☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年10月10日

四国へんろ【46】 A君との出会い

一礼して薬王寺の仁王門をくぐる。そして左へ右へと道なりに進んだところから女厄坂・男厄坂の石段が続き、その先に本堂があった。
この薬王寺も厄除けの寺として有名であり、平等寺と同じく一段ごとにたくさんの1円玉が置かれていた。

本堂・大師堂をお参りし、男厄坂を下って左に曲がったところに納経所がある。
そのとき一人の見覚えある若い男性へんろさん(以下A君)が納経所から出てきた。

私はあっと思った。ちょうど私が太龍寺の納経所前で休んでいたときに、目の前で水道の水を汲んでいた若者だった。

あの時間に21番・太龍寺にいて、いまこの時間に23番・薬王寺にいる。そして昨夜22番・平等寺横の山茶花に泊まったのは、神戸の27歳OLと私の2人だけ。
となると、昨夜A君はどこに泊まったんだろう。頑張って由岐あたりまで来たんだろうか。だとしたら、かなりの健脚である。

興味が湧いて、私はたまらずA君に話しかけた。

「お疲れさん。あれっ?君、昨日太龍寺にいなかった?」
「え?あぁ、いましたよ。」
「やっぱりそうやねぇ。納経所の横で水汲んどったでしょ?」
「汲んでましたね。アハハ、見てたんですか。」
「あの時間に太龍寺におって、いまここにおるっちゅうことは、昨日はどこに泊まったの?」
「日和佐に無料宿があったんで、そこに泊まりました。」
「あ、そう、日和佐ねぇ・・・、、、、、、、え?、、日和佐!!」

日和佐と言えば、ココ薬王寺があるのが日和佐である。このすぐ近くにJR日和佐駅もある。ということは、昨日のうちにここまで歩いて来たということなのか。信じられない。アンビリーバボー!

太龍寺から平等寺を経由して、ココ薬王寺までの距離はほぼ30km。昨日A君を太龍寺で見かけたのは、お昼ごろだった。12時に太龍寺を出て、時速4qのスピードで歩いたとしても、ゆうに19時はまわってしまうはずである。それも約7〜8時間の道のりを、平等寺での参拝や途中休憩ナシで計算してのことだから、実際はもっと遅くなることだろう。

私はあっけにとられながら、

「じゃ昨日は何時にここに着いたの?」と尋ねると、
「確か22時前でした。」
「へぇぇぇーーーー!!」

もう開いた口が塞がらない。由岐どころの話じゃないじゃないか。とにかくすごい、、、と言うより、無謀としか思えなかった。

聞いてみるとこのA君、北海道は札幌から来た学生さんで、大学の夏休みを利用して通し打ちをしているとのこと。そして昨日は、出費をできるだけ抑えようと、日和佐にある、バスを改造した無料宿に何が何でもたどり着こうとしたのだそうだ。

「通し打ちしてるんやろ?そら最初から飛ばしすぎやデ。まだ徳島県が終わったばっかりやのに・・・」
「僕、陸上やってるんで足腰には自信あるんですよ。途中、走ったりもしましたから。」」
「走ったー?!」
「なんだか足の調子が良くて。」
「いくら調子がエエゆうたかて、そら無茶やデ。」
「エヘヘ、、、」

照れ笑いするA君。

「足、ホンマに大丈夫なん?」
「大丈夫ですよ。」

そういってA君はリュックを背負いなおすや、じゃ失礼しますと言って先に歩いていった。
そのうしろ姿を見送る私。しかしA君の足取りは、とても軽やかには見えなかった。

実は、A君は全然大丈夫じゃなかったのである。


posted by こうへい at 00:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
薬王寺は、山門に入るまで、左側の坂を上るので、何か少し戸惑いますね。

A君は山中のルートを歩いたのではないでしょうね?! 体力的には1日
リュックを背負って40Kも歩ける人がいます。しかし夜中は足元が暗く、
懐中電灯を持っていても危険な場合がありますし、旧へんろ道で藪中の道
は最も危険です。それに景色も見えないし、やはり好んで選ぶ歩きではない
です。四国へんろ歩きの魅力は空気と水のきれいなところで歩くこと。
わたしもじつは、夜中22時ごろまで歩いたことがあるのです。しかし
JR鉄道に平行の国道で自動車はかなり多く走っていて、もし体力的に
限界であれば、電車に乗って宿に行ける、との計算でした。それでも
足元の歩道と車道の段差を見誤り転倒してしまいました。 それ以降やはり
日が暮れる前に歩きは終了することを原則としています。
他人の失敗を知って、自分だけではないんだ!ってヨロコブ趣味はないですが、
さて、続きは?
Posted by よし男 at 2008年10月10日 14:04
◆よし男様
A君のことを少し詳しく書きますと、当日前夜は鶴林寺への登り口にある金子やに泊まったと言ってました。
金子やから鶴林寺、そして太龍寺までは約10kmなので、その後の30qを足したら約40km。
A君がどのルートを歩いたかは聞いてませんが、一日の歩行距離としては、決して歩けないほどとは言えないですね。

そうゆう私も、このおへんろで40km以上を確か2度ほど歩いたことがありました。
ただ違うのは、私は朝がチョー早くて、A君は朝がチョー遅いってことです。
Posted by こうへい at 2008年10月11日 11:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。