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2008年11月21日

四国へんろ【58】 修行の旅の始まり

四国4県に点在する88ヵ所の内訳は、以下の通りである。

   徳島県(発心の道場) 23札所 約220.5q
   高知県(修業の道場) 16札所 約383.4q
   愛媛県(菩提の道場) 26札所 約359.7q
   香川県(涅槃の道場) 23札所 約152.8q

これより歩く高知県を見ると、札所数はもっとも少ないが、行程距離はもっとも長い。歩くことそのものが修行と言われる四国へんろ。高知県が「修行の道場」と言われるのもうなづける。これから本当の意味での修行の旅が始まるのだ。

高鳴る胸を抑えつつ、55号線をひたすら歩く。やがて甲浦(かんのうら)トンネルを抜け、少し行くとコンビニ(Yショップ)があった。時刻は10時ぐらいだったろうか。昼食の調達に店内に入った。

入ってみると、店内は人でいっぱい。レジには長蛇の列ができていた。それもそのはず、このすぐ近くに海水浴場があり、店らしい店はココしかないようだった。

おにぎりやお茶などを買い、店を出た。さて適当な休憩場所がないだろうか。
と思っていると、この近辺に立ち並ぶ数件の宿のうち、とある一軒の宿の軒先に「おへんろさん休憩所」の看板があった。

(いいところに休憩所があるじゃないか。ありがたい。ここでおにぎりを食べよう。)

・・・・と思って近づこうとしたら、水着姿の若者たちが数名その休憩所を陣取っているのが見えた。つんのめりそうになりながら、立ち止まる。

思えば夏真っ盛りの海水浴シーズンである。すぐ裏には海水浴場も広がっている。ということで、さすがにこのおへんろ姿でたった一人、海水浴の若者たちの間に入って休憩する勇気はなかった。

迷わずに引き返し、55号線沿いを再び歩き続ける。

少し行くと、歩道にベッタリへたり込んでいる若者へんろさんが見えてきた。すぐそばには、その若者へんろさんの肩に手を置き、何やら話しかけているおへんろさんが、、。

その話しかけているおへんろさんは、ナントなまはげおじさんだった。

近寄って何事か聞いてみると、そのへたり込んでいた若者へんろさんは、持ち金が底をついて途方にくれているらしい。そして昨夜からは何も食べていないという。なまはげおじさんが言うには、自分の持っていた饅頭を若者にあげたところ、むさぼるように食べたとのこと。

しかし、このなまはげおじさん。顔は秋田のなまはげみたいで迫力あるコワイ顔なのだが、A君のときといい、困っている若者を見るとほっとけないようで、根は本当に心優しいおじさんなんだなと思った。

そしてへたり込んでいた若者がポツリと一言・・・。

「俺、これから托鉢しながら歩きますワ。」

(托鉢って、、オイオイ・・・。)

このシーンであるが、残念ながらここまでしか覚えていない。
その若者はあのあとどうしただろうか。ホントに托鉢しながら・・・・・う〜ん、、。

それからしばらくして55号線を少しはずれ、野根(のね)の集落に入る。そして集落を抜け、野根川にかかる橋を渡った突き当たりにお地蔵様の祠があった。そのひさしの陰になるところに座って昼食休憩。

時刻はちょうど12時頃。今朝までの雨が嘘のように晴れ渡り、強い太陽光線が降り注いでいる。思えば夜中の3時頃から歩き始め、ここまで約26q。疲れも相当きていた。

足指のマメもテーピングでケアして宿を出たのだが、それでも痛みがある。テーピングをしているのに痛いのか、テーピングのおかげでこれだけの痛みで済んでいるか。それはわからない。

そして昼食を終え、膨らんだお腹と疲労感からか、猛烈な眠気に誘われ、目を閉じた途端に眠りに落ちた。

座ったままどれくらい眠っていたのだろうか。ブルルーンというエンジン音に目が覚めた。見るとすぐ横にバイクが止まっていて、郵便配達をするおじさんが目に映った。

寝ぼけまなこの私に郵便屋さんは、、

「すいません。起こしてしまいましたかね?」
「あ、いえ、、、、。」
「暑いのに大変ですね。頑張ってください。」
「ハイ、ありがとうございます。」

そんなありがたい言葉をかけてくれた郵便屋さんは、ニッコリ微笑んだあと、バイクに乗って走り去っていった。

ヤバイヤバイ。このまま眠り込んでいたら、今日の宿に着けなくなるところだったかもしれない。

郵便屋さん、起こしてくれてありがとう。
そんな感謝の意を込めて、私は去り行く郵便屋さんに静かに手を合わせたのだった。


posted by こうへい at 00:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まさに23番札所から間隔が長い道程が続きますね。
地図を見ただけでひるみます。

食べるのも困る状態とは!・・・想像しにくいです。
季節が夏、秋ならば山側に落下したミカンが多くあります。
できるだけ、ことわって拾うと食べられます。
農家の人も売れないし、利用してくれたら喜びます。
誤解を避けるために、明らかに少し痛んだミカンだけ
を拾いましょう。そして農家や地元の人に見える状態
で食べる、収納するのです。

野根川に掛かる橋は旧橋のことですね。向う側には
いなかに似合わない名前の喫茶店があったと記憶し
ていましたが、今年確認したら「あゆ」になってい
ました。(?)
疲労と食後の日差し・・・・体が休息を要求します!
Posted by よし男 at 2008年11月25日 04:19
◆よし男様
その若者へんろさんが、どれだけの資金をもって四国へ来ていたかは定かではありません。ただお金がなくなって途方に暮れていたことには間違いないようでした。
そう考えたら、A君はどうしただろうか。無事結願できただろうか。
今になって、ふとA君のことが思い出されます。
Posted by こうへい at 2008年11月25日 21:29
資金なしの歩きへんろは本来の姿ではあります。
私が出合った本物の歩きへんろさんは、一人は
片足が不自由で托鉢で得た小銭をビールに使おうか
賽銭に残しておくべきか、迷うと言っておられました。
体が臭いといわれると苦笑しておられる多分前科の
ある償いの修行のようでした。もう一人は生米と塩
さえあればなんとかできると野宿の旅でした。
お接待で昼食分の食べ物をいただくことはありますが、
3食となると期待できないのではないかと思います。

今回のお二人が無事歩き通せたことを祈らずには
おれません! (南無遍照金剛)
Posted by よし男 at 2008年11月30日 00:04
◆よし男様
資金なしでですか。
確かにそうなんでしょうけど、この現代にそれをする人っているんですかねぇ。
そう言えば、ココ20〜30年の間で、最少の手持ち資金で四国を一周した人って、いくら持ってまわったんでしょうね。
さすがに0円、、、、てな人はいないと思いますけど、、、。
すごく興味あるなぁ。

そうそう、ちなみに私は托鉢じゃないですけど、お接待で紙に包んだ5百円玉を一枚いただいたことがあります。
さすがにこれは使えなくて、紙に包んだままうちの仏壇に納めてあります。
Posted by こうへい at 2008年11月30日 01:55
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