☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年11月18日

四国へんろ【57】 長いトンネルを抜けると

真夜中の国道55号線をただひたすら歩く。 、、歩く、、歩く、、歩く、、、。
左手に打ち寄せる波の音を聞きながら、ただひたすらに・・・。

やがて夜明けのときを迎え、海部(かいふ)の中心街を通り抜けていく。
そして完全に夜も明け、宍喰(ししくい)の町に着いたのは7時頃。この頃にはすっかり雨もあがっていて、雲間から青空も見えるようになっていた。

ココ宍喰にも大きな道の駅があった。その名も「道の駅 宍喰温泉」。
名前の通り、そこには温泉施設があり、大きな宿泊施設も併設されているようだ。

取り合えず寄ってみようと、玄関ロビーに近づくと、見覚えのある顔と目が合った。それは牟岐警察前の無料接待所にいた仲代おじさんだった。

仲代おじさんもすぐ私だとわかったらしく、目が合うなり「やぁ〜、いらっしゃ〜い。」と笑顔で迎えてくれた。
そこにはほかに、A君ではない別の若者へんろさんと、なまはげおじさんもいっしょにいた。

互いの再会を喜び、ひとときのおしゃべりを楽しんだあと、私は道の駅の大きな建物のなかを少し見てまわった。
そして戻ってきて、仲代おじさんに話しかける。

「ほな、僕はそろそろ行きますけど・・・。」
「あぁ、気をつけて。行ってらっしゃい。」
「アレ?まだこちらにいらっしゃるんですか?」
「いや〜、私はお風呂に入りたくてね。さっきからずっと待ってるんですよ。もう入りたくて入りたくて。」

どうやら仲代おじさん、ここ数日、風呂に入っていないようである。聞いてみると、宍喰温泉は、宿泊客以外の入場は、8時からとのことだった。

「それではお先に・・・またどこかで・・・。」
そう声をかけて、私は再び一人になって歩き出した。

やがて水床(みとこ)トンネルという長〜いトンネルに差しかかる。その長さは600m以上もあった。

時刻は8時を過ぎ、この頃には車の往来もけっこう頻繁にある。となると、少なくとも5〜6分は排気ガスの充満する中を歩かなければならないだろう。

そして私は首にかけていたタオルをたたんで鼻と口にあて、トンネルの中に入っていった。

下を向き、足元から2mぐらい先の歩道を見つめながら、黙々と歩く。ときおり顔を上げては、徐々に出口に近づいているのを確認する。あと少しだ、あと少しだ。

そして長いトンネルを抜け、ふと見上げると「高知県」「東洋町」という標識が目に入った。
それを見て、思わず握った拳に力が入る。


(おおぉぅ!! ヨッシャーーー! キターー!!)


「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」とは、川端康成の有名な『雪国』という小説の冒頭部分であるが、「雪国」を「高知県」に置き換えると、このフレーズがまさしくピッタリくる、そんな瞬間だった。

発心の道場(徳島県)を無事歩き終え、これより修行の道場(高知県)に入る。
その喜びと期待感に、私の胸はすこぶる高鳴っていた。


posted by こうへい at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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