手にコンビニが見えてきた。少々小腹が空いてきた私は、何か胃袋に入れたくて、「僕はちょっと腹が減ったので、コンビニに寄っていきます。」というと、TさんYさんも「じゃぁ、私らも。」といって、いっしょにコンビニについてきた。

そこで私は菓子パン2つと牛乳を購入。TさんYさんも何かペットボトルを買っていた。ここで私ひとりだったら、コンビニ駐車場の片隅にでも座ってパンを食べながら一息入れていただろうと思う。
しかしTさんYさんは、コンビニを出るや休憩するような素振りをいっさい見せず、先へ先へと歩いていった。それを見て私もあれあれと思いながら、パンをかじりつつ牛乳を飲みつつ、2人のうしろを歩いていく。

2人が休憩している姿は、土佐久礼のへんろ小屋でSさんといっしょに休んでいたところしか見ていない。しかしどこまで元気なんだ、この72歳コンビは・・・。

37番岩本寺へ向け、快調なペースで国道56号線を歩いていく。しかしこのときの私が、この2人に引っ張られるような形で歩いていたのは間違いなかった。

それからどれくらい時間が経ったかよく覚えていないが、やがて前方に「道の駅 あぐり窪川」の看板が見えてきた。そしてYさんが一言。

「あそこでちょっと休憩していきましょうか。」

やった〜。やっと休憩だぁ〜。
そのときのYさんの一言は、私にはまさに鶴のひと声に聞こえたのだった。


posted by こうへい at 00:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
四国でお遍路するお年寄りは、本来健脚自慢の人ばかりではないかと思うことがあります。それとも、12番札所焼山寺までに淘汰されてしまうのでしょうか? つまり、これは大変だ、おれはもう年だ、止めとこう、とリタイアするのか? それとも昔の軍事教練で基礎体力が残っているのか? 私はマイペースで、という主義、建前を守って、自分がどれだけ速く歩けるか試したことはありません。むしろ沿道にある神社などにも興味を引かれ立ち止まっては由来などを調べるようにしています。また植物、昆虫にも関心があります。特に高知は牧野富太郎を生んだほど植生が特別ですから。(本当は、私は頻繁に休みたくなるから道草をするようになったのかも知れません。)(^ー^;)
「道の駅 あぐり窪川」でも休んで、お接待でもらって運んでいた文旦(高知にしかない?)を食べて荷物を軽くしましたよ! 厚皮を捨てて実を腹に入れれば荷物でなくなるわ! 初めての歩きへんろでは、何かと道に迷うので到着までの時間が予測できません。その点2回目以上になると予測が付くのではないでしょうか?
Posted by よし男 at 2009年02月26日 22:23
◆よし男様
おへんろさんが100人いれば、100人それぞれのおへんろの形があると思います。
よし男さんにはよし男さんの・・・。それでいいんじゃないですかね。

まぁ私は、どちらかというと、相手やその場の状況に合わせていくタイプなので、こんな歩き方になってしまったのかもしれません。
TさんYさんとのかけ連れは、それはそれでとても楽しいものでありました。
Posted by こうへい at 2009年02月27日 22:25
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