☆☆☆義援金寄付ならびに節電のお願い☆☆☆

2008年10月03日

四国へんろ【44】 真っ暗闇の中で その2

体中の毛穴という毛穴が逆立った感じがして、思わず発狂しそうになった。

真っ暗闇の静寂の中、ときおり木々の葉っぱが風に揺られてサワサワと音を立てる。
何だ?まさか、、近くに何かいるのか、、、それとも誰かが、、、。

エエーイ、来るなら来やがれ。こちとらお大師さまの金剛杖がついてるんだ。これで一撃ブッ倒してくれるワイと身構える。

そのときである。


   ブルルーーーン!


確かに車のエンジン音が聞こえた。それは前方からのように感じられた。

次第にエンジン音は近づき、車のライトも見えてきた。そして私は、はねられてはエライことだと道端ギリギリに寄って車が通り過ぎるのを待った。

何事もなく車は通り過ぎていった。
しかしその車の運転手はきっとビックリしたことだろう。こんな街灯もない真夜中の道で、白衣を着たおへんろさんがひとりじっと立っているのを見かけたら・・・。

とにかく車が通り過ぎてくれたことで、方向もわかり、平衡感覚も戻ってなんとか気分が落ち着いてきた。
ハァしかし、要らんことをしたものだ。だいたいポラリスを探し出せたとて、周り真っ暗で何も見えないから進みようがないのだ。冷や汗タラタラである。もっと落ち着け落ち着け。

車が前から来たということは、この先に通り抜けられる道があるはず。そう信じて、再び金剛杖で前方を払いながら歩き始めた。

おそらく盲目の人は、いつもこんな状態で毎日を過ごしているのだろう。目が見えることのありがたさ。自分にとって当たり前のことが何とありがたいことか、しみじみと感じさせられる。

しかし、しばらく気分を取り直して歩き続けるも、再び不安感が高まってきた。もしかしてへんろ道をはずれていないだろうか。どエライ方向に進んではいないだろうか。

どれくらい歩いただろうか、再び前方から車が近づいてきた。そして前のときと同じように道端ギリギリに寄って車が通り過ぎるのを待った。

車のライトが徐々に近づくにつれ、私の立っている周辺も、次第に明るくなっていく。
そのとき私は、ふと5mくらい先にあったものに大きく目を奪われた。
そこには石碑が立っていた。そしてその石碑には間違いなく「四国のみち」という文字がハッキリ刻まれていた。

車が過ぎ去ったあと、辺りは再び闇の世界に戻ったが、私の目は見開いたまま、胸はすこぶる高鳴っていた。

「四国のみち」の石碑があった。間違いない。確かに見えた。いま俺が歩いている道は、間違いなくへんろ道のようだ。ヨカッタ〜!

しばらくして再び車のエンジン音が聞こえた。が、それはこちらに近づいてくる音ではなく、遠くを流れている音だった。
それからほどなくして、私の左前方に再びのエンジン音とともに一筋の光が流れていくのが見えた。それは車のライトの流れだった。

それほど遠くないところに大きな車道があるようだ。ヨシッ、なんとかなるぞ。頑張ろう!

そしてますます元気が出てきたところで、さらに元気づけてくれるときがやって来た。

それは、私が早く来てくれ来てくれと願い続けた、待望の夜明けの瞬間だった。


posted by こうへい at 22:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩きへんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
夜中でも車・人の往来がある都会と異なり山村では夜は眠ります。
林があると明りが全くなくなるコースもありえますね。
日中しか歩かない!と決めていても止む得ず暗い道を歩くこともあり、
私は反射タスキを体の前後につけられるよう持ち歩くことにしました。
『四国のみち』ってへんろ道と少し違うらしいですね。ほとんどは
一致するようですが。この不動の「不動」さま、頼もしいです!
Posted by よし男 at 2008年10月04日 14:03
◆よし男様
>この不動の「不動」さま、頼もしいです!
確かに!!あのときほど勇気づけられたことはありませんでした。

ブログには書きませんでしたが、あのあと「確かこの辺にあったよなぁ」って、金剛杖で石碑のあったあたりを探ってみたんです。
そしたら、コンコンって、、、、。
いや〜嬉しかったですねぇ。
Posted by こうへい at 2008年10月04日 23:43
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