☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年12月12日

四国へんろ【65】 無念のリタイア

なまはげおじさんを見送ったあと、なんとか気力を振り絞って参拝・納経を終える。

そして最御崎寺をあとにして、本堂の脇を通り、奥へ進んで階段を下りていくと、お寺の広い駐車場に出た。そこから右へ左へと交互に大きく蛇行するアスファルト道を下っていく。

この道から眼下に広がる雄大な太平洋と室戸市街の風景がこれまた実に素晴らしく、ときに立ち止まっては、その風景をじっくり眺め入った。

下る途中、下から自転車を押しながら登ってくる数人の自転車へんろさんとすれ違った。皆、かなりの荷物を積んでおり、この大きく蛇行する上り坂にバテバテ状態である。

「あとどれぐらいですかぁー?」
「もう少しですよー。頑張ってー!」

ヘトヘトの自転車へんろさんとすれ違うたびに、そんな同じ言葉をかけ合った。
だが、この道も上りは上りでキツイのだろうが、下りもまたキツイものがある。別にマメの痛みで右足を引きずっているつもりはないのだが、無意識に右足をかばっていたのだろうか、いつの間にか左足の、特に膝周辺にも痛みを感じるようになっていた。

やっとの思いで坂道を下りきり、再び国道55号線に出た。

さて、次の札所である25番・津照寺までは、ここから約5qの平坦な道のりである。なんてことのない距離ではあるが、、、、、私の気力は、、、。

(行かなければ、、だが、もうこれ以上歩きたくない、、いやしかし、、、。)

心の中で葛藤しつつも、私の足は知らずのうちに、津照寺とは逆方向へ歩き出していた。そう、つまり、このときの私の気力はここで完全に萎えていたのだった。

10分も経たないうちに室戸岬の先端に着いた。しかし思いのほか感動がない。あれほど楽しみにしていた室戸岬なのに・・・。

どうも感動より足指の痛みがまさっていたようだ。周辺を観光してみようという気力も湧かず、バス停近くの日陰にへたり込んで、ボンヤリとバスが来るのを待ち続けた。

時刻は正午頃。腹も減っているはずなのに、バスが来るまでの間に食事をしようという気力もない。まったく腑抜け状態だった。

やがて来た甲浦行きのバスに乗り込む。そして窓辺にもたれながら、自分が歩いてきた道をボンヤリ眺める。

途中、数名の歩きへんろさんを見かけた。ふとA君のことを思い出し、その姿を探してみる。しかし、その中にA君の姿は見当たらなかった。A君はどうしているだろうか。あれからも歩いているんだろうか。

甲浦駅には約1時間弱で着いた。ほぼ一日がかりで歩いてきた道のりをたった1時間で、、、さすがに速いものである。そして甲浦駅からは電車を乗り継ぎ、16時過ぎには徳島駅に着いた。

さて帰りのバスチケットであるが、明日帰る便を予約して持っていたので、それを高速バスの窓口で払い戻す手続きをした。払い戻し分は、若干の手数料を差し引かれ、後日、私の銀行口座に振り込まれるとのことだった。

その後、今日これから大阪へ帰る便をたずねると、今日の分はこのあともすべて満席とのこと。さらに、京都や神戸・三宮行きのほか、関西方面への便もすべて満席だった。

考えてみれば、この時期はお盆休みの真っ只中である。特に徳島では阿波踊りなどの観光イベントもあったので、それは仕方ないことでもあった。

まぁバスがなくても、フェリーで和歌山に渡り、そこからJRで、、、あるいはココからJRで岡山へ出て、そこから新幹線で、、、。いろいろ手段はある。
多少出費はかさんでも、今日中に大阪へ帰ろうと思えば帰れるさ。あたふた慌てることもない。そう思いながら、トボトボ歩き、駅前デパートの壁にもたれてへたり込んだ。

さてどうやって帰ろうか。しばらくボンヤリと物思いにふけっていると、横断歩道をはさんで向こう側に、ひとりの女性がしきりに何か私に訴えようとして立っているのが見えた。先ほどの高速バスの受付窓口の中にいた女性だった。

何だろうと思っていると、その女性は信号が青になるや、小走りで横断歩道を渡り、私のもとに駆け寄ってきた。そして、

「あのぅ、キャンセルが出たんですけど、どうされますか。次の三宮行きなんですけど、、、」

思わぬ申し出に驚いたが、私に伝えようとわざわざ探しに来てくれたその女性に感謝。なんともありがたいことだと受け止めて、お願いすることにした。
そしてその後は無事に神戸・三宮経由で大阪へと・・・。

こうして私の3回目の区切り打ちは、途中リタイアという情けないカタチで幕を閉じたのであった。


posted by こうへい at 22:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
疲れ切った状態が、とてもよく表現されています。通常はブログ
に書かれてある内容は、札所の境内での写真と無事到着したこと
が多く、苦労したことが「欠け」ています。 苦労したことは
「書け」ないようです。(帰宅して精神的に完全に回復して苦労
を忘れてしまうのかな?) ホント、疲労コンパイしていると観
光気分も失せます。 それでも、この室戸岬の海岸遊歩道を少し
歩いてみようと海岸に降りたところ、石ころがデコボコ道を作っ
ていて、ただでさえ皮がむけた足裏が痛いの、なんのって悲鳴を
上げたくなり腹が立ちました。後で冷静になり考えると自然に近い
状態の凸凹道にしているらしい。

キャンセルが出て追っかけて来てくれたこと、なんとすばらしい
経験でしょう! 電話予約だったり、予定が変わったりして、キャ
ンセルは出るものなのですが、バス会社などは、保証するわけにも
いかないので、希望を持たせてくれるようなことは、言わないの
でしょう。
Posted by よし男 at 2008年12月13日 20:35
◆よし男様
もう完全に腑抜けでしたね。
そう言えば、海に沈む夕日を拝むことさえ忘れてました。

キャンセルが出て追っかけてきてくれたのは、私への精一杯のお接待だったのかもしれません。
白衣は脱いでいましたが、杖と菅笠をもっていたので、見つけやすかったとは思います。
ホントにありがたかったです。
Posted by こうへい at 2008年12月14日 10:55
もろもろ失礼しておりますm(__)m

ROM気味でしたが、折角の「室戸岬」に感動出来なかった由、
ワタクシは足摺岬で同じような感慨を得ましたので、
とても共感を覚えました。

キレイ事では済まない「体験」、これも歩き遍路の醍醐味ではなかろうかと再認識するのでありました。

でわでわ♪
Posted by コイケダ at 2008年12月15日 22:23
◆コイケダ様
これはこれはよくぞおいでくださいました。

よぅお越しぃ〜、岩おこしぃ〜 ♪
(あなたならこのフレーズ、知らん!とは言わせませぬぞよ)

そうでっか、そうでっか。足摺岬で、、、そうでっか。
そうゆう私は足摺岬でではですね、、、、っとと、思わず言いかけてしまいましたが、そのことはまたこのブログに書きますので、ハイ、、。

P.S.きがくぶろぐ読者の皆様へ
更新のほう、ちょっと遅れます。えろぅ忙しゅうて、、、。
すんませんどす。
Posted by こうへい at 2008年12月16日 00:53
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