☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年11月07日

四国へんろ【55】 愛すべきA君 Final 〜そして別れ

A君の足は、表側もところどころ皮がむけていた。
こりゃ痛いはずである。よくこんな足で歩いて、いや歩けていたものだと思った。

「A君、テーピングは?」
「してましたよ。」
「ホンマか、これ・・・」
「でも適当なんで・・・」
「君、陸上部なんやろ?」
「ですけど、よくわかってないんです。」
「しかし、ア、、チャ〜・・・」

内妻荘のご主人もそれを見て、「こりゃまたひどいな」とあきれ顔。

それからご主人を交えてのおへんろ談義も始まり、和やかな夕餉のときは徐々に終わりに近づいていった。
そして私はまた明朝早くに出発することにしていたので、先に精算を済ませ、ごちそうさまということで席を立った。

部屋に戻って地図を開き、明日のルートを確認する。
そして、(明日も早い。そろそろ寝よう)と電気を消し、ふとんに入った。

それからしばらくして私の部屋をノックする音が聞こえた。
 、、、 コンコン 、、、 「ハイ!」

「・・あのぅ・・」

その声は明らかにA君だった。
電気をつけ、ドアを開けると、A君が缶コーラを手に持って立っていた。

「どないしたん?」
「いえ・・・あのぅ・・明日早く出発するんですよね?」
「うん・・・そやけど・・・」
「これ、、、」といって、私に缶コーラを差し出すA君。

「え?どないしたん?」
「いろいろお世話になったから・・・」
「えぇー!、、そんな気ぃつかわんでもエエのにぃ、、、」
「ホントにありがとうございました。」
「おいおい、A君、お金もないやろにこんなことして、もう、、、」

A君は、明朝かなり早く発つ私に、朝早く起きては見送れないと思って、今こうしてドアをノックしてくれたのだった。

そしてドアを開けたまま、A君としばらく立ち話。
A君は、どうやらまだアノ足で、歩けるだけ歩いていくつもりらしい。が、なんとなく自信なさげでもある。そして最後に、、、、

「そやから、俺がいま君やったら、たぶん明日にでも北海道帰ると思うワ。」
「、、ハァ、、、。」
「けど、それが正解やてゆうてるわけやないデ。俺やったら、たぶんそうするやろなぁってことやからナ。」
「、、ハイ、、、。」
「もしかしたら、君の足見て、あぁ、そんなん大丈夫大丈夫、ってゆうてくれるやつもおるかもしれんしナ。それはワカラン。」
「、、ハイ、、、。」
「まぁでも、君はまだまだ若いんやし、これからなんぼでもやり直しできるから、もっと無茶して思いっ切り痛い目に遭うのもエエかもナ。フフフ(微笑)。」
「フフフ(微笑)。」
「苦労したくて四国へ来たんやもんナ。」
「ハイ、、、。」
「けど、今でもじゅうぶん痛いんやろ?」
「、、、、痛いです。」
「フフフ(微笑)、、正直やナ、ホンマに、、。」
「フフフ(微笑)、、、。」
「まぁ今日ひと晩、そのへんのことも、よう考えぇナ。、、、ナ。」
「ハイ。わかりました。」
「ほな、俺は寝るワ。コーラありがとナ。大事に飲ませてもらうから。」
「ハイ、ありがとうございました。」

そしてA君とガッチリ握手。

「ほな、おやすみ。、、、元気でナ。」
「ハイ、おやすみなさい。」

ドアを閉め、再び電気を消し、ふとんに入った。そして静かに目を閉じる。

(A君・・・ホンマに面白いやつやったなぁ・・・いろいろ楽しませてもろた・・・けど、要らんことゆうたかなぁ・・・あ〜あ、、、・・・まぁ無事を祈るしかないかぁ・・・頑張れよ、、、A君。・・・見送ってくれて、、、ありがとうナ・・・)


ほんの少し目尻が潤んだ内妻荘の夜だった。


posted by こうへい at 23:51| Comment(16) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
足の表まで剥けているとは、どういうことでしょうね!通し打ちと
なると、治癒するのを待たねばなりません。治癒しないまま歩くと
黒くなり、完治するまで数ヶ月かかりそうです。足底の皮は改めて
固くなり、更に水泡ができてそれがさらに剥けてくるでしょう。
これが通し打ちのキビシイところ。 風邪を引いて4日も同じ箱形
バス停で逗留している年配の歩きへんろさんに遇ったことがあります。

1本のコーラ・・・、精一杯のお礼の気持ちでしょうね。
下段蹴りのキックを執拗に受けた格闘技の選手は、闘争力、気力が
あっても、足がいうことを聞かなくなり、じつにくやしい思いで、
敗北するそうです。 似たような心境になるでしょう。
「大和魂」だけは思い通りに行かない世界もあります。
そういう私もいよいよ歩きへんろ再開です。今回は短期間で済ます
予定です。春までに体力をつけて、春が本番と考えて。
Posted by よし男 at 2008年11月08日 21:48
◆よし男様
>足の表まで剥けているとは、どういうことでしょうね!

おそらくテーピングの仕方がまずかったんじゃないでしょうか。
実は私も下手にテーピングして、表側の親指の付け根のあたりの皮がむけたことがあるんです。

A君劇場、これにて完結です。以後、残念ながらA君と出会うことは二度とありませんでした。
私自身、A君に何かしてあげたといった思いはまったくないんですけど、A君という人間には、私にも、仲代おじさんにも、なまはげおじさんにも、そうさせてしまう何かがあったんだろうと思います。
でも最後のA君の気遣いには、ほんとにジ〜ンときました。

春にはおへんろ再開ですか。頑張ってくださいね。
Posted by こうへい at 2008年11月09日 00:26
A君にとって、へんろ歩きは一生忘れられない
先取りの苦労であると確信します。
買ってでも行なった若いうちの苦労でした。
地味ですが、四国の地図を見るたびに、へんろの
経験をなつかしく思い出されることでしょう!!

私は、今週中に四国入りをします。
初めて行楽季節に合わせての歩きへんろです。
増強した体力がどれだけ発揮できるか確認です。
現在のところ16Kgまで背負えるようになりました。
自宅周辺の起伏あるルートでは、4時間ほど歩きました。
だからと言って、1日9時間歩けるとは限りません。
他の要素(気温、風、風邪、足場の悪さなど)が影響します。
連日歩くと疲れが回復するかどうか未知です。
このブログは数日に1回は読めると思います。
Posted by よし男 at 2008年11月09日 22:11
◆よし男様
今週中に四国入り!?、、、、、そうでしたか。
すみません。先のコメントで書かれていた意味を取り違えてました。
来春、本格的に再開にするための予行演習みたいな感じで、このたび四国へ行かれるのですね。

短期といっても、よし男さんのおっしゃる短期は、私からすれば、短期じゃないような気がしますね。
ちなみに私の考える短期は3日間でして、10日も歩けばじゅうぶん長期になりまする。(汗)
Posted by こうへい at 2008年11月09日 23:12
約1週間の予定です。
足裏の皮が無残に剥けたら、      はい、それまでよ!
Posted by よし男 at 2008年11月10日 18:58
◆よし男様
>約1週間の予定です。

ハイ、これまたじゅうぶんに長期でございます。(キッパリ)

ちなみに今回は、どのへんを歩かれるのでしょうか。
朝夕はかなり冷え込む季節になってまいりましたので、
お風邪など召されぬよう、元気に歩いてきてくださいませ。


Posted by こうへい at 2008年11月10日 22:52
足摺岬の次を打つべきですが、札所間の距離が長いこと、
および体力に自信がないので、跳ばして愛媛で・・・。
横峯さくらちゃんは一昨日の雨で、下りが危険ではないか
と敬遠し、天候の様子を見ながら西条、新居浜を歩いてい
ます。新居浜あたり〜三角寺・雲辺寺のコースでアドバイスを
いただけたら、うれしいです。
(新居浜ネットカフェより)
Posted by よし男 at 2008年11月17日 21:49
◆よし男様
いま新居浜あたりなんですね。
しかし横峯さくらちゃんって、あの女子プロゴルファーのですか?
私もゴルフ好きでして、彼女は応援している選手のひとりです。
今年1勝もできてないんですよね。2位、3位は何度もあるのに・・・。
ですけど、まさか・・・さくらちゃんといっしょに歩いた・・・なんてことが、あったんじゃないでしょうねぇ、、?

新居浜は、ひたすら65番三角寺へ向けて国道11号線に沿って着かず離れずのへんろ道を歩くだけですから、特にアドバイスできるようなところは、、、、、う〜ん、、、、、。
でもメチャクチャ良かったへんろ宿がありましたよ。
伊予土井駅にほど近いところにある蔦廼家(つたのや)さんです。
何が良かったと言われてもありきたりなことしか言えませんが、とにかくあの近くに行ったらもう一度泊まりたい宿であることには間違いありません。

それと65番三角寺から椿堂へ抜けるルートなんですが、私ちょっと道を間違えて、エライ遠まわりしてしまったんでございます。
確か三角寺を出るときに、間違いやすい表示や案内があったような気がします。それに注目してください。
あと雲辺寺への登り口なんですが、民宿岡田さんを過ぎ、徳島自動車道の下を過ぎる先からへんろ道になってるように思われますが、正確には自動車道の下から右脇に雲辺寺への細い登り口があるんです。
へんろ札もあったのですが、私なぜかそれを見落として、舗装道のほうをドコドコ歩いていってしまったんです。
ここでもエライ時間のロスをしてしまいました。
Posted by こうへい at 2008年11月17日 23:36
>さくらちゃんといっしょに歩いた・・・なんてことが

まさか!ヤダなあ! 60番横峰寺(よこみね寺)のダジャレですよ。
あまりにも安っぽいダジャレなので、おとぼけですかなあ。
こんなジイさんが、さくらちゃんと歩けるわけがないでしょう!
(チクショーめ、さくらパパが恨めしい!)

私も今日、へんろ道案内札か「⇒」を見落として、四国電力施設
のフェンスにぶつかってしまいました。
天候と相談しての予定ですが、ふりそで、ふらなく、ふりだし、
またすぐやむ空模様です。ハッキリしなさい!!
宿泊が、しこくや温泉、石鎚温泉と続いたので、体が緩んじまっ
たようで。
街中では「野宿」は、あまりやりたくないです。
Posted by よし男 at 2008年11月18日 02:11
そうでしたか。アイタタ、こりゃ一本取られましたナ。(汗)
が、よし男さん、最近キャラが変わってきましたね。
、、、って、もともとがそうだったんでしょうねぇ。(笑)

でも、いいです、いいです。よろしゅうございますよ。
私も関西でいうところの「いちびり」な部類の人間ですので、
そうゆうキャラは大歓迎でございますよってに。(笑)
Posted by こうへい at 2008年11月18日 21:41
本来は「横峰さん」と言うべき札所です。

自分の性格としては生まじめな点とおどける点が
同居していて、分裂症かも知れません。通常は
おどける点は(必死に)抑えています。

今日もぐずついた天気でした。いよいよ明日は
三角寺へ行く予定です。ブログを読むことは
できないでしょうから、雲辺寺から生還したら
また、こうへいさんのブログを読みます。
大雨に遭ったら、そのときは・・・・。
Posted by よし男 at 2008年11月18日 22:02
◆よし男様
分裂症ってそんな・・・。(笑)
それだから人間なんでございます。人間、生まじめばかりだと疲れます。
ですから、それでよござんすよ。

さて気になる天気ですが、明日20日は良さそうですが、あさってから崩れてきそうですね。
予定通り行けば、明日には雲辺寺を打って下りてこられそうかな?
どうぞ、ご無事で。
Posted by こうへい at 2008年11月19日 18:46
今日帰宅しました!
>あと雲辺寺への登り口・・・
自動車道高架の近くで、案内札を注意していたので、
無事登山口に入れました。目より高い位置に札は
ありました。夕方になったので、ここらで野宿しました。
雲辺寺山頂は雪が降り地元の人もびっくりでした。
本番ではないと言いましたが、体が慣れてきたので、
雲辺寺に挑みました。やはり、きつかったです。
Posted by よし男 at 2008年11月24日 18:49
◆よし男様
お帰りなさいませ。
雲辺寺は、私も今年の年始に登りましたが、道中ずっと雪中行軍でした。

しかしこの寒い中を野宿してまわられてたんですね。
すごいですなぁ。私ゃ寒がりなもので、到底できません。


Posted by こうへい at 2008年11月24日 21:09
少々修正させていただきます。
   実質野宿は一回だけ。
電話帳にも掲載されていないネットカフェが新設
されていたり現地の人に公民館付設の宿泊所を紹
介されたりしてキビシイとは言えない遍路でした。
結果、寒くなる寸前に帰宅した次第です。
(20Kgのバッグ背負った本格修行お坊さんがいました!
 野宿・地図不携帯が必須だそうで!この寒空!!ヒエ〜!)
Posted by よし男 at 2008年11月25日 03:20
◆よし男様
例え一回でも、雲辺寺へ向かう途上でなされたとのこと。
それさえも私はできませぬぬぬぬ。
しかしその本格修行僧の方もすごいですナ。
困難に進んで立ち向かう気概、私も持てるようになりたいと思います。
Posted by こうへい at 2008年11月25日 21:20
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