☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年12月30日

四国へんろ【70】 ダメダメへんろ

やっとの思いで出会えた赤いへんろ札。これをいったいどこで見逃したんだろう。まぁ雨足も強く、道もぬかるんでいたので、きっと足元のほうに気を取られ過ぎていたのかもしれない。

幸い、雨足も少し弱まってきたこともあり、もう二度と見逃さないぞと、しっかり周囲を確認しながら山道を下っていく。
が、ココからは地図通りの一本道だった。それからはまったく迷うこともなく、ほんの10分ほどで国道55号線に下りることができた。

すぐ近くの「道の駅 キラメッセ室戸」で小休止。ホッと一息をつく。その間にもどんどん雨足は弱まってきて、ポツポツ雨になってきた。ヨシヨシ、いい感じだ。おてんとさんよ、このまま泣き止んでおくれよ。
時計を見ると、すでに8時をまわっていた。そして地図を開いてルートを確認する。ココから27番神峰寺までは約27q。けっこう遠いなぁ。

前日の夜には、今日の宿として、神峰寺のふもとにある『浜吉屋』に予約を入れてある。よって、宿の心配は取り敢えずない。ただ予定では、浜吉屋にリュックを置かせてもらい、身軽な格好で「土佐のまったて」に挑むつもりでいたのだ。果たしてそれができるだろうか。

やっとこさ神峰寺に着いたとしても、納経時間に間に合わなければ、翌日に再度「土佐のまったて」を登らなければならない。それだけは避けたかった。
取りあえずこれから浜吉屋に向かうしかない。そして今日「土佐のまったて」にアタックするかどうかは、宿に着いてから判断しよう。そう考えて私は腰をあげ、国道55号線を歩き出した。

しかし歩き出してしばらくしてから、再び雨足が強くなってきた。おいおいまたかと思いつつ、うらめしそうに空を見上げる。やがて再びのドシャ降りにもなってきた。その中を黙々と歩き続ける。

この雨ではちょっとの小休止もままならない。どこもかしこもズブ濡れなので、うっかり座ることもできないのだ。晴れていれば、道端であろうとベッタリへたり込めるのだが・・・。そしてドシャ降りの雨に、歩くペースが徐々に落ちていく。

雨風を避け、座って休憩できるところがどこかにないだろうか。へんろ小屋らしいものも見当たらない。とにかくそればかりを探しながらなんとか歩き続ける。

そしてどれくらい歩いたかよく覚えていないが、右手にとあるうどん店が目に入った。看板には、うどんダシの水に「海洋深層水を使用」と大きく謳っている。うどん好きな私は、その「海洋深層水」という名前にも惹かれて、そのうどん店にヨロヨロと吸い寄せられていった。ちょうど小腹もすいてきている。それより何より休憩を入れたい。ということで、迷わずそのうどん店に入ることにした。

そして入口の軒下でポンチョを脱ぎ、邪魔にならないところにひっかけて、店内に入った。テーブル席について、ホッと一息。まだ10時頃だというのに、もう精魂尽き果てかけていた。

取りあえず今日の神峰寺行きはやめようか。だいたいこのドシャ降りの雨だし、その中で「土佐のまったて」登るのもキツイしなぁ。そうだ、やめようやめよう。無茶なことだ。それに今からじゃたぶん納経にも間に合わんだろう。そうだ、やめようやめよう。早く浜吉屋に着いて、あったかいお風呂をいただこう。そうだそうだ、そうしよう。

そして注文を取りに来たおねえさんに

「え〜っと、きつねうどん!、、、それと〜、、、すいません、ビールも1本お願いします!」

運ばれてきたビールをグイッとあおり、ホロ酔い気分のいい時間が流れていく。
そして「あ〜あ、今日はもうやってられっかい!」と完全なダメダメへんろに変身していた私に、トイレから出てきた店員さんらしい30代ぐらいの女性が話しかけてきた。

「今日は、これから神峰(こうのみね)までですか?」
「え?あぁ、そのつもりでしたけど、今日はちょっと無理でしょう。この雨やしねぇ。」

そう答えると、その女性はかすかに微笑んで奥座敷のついたての陰に消えていった。

すっかり腑抜けモードの私。ビールとうどんをゆっくり口に運んでいると、驚いたことにその女性がおへんろさんの格好をして、ついたての陰から出てくるのが見えた。そしてもう一人男性へんろさんも出てきて、どうやら二人は夫婦らしかった。

思わず目が点になる私。この女性は店員さんだと思っていたら、歩きへんろさんだったのだ。そして女性は靴紐を結びしめて立ち上がり、「それじゃぁ・・・」と言って私のほうに向いてニッコリ微笑んだ。

「あ、あのぅ、まさかこれから神峰まで、、?、、」と問いかけると、
「えぇ、そうです。」
「・・・・・・ハ、、、ハア、、、そう、、デスカ。、、、」

うしろを振り返りながらその夫婦が店外に出て行くのを見送る。そして前を向き、目を大きく見開いたまま、テーブル上のうどんの器をじっと見つめる。

(あんなか弱そうな女性が、これから神峰寺を目指すという。・・・なのに俺は、、、)

軽いショックに一瞬で酔いが覚めた。そして私は、急いで残ったビールとうどんを腹の中にかき込んだのだった。


posted by こうへい at 01:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。
Posted by なお at 2009年04月12日 10:14
◆なお様
コメントありがとうございました。

、、、、ふぅ、、、それにしても疲れたなぁ、、、、
実はちょいと長めの出張(横浜方面)に出てまして、今朝の真夜中に帰ってきたばかりで体調がイマイチでございます。
これがまた年月日ともトリプル大凶方位への出張でして・・・。

ブログも早く更新しないとと思いつつ、、、、。
楽しみにしてくださってる皆様、すみません。
もう少々お待ちくださいませ。

Posted by こうへい at 2009年04月13日 00:17
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